この素晴らしい世界にハジケリストを!   作:ジャギィ

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今回ボーボボ組出番ないです。ビュティがチョロっと出てくるくらいです


田楽四重奏 〜デンガクカルテット〜
奥義63 エバーフリー


バニルによって未来を見通されたカズマたちは、自分たちの将来を考え就職活動を始めていた…

 

「はぁーーーーー、就職してぇーーー」

「じゃあ自分で探しなさいよ」

 

カズマのぼやきに対して就活本を読みながらアクアがそう返した

 

「そういやダストのヤツ、また覗きで捕まったって」

「マジでー」

「なんかいいとこあったーー?」

「ありませーーーーーーん」

 

対面席にいるめぐみんとダクネスはその様子を眺めていた。チューとジュースを飲むめぐみん

 

「はーーーーーー…」

「ん!」

 

カズマが深くため息を吐いた時、アクアはとあるページに気づく

 

「これよ!!!!!」

 

それは「キミも一緒に人間を滅ぼそう!!!!」と書かれた魔王軍の戦力募集のページだった!

 

「いいじゃんいいじゃん!週休2日だし!!」

「魔王軍ですよそれ!!!!」

 

はしゃぐカズマとアクアを見てめぐみんは指摘した

 

「ボーボボとカズマを倒せば1年間休暇がもらえるって」

「カズマ隣にいますよ!!!」

「決まってよかったな…」ガタン

 

方針が決まったカズマは席を立ってギルドから出る。いつ着たのか高級な皮ジャケ(ジャケット)を揺らしながらバイクに(またが)

 

「待ちなさいよ!」

「!」

 

そしてエンジンをかけた時、アクアがカズマを呼びながらギルドから出てきた

 

「アンタ、いつまでそんな生活続けてくつもりよ。いい加減落ち着いたらどうよ?」

「おいおい、またいつもの説教か?かんべんしてくれよ」ブルルン

 

鬱陶しそうにしながらエンジンをかけるカズマにアクアが詰め寄る

 

「アンタねぇー!!!」ドバキッ

「ぐばぁ!!!?」

 

ゴッドブローがカズマの顔面に直撃。瀕死になってるのもお構いなしにアクアは胸ぐらを掴む

 

「私は、アンタのことを思って…!」

「ぃ、ぃてぇな…はなせょ…」ピクピク…

 

あまりのダメージにボロボロになりながらもカズマは言葉を絞り出す

 

そして即復活するとバイクに乗る

 

「くっ」

「熱くなってんじゃねーよ」

 

そう答えるカズマにアクアは必死に訴える

 

「ねえ、アンタはいいかもしれないけど、このままじゃアクアちゃんがかわいそうじゃない。もう1度真剣に…」

(わり)いな。俺、そーゆー辛気くせー話ダメなんだわ」ブロロロロ…

 

アクセルを踏んでバイクを走らせる

 

「じゃあな!!!」ドルルル

「カズマ!!!」

 

アクアの説得もむなしく、カズマはバイクに乗って自宅の屋敷に戻っていった

 

「……カズマ…」

「何なんだこれ!!?何なんだこれ!!?」

 

カズマとアクアのやり取りに困惑するダクネスだった

 

夜…

 

「ただいま」

「あら、おかえり、カズマ」

 

屋敷に帰宅したカズマを迎えたのは夕食を作っているエプロン姿のアクアだった

 

「もう少し待ってね。あと少しでごはんできるから」

「ああ」

 

そう言いながらコタツに入るカズマ。他にもビュティと田楽マンがいて、3バカたちはサボテンだった

 

「そういや今日アクアに会ったぜ」

「へぇ、何か言ってた?」

 

テレビをつけながらカズマは言う

 

「俺に「就職しろ」だとさ。まったく笑っちまうよな、ハハハ…」

「…………」

「どうした?笑えるだろ?」

 

無言のアクアにカズマが笑いながら言うとアクアは静かに問いかける

 

「……カズマ…私を天界に帰す気あるの…?」

 

覇気のこもった言葉にタジタジしながらもカズマは口を開く

 

「…ど…どうしたんだよ急に…?あるに決まってるじゃねーか…」

「嘘おっしゃい!!!!!」ぶん

「おあちゃー!!!!!」バシャ

 

作っていた熱々のシチューを全身に浴びたカズマはあまりの熱さに声を上げる

 

「いつもカズマ(くち)だけじゃない!!!天界に帰す気があるなら…本気で私を天界に帰す気があるなら魔王くらい倒しなさいよ!!!!」

「…だからいつも言ってるじゃねーか。俺は将来金持ちになる男だって…暗殺者を雇って魔王を暗殺するって…」

「ウソばっかり!!私カズマがお金持ってるの1度も見たことないもん!!!」

「…………」ズズ…

 

涙を流しながら叫ぶアクアとミイラみたいな包帯まみれで答えるカズマ。そしてコーヒーを飲みながらこの状況を見ているビュティ

 

