とりあえず首領パッチと天の助には魚雷を差し向けました
ヘッポコ丸は眠りから目を覚ました
「ここは屋敷の庭か?」
気がついたら庭に立っていたところから、これがサキュバスの言ってた夢だとヘッポコ丸は考えた
(それにしても夢とは思えないくらいリアルだな)
「あれ?へっくん?」
「ッ!!ビュ、ビュティ!?」
後ろから声をかけられヘッポコ丸はビクつくが、すぐ冷静になる
(これは夢だ、これは夢だ…)
サキュバスの店でカズマ、ダスト、キースは揃ってエロい夢を希望したが、ヘタレなヘッポコ丸は当然そんな夢を見ようとしなかった
そこでヘッポコ丸はいつかする告白の予行練習を夢でしようと考えたのであった。それを聞いたカズマたちの反応はブーイング…ではなかった。それどころかカズマとダストは肩をポンポン叩いて冥福を祈っていた。解せぬ
「ねえへっくん。もしかして体の調子が悪かったりする?」
「ビュティ……」
真剣な表情でヘッポコ丸はビュティに近づき
「実は大事な話が」
「はぁ〜〜〜さっぱりさっぱり♪」
「ぶっ!」
さっぱりな妖精の首領パッチの乱入で台無しになった
「……?どうしたのへっくん、話?」
「コ、コホン、なんでもない。それよりビュティ…」
咳払いしてから改めてビュティに向き直り
「はぁ〜〜〜ぬっぱりぬっぱり♪」
ゴッ
ぬっぱりな妖精の天の助の乱入で台無しになった。転けて地面に頭をぶつけるヘッポコ丸
「あいつら〜〜!」
「え?なにもいないけど…」
振り返ってもすでにさっぱり妖精とぬっぱり妖精はいなかった
何度も邪魔されるがめげず、気を取り直してもう1度ビュティに話しかける
「な、なあビュティ」
「なに?」
「オ、オ、オレ、実は……」
意を決して口を開き
「「はぁ〜〜〜さっぱりぬっぱりさっぱりぬっ」」
「オラァ!!!」
「「ぐばぁ!!!」」
3度目の邪魔に我慢できないヘッポコ丸はふざける2人を蹴り飛ばした。そのまま壁に激突
「なんで夢の中にまでコイツらが出てくるんだよ!おかしいだろ!」
「やっぱりへっくんなんか変だよ!どうしちゃったの本当に!?」
ヘッポコ丸の変貌に戸惑うビュティの肩に、ヘッポコ丸の手が乗る
「ビュティ!!」ガシッ
「え?え?へっくん?」
「オ、オレ、オレ、ずっとビ、ビュティのことが…!!」
とうとう決意の言葉を言おうと
ガシャーン!
「おぶぅ!!!」
「へっくーーーん!!!?」
した時、窓ガラスを破って飛んできた何かにぶつかって吹っ飛んだ。目の前の惨劇にビュティが叫ぶ
「イテテ……あれ?お前ってあの店にいた!!」
「うう、面目ないです…」
ぶつかってきたのは昼間に行った店の中にいたあのサキュバスだった
「ビュティ」
「ソフトンさん、あれは?」
割れたガラス窓からやってきたソフトンにビュティは聞く
「あれはサキュバスだ。夢を見せて人間の精気を吸い取る悪魔だ」
「え、こんな夜に来たってことはもしかして魔王軍!?」
間違った解釈をするビュティ。一方ヘッポコ丸はこの事態に混乱していた
「淫夢を見せにこの屋敷に他の新入りの子と来たのですが、途中であのぐるぐる頭の人に見つかっちゃって失敗してしまいました…」
「え!?」
(じゃあさっきまでのあれは現実!?」
そこまで考えてヘッポコ丸は顔を真っ赤にして悶えた。穴を掘って地中に潜りたい気分だった
「「地中ホテル」1泊1億ペリカね」
モグラの鼻をつけながらざわ…ざわ…する首領パッチと天の助の勧誘を無視して、ヘッポコ丸はソフトンたちとサキュバスの間に立った
「どうしたのへっくん!!!」
「サキュバスには人を魅了し操る力があると言われる。おそらく今のヘッポコ丸は一種の催眠状態に陥っている」
「あ!じゃあ今日へっくんの様子がおかしかったのってサキュバスに操られていたから!?」
真実は全然違う
バビロン真拳特有の構えを取りヘッポコ丸と対峙する
「早く逃げろ!!」
「し、しかし、これは私たちの不注意から起きた事で、お客様にこれ以上迷惑をかけるわけには…」
「いいから!!」
「うう…ありがとうございます……!」
必ず謝罪とお礼をしようと心に誓ってサキュバスは飛んで逃げた
「あ!サキュバスが逃げた!」
「来るか」
「うおーーー!!!「神無月」!!」
ヘッポコ丸は追いかけられないよう、ビュティに気をつけながらオナラの塊を遠距離で投げまくる
(ソフトンさん相手に挌闘戦は分が悪い。かと言って他の技じゃビュティを巻き込んでしまう。ここは遠距離に徹する!)
