「輪廻転生」という言葉がある。死んだ生物の魂が神様によって回収され、新しい命として生まれ変わること
そしてとある世界の天界では、その世界で魔王が率いる魔王軍によって、そこに住む人々の生活が脅かされていた。天界の神たちはそんな世界をどうにかするため、他の世界の死んだ若者たちの魂を集めていた
理由は若者たちに転生特典というチートアイテムやチート能力を授けて、魔王軍を代わりに討伐してもらおうという腹づもりだった。他にも選択肢はあるのだが、天国という場所でおじいちゃんが日向ぼっこするだけのある意味な地獄に行くか魂を消滅させるか。ほとんどの若者たちが転生を選んだのは当然と言えた
そして先ほど、転生者受付担当であった水を司る浄化の女神アクアが、カズマという新しい転生者と共に下界に転送された。転生特典でカズマがまさかの女神アクアを選んだのだが、それについての経緯は割愛させてもらおう。まあ1つ言えることがあるのならば、
「ふう、まさかアクア先輩を連れて行く人が現れるなんて……後で様子を見に行きましょうか」
新しい受付担当となったアクアの後輩女神であるエリス。修道服のようなものを着た彼女は、これからさらに忙しくなりそうなことに溜め息を吐きながら、次の魂も安心して話ができるように心を落ち着けて微笑んでみせて………
ドドドド………
「ん?」
何かの音が聞こえてきて、ふと扉を見る。ちなみに今エリスがいる場所は、死者の魂との会話を設けるための部屋であった。
ドドドドドドドド……ッ!!!
そして何かがやってくる音がだんだんと近づいてきて……
「「「おじゃましマッスル!!!」」」ガシャーン!!!
「きゃあああああああ!!!!」
サッカーユニフォームに着替え首領パッチボールでドリブルをするボーボボと天の助、メガネをかけて小型机を持ちながらマイクを手に実況するヘッポコ丸が扉を破壊して珍入してきた。ビュティは諦めの表情で後ろからついてきている
女神歴長年、100%前例のない事態にエリスは喉の限りまで悲鳴をあげた。無理もない
「いけボーボボ!!」
「さあボーボボ選手!華麗なドリブルからゴールまで一気に距離を詰め……」
いつの間にか部屋の一辺に置かれたサッカーゴール向かってボーボボは首領パッチをゴールに蹴り込むために長い脚を後ろに上げ
「スラムダンク!!!!」ガコン!
「ダンクシュート、決まったーーー!!!」
「なんで!!?さっきまでサッカーやってたじゃん!!!」
バスケットゴールに首領パッチを叩き込んだ
一通り体を動かして満足したのか、ボーボボは機嫌良さげに体を伸ばす
「あー、すっきりした」
「ここの人に迷惑なんだからやめときなよ!」
「あ、あなたたち、一体何者ですか!?」
ようやく我に返ったエリスが警戒しながら言う。ここは死者たちの魂が集まるところ。たとえ強大な力…それこそ魔王並みの力を持っていようとここに生身の人間が侵入するなど不可能なのだ。いや、人間じゃないトゲトゲしたりプルプルしたモンスターみたいなのもいるが
それにどこからどう見ても至って普通の……さっきみたいなことが起きても冷静な時点で普通とは言い難いが、それでもなんの力もない少女もこんなところに連れてこれるとは、このアフロの男の人はなんなのか?
エリスは聖なる力を溜めながら返答を待ち……
「君が、ディオ・ブランドーかい?」
「そう言う君は、ジョナサン・ジョースター」
「みんな僕のことを「ジョジョ」って言うんだよ。よろしく」
「何してんの2人とも!!!」
ボーボボたちは我関せずにどこぞの奇妙な冒険の人物になりきっていた。そんな2人たちにダニーに扮した天の助がやってくる
「紹介するよ、ダニーってんだ。僕の愛犬でね、利口な猟犬なんだ。心配ないよ!決して人は噛まないから。すぐ仲良しになれるさッ」
カツラを被った一頭身の
「ふん!」
「無駄ァ!!!」ボギャアア!!!
「「何をするだァーーーーーッ!!」」
膝蹴りを首領パッチごと天の助の顔面にぶち込んだ。ちゃっかり首領パッチも巻き込んだ意味?特にない
いつものように血を吐いて床に倒れた首領パッチと天の助。そしてボーボボはエリスの方へ向き
「これが、オレたちだ!!!!」
「まさか今の茶番が自己紹介のつもりだったの!!?」
自信満々に言い放った。だがエリスは混乱したままだ。別に わけもわからず じぶんをこうげきした!なんてことはないが
「あ、あなたたちは誰ですか?」
「オレの名はボボボーボ・ボーボボ。毛の自由と平和を守るため、この世界にやってきた」
「この世界に……?」
エリスは思った。天界にやってくるだけの力を持ちつつもこの人から邪悪な気配は感じないし、本当はとてもいい人なのかもしれないと。暴れるのはやめてほしいけど
ビュティは思った
(旅行で遊びにきたって言ってたじゃん!!!)