「だいたいカズマがいつもお金って言ってる部屋の片隅に置いてあるアレ」

 

アクアが部屋の隅でうごめく物体を指差し

 

カネ()じゃなくてカメ()だもん!!!!」

 

動いていたカメがあくびをしてから甲羅に閉じこもった

 

「あのカメ、夏場臭くて大変なのよ!!!さっさと捨ててきてよ!!!」

「なんだとこの野郎!!!!」

 

そこまで言われたカズマは怒って言い返す。アクアの心は限界だった

 

「…もう信じられない…カズマさんのこと信じられないわよ…」ボロボロ…

 

カズマを信じることができなくなったアクアは大粒の涙をこぼし

 

「さよなら!!」ダッ

「アクア!!!!」

 

己の思いを告げながら屋敷から出ていった。カズマが引き止めてもアクアは止まらなかった

 

「…………ア…アクア………」ガクン

 

大切な存在が自分から離れていった事実にカズマは泣きながら膝をついた

 

その茶番を見ていたビュティが聞く

 

「まだ続く?」

「……もう少し…」

 

ビュティも玄関から出ようとして最後に忠告する

 

「この話文字数取りすぎだよ」

「分かってるよ……」

 

バタン

 

「アクア…」

 

カズマは孤独になった

 

深夜の屋敷…

 

壁を背に座りながらボーッとしていた

 

ガチャ

 

「!」

 

そんな時、ところてん扉が開かれ部屋にアクアが入ってきた

 

「外でアクアちゃんに会ったわ。…アナタたち、別れたってね」

 

それを聞いたカズマは乾いた笑いしか出てこなかった

 

「…へへ…アクアもいなくなって、もう俺には何も残っちゃいねえよ…。…みじめだよな…笑いたきゃ笑えよ…」

「笑えないわよ」パチ

 

ぶら下がってるヒモを引っ張ってドンパッチライトをつけるアクア。再び自嘲の声を漏らすカズマ

 

「へっ…どうだか…どうせテメーも腹の中じゃ俺のこと笑ってるんだろ…」

 

床を叩いてカズマは怒りを表す

 

「帰れよ!!!!何しに来たんだよ!!!?」バン

 

カズマの怒りを受け止めながらアクアは懐から1枚の紙を出す

 

「クエスト届けによ」

 

クエスト募集の紙を見てカズマの表情から怒りの感情が抜け落ちる

 

「変わればいいじゃない、今日から。アンタにその気があるなら手ぐらい貸すわ」

 

優しく微笑みながらアクアは言う

 

「仲間でしょ、私たち」

 

あんなに冷たく接したのに、どうしようもない俺のために動いてくれるアクアの行動にカズマは目を潤ませる

 

「…か……変われるかなぁ……」

 

うつむきながらポツリと呟く

 

「変われるかなぁ!!!?俺変われるかなぁ!!!?」

 

涙をボロボロ流しながらカズマは本当の気持ちを打ち明け

 

「ムリ」

 

パーにした手を顔の真横に置きながらアクアは言った

 

ポカンとするカズマに向かって、両手をグーからパーに変えながら再度言う

 

「ム・リ」

 

ほのかに香る熱いコーヒーが置かれた机の上で右肘を立てながら、さわやかな顔でカズマは思った

 

『ぶっ殺してぇ…』

 

ギャーギャー!

 

ガシャン、パリン!

 

部屋の中で大ゲンカを繰り広げる様子を屋敷の外から眺めていたダクネスが一言

 

「魔王軍、倒しに行かないのか!!?」

「気が済むまでやらせてあげましょう」

 

めぐみんは呆れながらそう言った

 

そしてクエスト当日の日がやってきた

 

その日のカズマはひと味違い、全身鎧のフルプレートメイルを着て腰には横向きの鞘に収まった刀

 

「馬子にも衣装ね」

「ウルセェよ」

 

アクアの言葉にカズマは軽く返す

 

「俺は今日から生まれ変わるんだからよぉ」

 

やってくるボーボボたちを見る

 

『行くぜ!!!!』

 

そしてカズマは歩き

 

ガシャン!!!

 

…出そうとしたら鎧の重さにカズマは動くことができなかった

 

TAKE(テイク)2

 

『行くぜ!!!!』

 

鎧を外したカズマは気を取り直して歩き出し

 

ガツン!

 

「ぎゃあ!!!」ゴンッ!

 

刀が建物に引っかかったことでカズマは盛大にスッ転んだ

 

「…………」

 

そしてカズマは長い刀を手に持って

 

「思ってたのと違う!!!」ガシャン

 

地面に叩きつけたのだった…

 

次回へ続く

 

(続いたー!!!!)

 

安定にツッコミを入れるビュティだった




いよいよ4章、「魔の聖域・アルカンレティア」編突入!!!!色んなゲームの発売も重なってパワー落ちも否めないと思いますが、どんどんハジけていくぜ!!!

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