この素晴らしい世界にハジケリストを!   作:ジャギィ

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今週もこのハジ、はーじまーるよー!!


奥義70 くさってもゾンビ

荒野のど真ん中…

 

ボーボボとカズマたちは野宿をしていた。近くには乗ってきた馬車の他に、他の街から移動してきた馬車もあった

 

ビュティやゆんゆん、ウィズなどを含めた女性陣が食事の支度をしている中、ボーボボとカズマたちはというと…

 

「いやあ、走り鷹鳶の討伐お疲れ様でした!まさかあれほどの大群を倒してしまう冒険者がアクセルの街にいたとは」

 

別の街から馬車に同行していた商人の人に賞賛されていた

 

(すんません。うちの変態がいなければ多分走り鷹鳶も来なかったと思います)

(輪ゴムの天ぷら作ったらうまいかな?)

 

一方対面していた2人の反応は対照的だった

 

カズマは騒動を呼び寄せた後ろめたさから目をそらしていて、ボーボボは輪ゴムを触りながら今日の晩ご飯のことを考えていた

 

そんな2人の考えを知らない商人はお金がたくさん入った袋を取り出してカズマに差し出す

 

「こちらはお礼です。どうか受け取ってください」

「イヤイヤイヤ!あの時戦ったのは冒険者として当然のことなのでお礼なんて必要ありませんよ!!」

 

こんなマッチポンプでお金なんかもらえるか!そう思ってカズマは言ったのだが、それを聞いた商人はなぜか泣き出した

 

「なんという人たちだ…!!!この世知辛い世の中、まだあなた方のような本物の冒険者が存在していたとは…!」

 

泣きたいのはこっちの方だ

 

カズマはそう思いながら、夜の暗い空を仰いだ

 

そして晩ご飯を食べ終わった後、みんなは星空の下で寝るために準備をしていた

 

「…………」

「マミー…ポコ。マミー…ポコ」

(何なの?何なのコレ…?)

 

そんな中、枯れ木に両手足を縛られ目隠ししている状態でぐるぐる回っている首領パッチを背にしながらビュティはそう思った

 

「!」

 

その時!

 

「マミーポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコ!」

 

唐突に首領パッチが吠えだした。それを聞いたボーボボは顔色を変える

 

「センサーの反応が強くなった!敵が近づいているぞ!!」

「これセンサーだったの!!?」

 

センサーとして使用されている首領パッチを見ながらビュティは叫んだ

 

「首領パッチ、お手柄だ「ポコポコポコポコ!」お前の鼻が最新の「ポコポコポコポコ!」センサーとして役に立っ…「ポコポコポコポコ!」」

 

センサーとして働き続ける首領パッチを見ながらボーボボは近づき

 

「ウルセェ!!!」ドゴ!

「ポコゴホ!!!」

「きゃあああ!!!」

 

腹に足のつま先を叩き込んだ。血を吐いた首領パッチを見てビュティは悲鳴をあげる

 

「ボーボボ!来るぞ!」

 

カズマが松明に火をつけていくと、明るくなった場所にはゾンビがいた!

 

「ゾンビだ!それもスゴイ数!」

 

ゾンビの数はこちらの2倍以上はいた

 

「ソフトン!ヘッポコ丸たちを連れて反対側の相手をしてくれ!!」

「分かった!」

「ボーボボさん、お気をつけて!」

 

ソフトンはそう答えると、ヘッポコ丸とダクネスとゆんゆんを連れて移動した

 

そしてボーボボたちも動き出そうとするが

 

「ヒッヒッヒ、お前らは逃がさねえぜ!!ボボボーボ・ボーボボ、サトウカズマ!」ズボボボボ

「うわ!?地面からゾンビが!」

 

さらに地面から大量のゾンビが湧いてきた

 

ゾンビを率いるパンクな格好で斜めに十字架を背負った細長い体の男が馬車の上に姿を現わす

 

囲まれたボーボボとカズマたちは敵の方を向く。男の正体は魔王軍暗殺部隊・横浜ジョーであった!

 

「魔王様に逆らった愚かな(おとこ)よ!キサマたちの命はオレが操る「ゾンビ兵団」がいただくぞ!!」

 

それを聞いたボーボボとカズマは戦慄する

 

「ゾンビ兵団!?」

「ゾンビってあの………!」

 

ぐちゃ ぐちゃ びちゃ ぐちゃ

 

2人が思い浮かべたのは、1人のゾンビが人間の顔面を貪り喰らう恐ろしい光景…

 

くるり

 

ーーではなく、2人でソース焼きそばを食べている姿だった

 

「「()えーーーー!!!!」」

「ヤキソバかよ!!」

 

泣きながら怯えるボーボボとカズマに対してビュティは突っ込んだ

 

「アンデット真拳奥義「ゾンビ・ハザード」!!」ズボ!