背後でオナラのニオイによってダメージを受けてる
ボフォ!
オナラの塊がソフトンに命中した
「やったか!?」
確かな手応えを感じたヘッポコ丸は攻撃の手を緩める
が、オナラの中から暗い紫色の炎が現れ、オナラを全て吹き飛ばす
「なに!!」
「なるほど、確かに成長はしているようだ」
そして紫色の炎…黒太陽の力を両手に纏ったソフトンが語りかける
「しかし攻撃を当てたからと言って追撃を緩めるのは感心しないな」
『慢心 それすなわち死』
(久々に出た
かつて戦ったタマネギ頭で黒太陽真拳の使い手である強敵、
『黒太陽バビロン!!!!』
「うわあああああ!!!」
燃え盛る黒太陽の炎がヘッポコ丸を囲った
「ぎゃあああああー!!!オレらも燃えてるオレらも!!」
「ウンコテメー!!」
「巻き添え喰らってるーーー!!!!」
そして巻き添えを喰らった2人はそのまま黒太陽に包まれて……海パンを履いた夏オヤジになった
そのまま海に突入
『夏まっしぐら』
「何がしたいのアンタたち!!?」
そしてソフトンとヘッポコ丸の戦いも佳境を迎えていた
『砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕』
ドガガガガッ!
「ぐわああ!!!」
「バビロン真拳「ジャマイカの情熱」」
凄まじく速い打撃の連撃にヘッポコ丸は倒れ伏した。起き上がる力も残っていない
戦いを終わらせたソフトンは倒れたヘッポコ丸に近づいて呟く
「次からはみんなにバレないようにやることだ」ボソッ
「…!もしかして、全部分かってて?」
「フッ」
「ソフトンさん!!へっくんは元に戻った?」
「ああ、大丈夫だ」
ソフトンに庇われたことに気づいたヘッポコ丸は、この人には敵わないなぁ、と思った
「あ!そういえばカズマくんの方は!?」
「そろそろボーボボが片付けてくれていると思うが…」
屋敷内…
カズマはアクアに羽交い締めにされながらボーボボにワカメを叩きつけられていた。サキュバスはすでに脱出している
『ワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメワカメ』
ビタンビタンビタン!
「おぶぶぶぶっ!!!」
「さあ、早く降参しなさいカズマ!これ以上ガマンするともっと酷いことになっちゃうわよ!!」
ピタッ
「なんだこの技はーーーー!!!!」バキッ
「「ぐぼっ!!!」」
急に逆ギレしたボーボボはアクアごとカズマを蹴り飛ばした
しかしカズマは起き上がる
「ま、まだ起き上がるのか!?」
「なんか、今のカズマは爆裂魔法が直撃しても起き上がりそうな気迫があるんですけど!なんですかこれ!」
これには流石のめぐみんとダクネスもタジタジする
そんな中、カズマの脳裏に浮かぶのは可愛らしいサキュバスたちの微笑みだった
「うおおお!!俺の、俺たちの夢を壊されてたまるかーー!!!!」
がむしゃらにカズマはボーボボに殴りかかり
『おとなりのアルパカ!!!』
「ぎゃあああああああああ!!!!」
鼻毛真拳で難なく迎撃された。カエルが潰れたような声を出しながらカズマはベシャリと落ちた
「カズマ…」
倒れているカズマの口元をぬのハンカチで覆いながらボーボボは優しく言う
「オレの夢は補助輪で床屋になること…お前と同じだな」
「絶対違うと思います」
めぐみんの冷たい指摘が夜の屋敷の廊下に響いた
今年の夏もなかなかに暑かったですね。これからまた冬が来るのだと思うと、イヤな汗をじっとりかきます