この素晴らしい世界にハジケリストを!   作:ジャギィ

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前回の話から、たくさんのギャグのアイデアをいただきました。本当にありがとうございます!今回あんまボーボボの出番ないです

代わりにカッスマさーん!が輝きます


奥義20 勇者のミツルギ対外道のカズマ

アクセルの街に戻ってきたボーボボ一行。鼻毛で引きずられてるオリの中で、死んだ目のアクアがドナドナを歌っていた

 

「おいアクア、タダでさえオリの中にお前がいて注目浴びてんだからその歌を歌うのやめろよ」

「チョナチョナチョーナーチョーナー…」

「何その歌!チョナチョナ!!?」

 

意味不明な歌を歌い始めたアクアにカズマが突っ込む。歌い出して元気が出てきたのか、アクアたちが声を上げる

 

「「「チョナるぞー♪」」」

「なんで2人ともオリの中に入ってるの!!?」

 

そして牛の着ぐるみを着た首領パッチと天の助はオリの中でアクアと一緒にチョナっていた

 

騒ぐ元気があるならオリの中から出て欲しいとカズマは思った

 

「め、女神様じゃないですか!?何をしているのですかそんなところで!」

 

そんな時、いかにも勇者といった感じの装備の男がアクアたちの入ったオリに近寄っていた。近くには仲間の戦士と盗賊の少女がいた

 

そしてモンスターでも容易に破壊できないオリの鉄格子を素手で捻じ曲げ、中のアクアに手を伸ばし

 

「「あらやだイケメン!!」」

「うお!なんだこいつら、新種のモンスター!?」

 

オカマな首領パッチと天の助が男にしがみついて絡んだ

 

「なあアクア、あいつお前のこと女神っつってたし、もしかして俺と同じ日本からの転生者の1人じゃねえのか?」

「あの剣、私が前に特典であげた魔剣グラムね。多分カズマの言う通りね。あの人は覚えてないけど」

 

オリから出たアクアがカズマと話してると、バカ2人を引き剥がした男がアクアに話しかけてきた

 

「アクア様、お久しぶりです。あなたから魔剣グラムを授かった御剣(みつるぎ)響夜(きょうや)です。あの、女神様はなぜここに…というかオリの中に?」

 

ミツルギにアクアがこの世界ひいてはオリの中にいた経緯を話すと、カズマの胸ぐらを掴んで怒り出した

 

「なんてとんでもないことをしているんだ!アクア様をこの世界に引き込んで、しかも今回のクエストではオリに閉じ込めた!?しかもモンスターと一緒にだなんて、許されることじゃないぞ!!」

 

掴む力が強まるが、それをダクネスが止める

 

「いい加減その手を離せ。カズマとは初対面のようだが、礼儀知らずにもほどがあるだろう」

 

背後ではめぐみんが爆裂魔法を唱えようとしてたのをビュティとヘッポコ丸が止める

 

「アークウィザードにクルセイダー?それに他にもいるな…君たちもこの男の仲間なのかい?悪いことは言わない。こんな他人任せの男のパーティなんかさっさと抜けて別の人と組んだ方がいいよ。なんなら僕のパーティに入るってのはどうだい?彼とは違って、絶対に苦労はかけさせないよ」

「ふざけるなよ、このナルシスト野郎」

「しかもカズマくんだけじゃなくて首領パッチくんたちもバカにしたでしょ!謝ってよ!」

「ミツルギよ。オレの仲間を侮辱した罪は重いぞ」

 

その身勝手な言い分には温厚なビュティも口を挟むほどだった

 

「ちょっと、あの人本気でひくくらいヤバいんですけど」

「攻めるより受けるのが好きな私だが、あいつだけはなんだか無性に殴りたいのだが」

「撃っていいですか?あの苦労知らずのスカしたエリート顔に、爆裂魔法を撃ってもいいですか?」

 

普段ドMなダクネスが殴りたいと言うほど、ミツルギの評価は不評だった

 

そして剣呑な雰囲気の中、ミツルギはカズマを指差して宣言した

 

「決闘だ!1対1で正々堂々戦い、僕が勝ったらアクア様を君のパーティから抜くことだ!君が勝ったら、なんでも1つ言うことを聞こうじゃないか」

「お前だけ強い武器でレベルを上げてるくせに、何が正々堂々だ!!」

 

あまりに一方的な要求にヘッポコ丸が抗議するが、カズマは少し考えるとミツルギに質問する

 

