ちなみにボーボボサンタからはちりめんじゃこをプレゼントだ
ボーボボ・カズマたちはクエストのため街の外に出ていた。高所の巨木の下で待機するカズマたち
「なあ、今日は何のクエストに行くんだ?」
「王様ランナーと姫様ランナーの討伐だな」
「何それ?」
天の助の疑問にヘッポコ丸が答え、ビュティが首をかしげる
「ビュティ、向こうの土煙を《千里眼》で見てみろ」
「え、うん」
「俺も《千里眼》を使ってっと」
カズマに教えてもらった《千里眼》を発動するビュティとカズマ
カズマとビュティの視線の先にあったのは、リザードランナーと呼ばれるエリマキトカゲみたいなモンスターが二足歩行で全力ダッシュしている姿だった
「何あれ!?」
「リザードランナーは繁殖期になると王様ランナーの座をめぐって姫様ランナーと一緒に走るから、原因の2体を討伐してくれってセナが言ってた」
ピンク色でトサカが立派な姫様ランナーとその後ろのリザードランナーたちを見ながらカズマは言った
「じゃあ姫様ランナーを倒せば落ち着くってこと?」
「そうだな。それと王様ランナーを倒せば」
「『ファルスファイア』!!」
ヒュルルルルル〜…パァン!
カズマが言い終わる前にアクアがモンスターを寄せ付ける魔法を使った。青い火が空に上がって花火のように破裂する
「「「…………」」」ピタッ
それを目にしたリザードランナーたちは走るのをやめて一瞬止まり……
「「「クキェーーーーー!!!!」」」ドドドドド
「きゃあああああああ!!!メチャクチャ来たーーーーーー!!!!」
カズマたちに向かって爆走。それを見たビュティは悲鳴をあげた
「お前何やってんの!?」
「王様ランナーってのは1番速いのでしょ?だからこっちに来たら速くたどり着いたリザードランナーが王様ランナーだからわかりやすいと思って、モンスターを寄せ付ける魔法を使ったのよ。どう?女神らしい知性に溢れてるでしょ?」
「バカヤロォオオオオオ!!!」
アホ丸出しなアクアの発言にカズマが絶叫をあげながらアクアに近づき
「責任持って止めてこーーい!!!!」ブォン!
「ええーーっ!!?」
リザードランナーの群れにめがけて投げつけた
そしてリザードランナーたちの前に落下したアクアは起き上がるより先にトカゲの大群に踏みつけられる
「おぶ!!ごぶ!!がぶ!!」ドカカカカ
「アクアさーーーーーん!!!?」
女神の耐久力で余裕に耐えるも、踏まれるたびに血を吐くアクアを見てビュティは叫んだ
「ああ、アクアがリザードランナーたちにゴミのように踏みつけられて…!なんてうらやましい!!」
「そんなこと言ってる場合じゃないよ!!!」
自分もあんな目に遭いたいと主張するダクネスに対して突っ込むビュティ
「プランBに変更だ!!めぐみん!!」
「コッソリ王様ランナーと姫様ランナーを倒す」という作戦が失敗したカズマは即座に爆裂魔法によるリザードランナーの一掃を指示する
出番がきためぐみんは高笑いしながらマントを
「任せてください!わはははは!我が爆裂魔法を食らうが良い!!『エクスプロージョン』ー!!!」
シーン…
「!?カズマ、爆裂魔法に必要な魔力が足りません!!」
「ハァ!?なんでこんな時に限ってそんな…」
その時、カズマはめぐみんのマントにコンセントが刺さっていることに気づく
『♪〜〜♫〜〜♩♪〜〜』
「よ!は!ほ!」
「なんの!!」
「人の魔力で何遊んでるんですか!!!!」
めぐみんの魔力を電気代わりにしてダンスゲームをしている首領パッチと天の助を見てめぐみんは怒鳴った
ガシッ×2
「足止め補充!!!」ブォン
「「オレらスか!!?」」
そんなバカ2人をカズマはアクアと同じようにトカゲの群れに投擲した。涙の軌跡を描きながら空を舞う首領パッチと天の助
ドガ!
「ぐべ!!!」
バギ!
