この素晴らしい世界にハジケリストを!   作:ジャギィ

27 / 93
ネタの貯蔵が尽きて、1日更新が難しくなってきた


ハジケリストでもバビがしたい!
奥義27 ダブル女神


ベルディア討伐から数ヶ月。ボーボボたちは冬を越すため、雪精討伐のクエストを受けていた

 

「わーい、雪だーー!」

「雪だるまつくろーぜ雪だるま!」

「あいつら元気だな…うぅさぶ!」

 

雪を踏みしめながら寒さに震えるカズマとヘッポコ丸

 

「冬といえば冬将軍、鍋将軍、アスパラ将軍だ!!」

「アスパラ!!?」

 

アスパラの被り物をつけてアツアツを鍋を持つ将軍姿のボーボボを見て、今日もビュティは意味不明だと思った

 

借金ゆえに人数分の防寒着を用意できず、着ているのはビュティとめぐみんの2人だけである。ダクネスに至っては鎧すら着ていない

 

「ふう、街の外はすごく降ってるね。…それとダクネスさん、なんだかすごく嬉しそうな顔してるけど何かいいことでもあったの?」

「あぁ、少しな…」

 

雪精は非常に弱いモンスターであり、ダクネスが望むような強い刺激は得られないはず。それなのにどこか嬉しそうな顔でソワソワしているダクネスをビュティは不思議がった

 

「みんなー!雪精を見つけたわ!捕まえましょ捕まえましょ!!」

 

大声で伝えるアクアは、腰に大量のビンをつけ網を使って雪精をビンの中に詰めていた。どうも冷蔵庫代わりに使うらしい

 

「『エクスプロージョン』ッ!!!」

 

めぐみんは爆裂魔法を撃っていた

 

「カズマ見てください!雪精を8匹も倒しましたよ!レベルも1つ上がりました!」

 

雪の上で寝そべっているせいでとてもカッコ悪かった

 

「……ん、出たな!」

 

そんな時、ボーボボたちの目の前に突如白い兜鎧をつけたモンスターが現れた

 

それが現れた瞬間、さっきまで勝ち誇ってためぐみんはビュティとヘッポコ丸の手を引っ張って死んだふりをし始めた

 

「な、なに?」

「……カズマ、ビュティ。なぜ冬になると冒険者たちがクエストを受けなくなるのか、その理由を教えてあげるわ」

 

ビュティの疑問にアクアが答える

 

「あなたも日本に住んでいたんだし、昔からこの季節になると天気予報やニュースで名前くらいは聞いたことがあるでしょう?」

 

そして、真面目な顔でアクアが言う

 

「雪精たちの主にして、冬の風物詩とも言われている……そう!冬将軍の到来よ!」

「モンスターで!!!?」

「バカッ!このクソッタレな世界の連中は、人も食い物もモンスターもみんな揃って大バカだ!!!」

 

冬将軍は抜き身の刀を煌めかせ襲いかかってきた!

 

ダクネスは剣を使って刀を防ぐが、真ん中からポッキリと折れてしまった

 

「ああっ!?わ、私の剣が……!?」

「ボーボボ!このままじゃダクネスさんが…!」

「ビュティ!そのまま頭を下げた姿勢を続けるのよ!」

 

アクアはビンに捕まえていた雪精を解放しながら言う

 

「冬将軍は寛大よ!雪精を解放して誠意をもって謝れば許してもらえるわ!!」

 

雪精を解放したアクアは、雪の上で見事なまでの土下座をする。そこには女神としての威厳など微塵もなかった

 

「カズマなにしてるの!?DOGEZAよDOGEZA!!早く冬将軍に許してもらわないと!ほら早く!!!」

「アンタ女神としてそれでいいの?」

 

ビュティの冷たい呟きは冷たい雪の中に消えた

 

アクアに言われてカズマは土下座をしようとするが、隣のダクネスは未だに折れた剣を構えていた

 

「おま、なにやってんだよ!早くしないと冬将軍に斬られるぞ!!」

「く、しかし私はクルセイダーとしてのプライドがある!簡単に敵に頭を下げるわけには…!!」

「なんでこんな時に限ってンなこと言うんだお前は!?いいから早く頭下げろ!」

 

無理やりダクネスの頭を押さえつけて土下座させようとするカズマ

 

「や、やめろカズマ!私の意思に反して頭を下げさせるなど…だが、これはこれで悪くない…!!ああ、雪が冷たい……!!」

「一生興奮してろ変態クルセイダー!!」

 

そんな中、天の助が冬将軍に近づき、馴れ馴れしく言う

 

「冬将軍さま〜、頼んますぜ〜ぜひとも雪精たちの間にところてんの布教を…」

 

ズバッ!