「なあ。その1対1ってルール、どっちか片方の仲間が参加してきたら反則負けってことでいいのか?」

「その通りだ」

「後で負けても難癖つけないよな?」

「君がルールを破らなかったらの話だけどね」

「安心しろ。絶対に仲間は参加させない」

 

それを聞いたカズマの目は珍しく嘘をついてなく、ミツルギはカズマの言葉を信じた。カズマがポッケからコインを取り出す

 

「よし、じゃあこのコインが地面に落ちた瞬間から開始ってことでいいな?」

「いいだろう」

 

カズマがコインを指で弾くと宙で回転し、やがて落ちてきたコインが地面に落ちて跳ねた

 

「こちらからいかせてもらう!!!」

 

カズマよりレベルが高いだけあって、ミツルギは魔剣グラムを手に距離を一気に詰める。剣の横部分を鈍器のように振り下ろす

 

それを見たカズマは近くのダクネスの手を掴み

 

「ダクネスガード!!!」

「ぐっはぁ!!!」

「何ィ!!?」

 

ボーボボみたいに躊躇なく仲間を盾にした。顔を赤くし喜んでるダクネスにガキィンと弾かれた隙をついてカズマは次に天の助を掴み

 

「オラァ!!!」

「「グバァ!!!?」」

「きゃあああ!!!」

 

ミツルギに叩きつけた。血ヘドを吐きながら吹き飛ぶ2人を見て、最後に首領パッチを前に持ってきて、照準を合わせて真横の「首領パッチ・フォース」と小さく書かれている針をグルっと回す

 

ウィィィィーンという音と共に首領パッチの口が機械的に開き

 

「トドメの「首領パッチ・フォース」!!!!」

「やりたい放題だーーー!!!!」

 

光の熱線がミツルギと天の助を黒コゲに焼いた。プスプス煙をあげて気絶してる2人をよそ目に、首領パッチを掲げてカズマは宣言

 

「勝利」

「イェーイ!!」

 

嬉しそうにピースサインする首領パッチ。しかしミツルギの仲間の戦士のクレメアと盗賊のフィオはブーイングを飛ばす

 

「卑怯者!卑怯者卑怯者卑怯者ーっ!」

「あんた最低よ!自分で決めたルールを破って勝つなんて反則よ!」

 

反則という言葉にカズマが言い返す

 

「俺はルールなんて破ってないぞ」

「白々しいのよ!1対1の決闘だったくせに3人も仲間を加えてたじゃない!」

「違うな」

 

人差し指を揺らしカズマは宣言する!

 

「俺はダクネスと天の助と首領パッチというアイテムを使っただけだ!!」

「道具扱い!!!?」

 

あまりに不当な扱いに、しかし聞いたダクネスは興奮する

 

「なんなら今からでも俺と戦うか?まあ、もしお前らが道具として戦ったなんてこいつ(ミツルギ)が知ったら、俺の仲間に声をかけるほど優しい奴だから。申し訳なさでお前らの前からいなくなるかもな」

「「「うわぁ……」」」

 

とんでもなく外道な顔をするカズマのゲスな詭弁と作戦に味方一同でドン引きする。ボーボボも引く。目の前の少女たちすらも互いを抱き合うほどに引く

 

「んじゃ、なんでも言うこと聞くって言ってたしこの剣でももらうか」

 

そう言ってカズマはボロボロのミツルギから魔剣グラムを剥ぎ取る

 

「な、何言ってんの!その魔剣はキョウヤにしか使えない特別な剣なのよ!」

「そうよ!あんたなんかに使えないわよ!」

「…そうなのかアクア?」

「ええ、魔剣グラムは黒コゲな痛い人専用よ」

 

うーむ…とカズマは考え込むが、少しすると妙案が思いつく

 

「売ったら金になんじゃね?」

「さっすがカズマさん!いい考えだわ!」

「じゃ、今晩はこいつでうまいもんでも食うか」

「さんせ〜い!!」

「おいカズマ!今回はオレのおかげなんだからな!オレになんかおごれよ!!」

「ハイハイ、ギルドでLサイズのコーラおごってやるよ」

「わ〜い!やった〜!」

 

ハシャギながらカズマの頭に移動する首領パッチ

 

「「外道!!悪魔!!鬼畜ーーー!!!」」

 

黒コゲ勇者の仲間の罵倒を浴びるがシカトする

 

カズマに肩車されながら喜ぶ首領パッチを重そうに運びながら、カズマはオリを鼻毛で引っ張るボーボボたちと共にギルドに戻っていった




ミツルギの話は1話で全部纏める予定でしたが、描きたいギャグのために2話に分けて投稿しますので楽しみに待っててください!

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