そんなビュティの心情も知らず、エリスは神々しさを放って話す
「ようこそ、ボーボボさん。私の名前はエリス。この世界で死者の魂を導く女神です」
「女神!?」
「はい。ボーボボさん、あなたには折り入って頼みたいことがーー」
「女神だァ?テメェふざけてんじゃねえぞ!!!」
驚くヘッポコ丸に微笑んで答えつつ、ボーボボに頼みごとを話そうとしたところで急に首領パッチがエリスに掴みかかった
「ちょっと、やめなよ首領パッチくん!」
「あ、あの、急に女神だと言われて信じられないのは分かりますが………」
エリスは首領パッチが怒っている理由を指摘する。そして濃い口紅をつけた首領パッチが叫んで主張する
「当たり前よ!!本編でもこの作品でも真のヒロインで女神は私なのよ!!!私以外にあり得ないわ!!!」
「ええ!!?」
「やっぱそーいう理由かい!!!」
意味不明で横暴な主張に声をあげる女神様
「へっくぅ〜ん、パチ美がヒロインでしょ〜?あんな小娘や駄女神じゃなくて私よね〜?」
「離れろ」
「うぅ、ひどい…」
すり寄ってくる首領パッチを剥がすヘッポコ丸。そしてエリスは駄女神呼ばわりされたことに、まさに駄女神な先輩を思い出しながら静かに泣いた
「………コホン、すみませんボーボボさん。実はお願いがあるのです」
「なんだ?」
「実は先ほど、前任の女神が水の女神としての力を失った状態で訳あって地上に行ってしまって。できればアクア先輩のサポートをしてもらいたいのですが、よろしくお願いしてもいいですか?」
ボーボボはそれを笑顔で快諾した
「よし分かった!!そのアクアはぶちのめす!!!」
「ぶちのめす!!?違います!!アクア先輩の助けになってほしいのです!」
「安心しろ。天界が追放した駄女神とやらは、オレたちが必ずトドメを刺す!!!」
ほんわほんわとボーボボが頭に思い浮かべた、スライム状のアクアがポテチ片手に酒を飲んだり、他人に対してぷーくすくすと笑ったり、面白半分に大洪水を起こすなどの様々な悪行を再生する
「アクア…絶対に絶対に許さん!!女神エリスの名に誓って、トイレ水の女神様にしてくれる!!!」
「ダメだこの人!!すでにカバーストーリーから妙な誓いまで立ててる!!つーか人型ですらないんですけど!!?」
ヘッポコ丸は人の話を聞かないボーボボを止めようとするが、ビュティと一緒に持ち上げられて阻止される
「出発の準備だバカども!!!!」ドガ
「「ぎゃあ!!」」
唐突の蹴りに困惑する首領パッチと天の助。天の助が聞く
「え?え?なに、なんで今蹴られたの」
「バカヤロウ!今からアクアっつーヤツをぶっ殺しに行くんだよ!人の話は真面目に聞け!!!」
「じゃあまずボーボボがエリスさんの話聞きなよ!!!」
「よし行くぞォ!!!」
最もすぎる正論をビュティが突きつけるが、ボーボボが止まる気配はなかった
「首領パッチ、天の助に問題です!三角形、四角形をそれぞれ英語でトライアングル、スクエアと言います!では八角形は英語でなんというでしょーか!?回答どうぞ!!」
「フ…甘いなボーボボ」
「その程度、オレたちが分からないとでも思っているのか?」
サラサラサラーとボードに答えを書いていって、一斉にそれを公開する
「足が8本、つまりイカだ!!」
「4個のところてんを合わせて八角形、ところてんサービスパックが答えだ!!」
「どーしてそうなっちゃったの!!!?」
フリップに書かれた「イカさん」と「ところてんのサービスパック」の文字を見て文字通り目玉を飛び出させて驚いた。英語ですらないし!!
「それにイカの足は10本だから!!!」
「ええ!?そんな
「不正解!!!」ドゴン
「「ぐばはッ!!!」」
フリップごと蹴りあげられる2人。ビュティとヘッポコ丸を肩に乗せながら、ボーボボは冷たく宣告する
「正解できなかったバカには罰ゲームを執行します。そんなわけで鼻毛真拳奥義……」
ボーボボの言葉を最後に数秒後、首領パッチと天の助の真下に巨大な穴がぽっかりと開く
「「ボクタゴン式落とし穴的罰ゲーム」!!!」
「「何ィーーーーーッ!!!?」」
落ちまいと必死に逃げようとするが、床がなくて時すでに遅し
「「ぎゃああああああああ!!!!」」
オレンジ色と水色は悲鳴をあげながら重力に従い落下していった
「さてと、オレたちも行くぞ」
ビュティとヘッポコ丸の2人を背負った状態で、ボーボボは閉じていく穴に向かって飛び込んだ
「きゃあああああ!!」
「うわあああああ!!」
「ボギバーーーーーーーッ!!!」
そして大穴が完全に閉じ、ボーボボたちは完全にいなくなった。この間わずか3分
「…ぜ、絶対に様子を見に行かないと」
部屋で取り残されたような感じのエリスは、最初とは比べ物にならないほど心配に満ちた声でそう呟いた
書きたいギャグがあっても繋ぎのギャグが書けねえ!!