 

「ぎゃあ!!!」

「なにやってんだよお前!!?」

 

土下座しながらも器用に突っ込むカズマ。その時、ボーボボが叫んだ

 

「カズマ!早く武器を捨てろ!!!」

「え!?わ、分かった!」

 

にじり寄る冬将軍を目にしてカズマは急いで腰のナイフを投げ捨てた。しかし、急ぐが故に体を上げてしまったカズマを冬将軍は見逃さず

 

ヒュン

 

嫌な予感がしたカズマはとっさに体を仰け反らせ、冬将軍が刀を振るって少しして、カズマの意識はブラックアウトした

 

 

 

………そしてカズマは以前も来たことがある部屋で目を覚ます

 

「佐藤和真さん……ようこそ死後の世界へ。私はあなたに新たな道を案内する女神エリス。この世界でのあなたの人生は終わったのです」

 

カズマの目の前にいる幸運の女神エリスがそう告げる。イスに座りながらその言葉を聞いていたカズマは、エリスの言葉を噛み締めながら過去を思い返す。そしてくだらなくも素晴らしいあの世界での生活を振り返りながら、カズマは涙を流した……

 

「スティィィール!!!」

「……え?」

 

…りはせず、エリスに向かって《窃盗》を使用。そしてカズマの手に握られる2つの三角状の柔らかいものと膨らみがなくなったエリスの胸

 

《窃盗》したものを掲げながら、カズマは叫ぶ

 

「エリスの胸はパッド入りーー!!!!」

「いやああああああああ!!!か、返してくださいいいいいい!!!!」

 

エリスは胸を隠しながら、顔を赤くして叫んだ

 

「テメエがボーボボたちを送り込んだエリスって女神か!!お前のせいで俺毎日大変な目に遭ってたんだぞ!?ボーボボに振り回されるわ首領パッチはバカ丸出しだわ天の助は役に立たねえのに突撃するわ、来る日も来る日も突っ込んでばっかだから俺最近のど飴持ち歩いてんだぞ!!!俺の苦労が分かるか!!?」

「ええっと……それに関しては完全に私の不備です、本当に申し訳ございませんでした…」

 

ものすごい剣幕にエリスは深々と頭を下げた。下界で変装してボーボボたちの様子を見ていたエリスからすれば、カズマの怒りはもっともであった

 

「…そうか、俺、また死んだのか…」

「はい。カズマさんはとっさに仰け反りましたが、それでも頸動脈が切断されたので出血がひどくて、その出血多量によるショック死が原因です」

 

カズマは黙りこくる。さっき苦労がどうこう文句を言ったが、ボーボボたちとの冒険は前世の生活なんて目じゃないほど刺激的で楽しかったのは確かだった。もうあいつらと会えないとかと思うと涙が出てきそうで……

 

『さあ帰ってきなさいカズマ!!こんな所で何あっさり殺されてんの!死ぬにはまだ早いわよ!てか早く戻ってきてカズマさぁん!!!』

 

すぐに涙は引っ込んだ

 

『ちょっとカズマ聞こえる!?アンタの体に『リザレクション』って蘇生魔法をかけたから、すぐに生き返ることができるわ!!そっちにいる女神に声をかけて門を開けてもらいなさい!』

「おお、マジかアクア!」

 

願っても無いチャンスに立ち上がるカズマ。しかしエリスが慌てて止める

 

「ま、待ってください!カズマさんは既に生き返る形でこの世界に来てますから、天界規定でこれ以上の蘇生はできませんよ!あの、カズマさん。そうアクア先輩に言ってくれますか?」

「あ、はい。おーいアクア!天界規定でこれ以上蘇っちゃダメだってエリスって女神が言ってんだけど!」

『ハア!?そんなこと言ってる状況じゃないんだからとっとと通しなさいよ!!!ホントお願いだからエリス、せめて無理ならボーボボたちを止めてェ!!!』

「「え?」」

 

普段な偉そうな態度をかなぐり捨てたアクアの物言いにカズマとエリスは困惑する

 

『わああー!!!コブラが雪から、冬将軍に金ピカ天の助が突撃して、首領パッチがオナラで雪を走って、めぐみんが、めぐみんが黄色に吸い込まれてーー!!!!』

「マジで何があったーーーー!!!?」

 

あまりの支離滅裂ぶりに2人とも混乱する

 

「エリス様、早く生き返らせてくれ!!あいつらマジで何するか分かんねえ!!!放っといたらヤバイことになる!!!」

「わ、分かりました!早く通ってください!……アクア先輩をよろしくお願いします、カズマさん!!!」

 

エリスのお願いと激励を受けながら、カズマは下界に戻った




冬将軍は戦うかどうするかを真剣に悩んでました。そしてある読者のネタのアイデアを見たら一瞬で吹き飛びました。ホントボーボボでネタを生み出すことに関しては最強だわ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。