「!!」

「きゃあ!何!?」

 

新たに地面から出てきたゾンビがボーボボ・カズマたちを掴みかかり引っぱる

 

「地獄のゾンビたちがキサマらを地面の下に引きずり込むぜ!!」

「ビュティ!」

 

ビュティとめぐみんが共に地面の下に埋まっていく

 

げし げし

 

「きゃあああ…てあれ!?何してんのアンタまで!?」

「ちょっ、なんのつもりですか!!?」

 

ゾンビの手伝いをするように無言で蹴りを入れてくる首領パッチに対してビュティは疑問の声をあげた

 

「オーホッホッホッホ!お消えなさい小娘共!!アンタらには土がお似合いだわ!!私がヒロインよ!!」

 

ヒロイン抹殺宣言を高らかに叫ぶ首領パッチ

 

「ハッハッハ!この奥義から逃れる方法はない!!死ね、ボーボボ、カズマ!!」

「クソォーー!体の自由が効かない!!」

 

抵抗できず埋まっていくボーボボたち。そこに救いの手が差し伸べられる!

 

「任せなさいみんな!女神の私はゾンビに触られないから平気よ!」

「アクア!!」

 

唯一捕まってないアクアを見て、カズマは珍しくアクアに感謝した

 

「「「ピィーヒョロロロローッ!!」」」ガッ ガッ

「イタ、待っイタイイタイ!!カズマさーん!!」

「返り討ちにされとる!!!」

 

ゾンビの代わりにトンビにつつかれながらやられていた。それを見ていたカズマはやっぱコイツ使えねえと内心罵った

 

「…こうなったら一発逆転のアフロを開けるしかねえ!!うおおおおおおぉぉーー!」

 

危機を脱するためにボーボボは雄叫びをあげながら

 

『アフロOPEN(オープン)』パカ

 

体ごとアフロを開けた。その中にはのどかな鼻毛牧場があった

 

「体ごと開いちゃったー!!!」

 

あまりにシュールな状態にビュティは沈んでいく中でもツッコミを入れた

 

『鼻毛真拳「大自然・放牧物語」!!!』カッ!

「「「ぎゃああああ牧場主にならずにはいられない〜〜〜!!」」」

 

牧場から溢れた光を浴びたゾンビたちは全員牧場主みたいな格好に変えられながらふっ飛んだ

 

「上等だ!!魔王軍のヤツらなど、全員ぶっつぶす!!!」

 

鼻毛を揺らしながらボーボボは啖呵を切った

 

「ボーボボ、こっちも助けて…!」ズズズ

「オラ、埋まれ!埋まりなさい!!」

 

そんな中でも首領パッチはビュティたちを蹴り続け

 

トプン

 

ビュティ、アクア、めぐみんの3人は地面の中に沈んでいった

 

じーー×2

 

「あっ!!」

 

ボーボボとカズマがさっきまでのやり取りを見ていたことに気づいた首領パッチは

 

シュタタタタ

 

走り出して

 

ドドドドド

 

地底戦車みたいなのになって地面に潜って

 

(戦うのが怖い…)

 

閉じこもってしまった

 

『キミはいつまで自分にウソをつくつもりだい…?』

(この声は?誰…?)

 

誰もいない地底で声が聞こえてきて首領パッチは反応する

 

するとそこには1匹のミミズが首領パッチに語りかけていた

 

『本当はキミも戦いたいハズだ。仲間の前でちょっと素直になれない…そうだろ?』

「…ミ…ミミズ先生…」

 

首領パッチは目尻に涙を浮かべながら物哀しい脳内BGMを再生させ

 

「あ…あ…」

 

そのまま「エサ みみず」と書かれたミミズが入った箱の中に入れ

 

「どりゃあああ!!!」バッ!

『ぎゃああああ!』

 

魚のいる生け簀の中に放り投げた

 

「よし!これでオールOK(オッケー)!待ってろボーボボ、オレも戦うぜ!!」パシッ

「お前は」ガシッ

 

拳を掌に叩きながらそう言う首領パッチの後ろからボーボボがヌッと現れ

 

「ビュティ助けに行けーーーー!!!」

「ぎゃあああああああ!!!!」ガガガガッ

 

地の深く底までぶん投げた

 

一方地上でカズマとジョーが相対する中、両者の間の地面に亀裂が走る

 

ピシシシ

 

「何だ!?急に地面がゆれて…」

「戻ってきたか!」

 

ボコォ!

 

『鼻毛真拳奥義「ボーボボ曼陀羅(マンダラ)」!』

「ぎゃああああ!!!」

 

割れた地面の中からアフロがストーブや甲冑やとろサーモンなどが描かれた曼陀羅になったボーボボが現れて、横浜ジョーに大ダメージを与えた

 

ボーボボは拳を鳴らしながら

 

「お前と天の助の2人を秒殺してビュティを助け出す」

「あれ!?僕も入ってるの!?」

 

なぜか関係ないのにとばっちりを食らう天の助であった

 

その頃、地下・鍾乳洞

 

地下に落ちた3人のうち、ビュティとアクアは目が覚めていた

 

「うう、ここは…?」

「鍾乳洞みたいね」

 

ボコォ

 

「スクリューパンダ落としーーーー!!!」ギュルルルル

「ぐわあああ!」

「きゃああああああ!!!」

 

天井からパンダにキン肉ドライバーされる首領パッチが落ちてきて

 

ドゴ!

 

「「おぶ!!」」

 

めぐみん向かって叩き込まれた。仲良く吐血する2人

 

ザッ

 

「ゲゲゲゲ、獲物が大勢落ちてきた」

 

その時、魔王軍兵を従える人型モグラがビュティたちの前に姿を現した




今回出てきた敵キャラ、時系列的にこの作品の後に控えてる新説ボーボボのキャラなんですけど出しました。多分この先もちょくちょくこう言うことがあると思います

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