「おべ!!!」
そしてそのまま轢き飛ばされた
「やっぱりダメか!!」
「オナラ真拳奥義「神無月」!!」
ヘッポコ丸は姫様ランナーめがけてオナラの球を投げつける。しかし姫様ランナーはひょいひょい避けながら迫ってくる。いくつかはリザードランナーに当たって倒れるがそれでもほとんど減らない
「くっ、素早い!!」
「ボーボボはどこだ!?」
「そういえばどこにもいない!」キョロキョロ
危機的状況にボーボボのチカラを借りようとするが周りにはいなかった
「「「クキェーーーーー!!!」」」
「リザードランナーが来るぞー!」
砂煙を巻き上げながらリザードランナーが巨木の近くまで走ってくる
「タマネギーーーーー!!!」
「マラソンランナーも来た!!!!」
タマネギを持ってタスキをかけたマラソンランナーになったボーボボも走ってきた
「そして鼻毛真拳奥義「大行進ランナー」ーーーーー!!!」ドドドドド!
「他のランナーも突撃してきたーー!!!!」
さらにたくさんのマラソンランナーがリザードランナーの真横から突撃してきて、多くのリザードランナーが数を減らしていく
「ナイスだボーボボ!!ダクネス!今から俺が姫様ランナーを仕留めるからビュティとめぐみんを守っててくれ!!」
「ああ、2人は私が必ず守ぐばぁ!!!」
「きゃあああ!!!!」
言い返す途中でダクネスは吹っ飛ばされたリザードランナーに直撃した。それでもビュティとめぐみんを守るあたりはさすがクルセイダーと言えた
カズマは巨木の大きな枝の上に移動すると弓を構える
「クキェーーー!!!」
すると群れを全滅させられた姫様ランナーは怒りの声をあげながらエリマキを広げ、木の上にいるカズマに急接近する!
高くジャンプしてカズマを突き落とそうと距離が徐々に縮まり
「狙撃ィッ!!!」バシュ!
幸運ステータスを利用したクリティカル攻撃が姫様ランナーの頭に命中。即死したことで意識がなくなった姫様ランナーは太い木の幹に激突し、そのまま落ちていった
そして姫様ランナーが討伐されたことで残りのリザードランナーもどこかに走り去っていった。荒い息を整えながら、カズマはカッコ良さげに汗をぬぐい
「フッ、今回もクエストは無事終了…」
ヒュゥゥゥゥ
「ただいま」ドゴン
「ごぱぁっ!!!?」ボギン!!!
その時、リザードランナーに轢き飛ばされた首領パッチが遅れてカズマの首に向かって飛んできた
直接バカボールの一撃を受けたカズマの首はヘシ折れ、一瞬の浮遊感を感じてからカズマは意識を手放した
「…………」
「…………」
そして3度目の死を迎えたカズマは、女神エリスと向き合いながら互いに無言になっていた
ただし、カズマは怒りゆえに、エリスは気まずさゆえに
「あのヤロウゥゥゥゥ!なんであのタイミングで飛んでくんだよ!!?頑張って姫様ランナー倒したのにありえねえだろクソコンペー糖が!!!」
「お、落ち着いてくださいカズマさん!!」
怒りで震えるカズマをなだめるエリス。そんなカズマの怒りは数分後に収まった
「すみませんエリス様。多分またアクアのヤツが復活魔法使うと思いますんで…」
「いえ、先輩のやることは止められませんから…」
アクアに対する愚痴を互いに言い合う2人。そんな中、カズマはあることをエリスに聞く
「そういえばエリス様、なんでアクアの手助けにボーボボたちを選んだんですか?」
前から気になっていたことをカズマは聞くとエリスは困ったような笑顔を浮かべる
「ええっと、実はボーボボさんたちと出会ったのは偶然なんですよ。というのも最初に扉を突き破って部屋に突入してきまして…」
「アイツら天界でもやりたい放題だな」
3バカとツッコミを入れる2人が容易に頭に浮かぶカズマだった
「ところでカズマさん、先ほどからアクア先輩全然話しかけてきませんね」
「あ、そういえば」
アクアならすぐに戻ってこいくらいは言ってくると思うけど、と考えていると
「カズマ〜!迎えに来たわよ〜!」ズズズ…
「うわっ、サンタが地面から生えてきた!!!」
ボーボボサンタが地面からヌッと現れてカズマは驚愕する
「早く戻るぞ。みんなが心配している」
「わかった」
そう言われたカズマは光のゲートをくぐって下界に戻る
「ボーボボさん」
そしてボーボボも帰ろうとした時エリスから声をかけられる
「これからもアクア先輩のことをよろしくお願いします」
そうしてぺこりと頭を下げるエリス。それを見たボーボボは舌を出し親指を立て
『任せな!!』くいっ
「え!?何ですかそのジェスチャーー!!?」
首切りサインをエリスに返した。当然エリスはその返答に困惑するのであった
自分の気持ちを伝えたボーボボは混乱するエリスを残して地上に帰っていった
キレが、ギャグのキレがイマイチに感じる……ギャグ神よ、澤井先生よ、僕にアイデアを…(ガクッ