「おお、大きいし豪華な宿だな」
「無料券もらってて良かったね」
アルカンレティア
「カズマ、ほら刀」
「おおっ、サンキュ」
カズマはヘッポコ丸に預けていた、未だ銘をつけてない小刀を受け取ると
『ちゅんちゅん丸』
小刀に刻まれた変な銘が目に入った
「何ィィーーーーーーーー!!!?」
「わ!どうしたのカズマくん!?」
思わず叫んだカズマにビュティは驚くが、カズマはそれ以上に驚いていた
「俺の刀に変な名前が!!」
「あー…それか」
「知ってるのか!?」
ヘッポコ丸の反応にカズマが振り向く
「実はな……」
話は昨日の遡る…
「お!ヘッポコ丸、なんだこれ?」
ソフトン号に乗っていたボーボボ一行。その中で首領パッチはヘッポコ丸の荷物に小刀があることに気づく
「ああ、それはカズマが預かっといてくれって渡されたヤツだ。荷物が入りきらなかったんだろ」
「これ、銘が入ってないぞ」
天の助は小刀の柄の部分を見ながらそう言う
「よし!カズマの代わりにオレたちがカッコいい名前をつけてやろう!!」
「「おー!」」
「勝手なことしちゃダメですよボーボボさん!」
ボーボボたちを止めるために言うがすでにバカ3人は小刀を囲んで名前を考え始めてる
「ゴキジェットはどうだ!?」
「刀の名前じゃないよ!!ソレ殺虫剤でしょ!?」
ゴキブリキラーな名前を提案した首領パッチにビュティは突っ込む
「ならばここはスタンダードにぬ鉄で!」
「ぬ鉄!!?」
全然スタンダードじゃない名前にゆんゆんは驚愕する
「あまいぞ!オレが考えたのは…!」
ボーボボは懐から巻物を取り出すとそれを公開
「“スポポビッチ”だーー!!!」
((か、カッコイイ!!!!))
「そーか!!?」
同意する首領パッチと天の助を見てヘッポコ丸は疑問を抱いた
「決定!!!」
刀の銘に“スポポビッチ”と刻んで、ボーボボと首領パッチと天の助はスポポビッチを掲げながら喜ぶ
「「「ばんざーい!!“スポポビッチ”ばんざーい!!」」」
自分のことのように喜ぶ3人
ピタッ
しかし急に止まる。そして“スポポビッチ”の刃を上にした状態で立てるとそれぞれ鼻毛ソード、ドンパッチソード、大根ブレードを手に持って…
「「「こんな変な名前の武器があるかーーーー!!!!」」」バキャーン!!
「叩き壊したーーーー!!!!」
青筋を浮かべてカズマの武器を破壊したのだった……
「ってことがあってな」
「壊されてんじゃねーか!!!じゃあ俺が持ってるコレ何!!?」
結局“ちゅんちゅん丸”の出所は謎のままだったが、深く考えると頭が痛くなりそうなのでおとなしく諦めた
荷物を置いたカズマは部屋の外に出る
「カズマくん、どこ行くの?」
「せっかくだから遊園地回ってくる」
「え!!ここ敵地だよカズマくん!?」
ビュティの制止を無視してカズマは宿を出ていった
「まあまあ、いいじゃないですか。今回の旅行はカズマの療養がメインですし」
「たまにはカズマも休むべきだ」
「大丈夫かなぁ…」
めぐみんとダクネスにそう言われながらも不安を隠せないビュティであった
遊園地内…
「さーて、何に乗ろっか」
カズマは周囲を見渡しながら呟く
すると“わくわくウサクマランド”という建物を見つけた
「ここにするか」
建物の前に立つとカズマは思う
「この世界のことだからたぶん変なウサギとかいるんだろうな」
ハハハと笑いながら“ウサクマランド”に入っていき
ビシッ バシッ
「コノ恥サラシメ!!チャント兎二ナリキレ!!」ビシッ バシッ
「申し訳ありませんメカトロン様〜!」
(生き物ですらねーの出たーー)
ウサギの被り物をしたオッサンとSMプレイを興じるロボを見てカズマは一気に気分が白けた
やがて“ウサクマランド”の守護神であるロボがカズマの気配に気づくと、手首をくるくる回しながら言う
「ヨウコソ哀レナ生命体。私ハガルグイグイ様ノ配下デココヲ守護神ノ究極ろぼっと“メカトロン”デアル」
ピピピ、と電子音がメカトロンの中から聞こえてくる
「おまえノでーたハ私ノ中二入ッテイルゾ、サトウカズマ」
「何!!」
メカトロンの腹が開くとそこからジャラジャラ小銭が出てくる
「うおおー!!!金だ!!」
「サトウカズマ、魔王軍二寝返ルト言ウナラバソノ金ヲスベテアゲヨウ」
「ホントかよ!!」
お金を手いっぱいに持ってはしゃぐカズマ。そんなカズマを見てメカトロンは内心ほくそ笑む
(ばかメ!金ハスベテ小型爆弾ナノサ!持ッテ離レタ時ガきさまノ最期ダ!!)
「これ本当に全部もらっちゃっていいのー?」
「イイトモ イイトモ」
「俺大金持ちになれるかなー?」
「ナレルトモ ナレルトモ」
小銭を拾いながら嬉しそうに言うカズマにメカトロンは明るく笑う
両手にたくさんのコインを持ちながらカズマはメカトロンに近づき
ガッ
「連コイン連コイン連コイン!!!」チャリリリリ!!
「ピガガガガガガッ!!!」
小銭爆弾をメカトロンの体のスキマに休みなく入れ続けた。内部爆発を起こし一部ショートするメカトロン
「ぐぐぐ、ばかナ!!ナゼ作戦ダト分カッタノダ!?」
「いや、いくらなんでも怪しすぎんだろ」
カズマの言うことはごもっともだった
「シカシ、コノ私ガ作戦ヲ破ラレルコトを想定シテイナイト思ッテイタカ!」
するとメカトロンの体が急に光り出す。そして光りが収まった後にカズマが見たのは
「どうだ!?いかに“外道のカズマ”と言えど仲間を本気で攻撃することはできまい!!」
そこにいたのは声・表情に至るまで完璧にコピーした、水の女神アクアの姿だった!
ただし頭だけ
ドバキ!
「ぶべらぁ!!?」
カズマの飛び蹴りを顔面に食らったメカトロンはアクアと同じ顔、リアクションをしながら吹っ飛んでいった
元の姿に戻ったメカトロンはショート寸前の電子頭脳で思考する
「ナゼ…?変身モ作戦モ完璧ダッタハズナノニ…」
「お前バカだろ」
ロボとは思えぬ頭の悪さだとカズマは思った
なお、仮に体まで完璧に変身できたとしてもカズマは躊躇なく攻撃していたであろう。たとえ目の前で変身してなくても
「オノレ、下等生物ノ分際デーーーー!!」
我を失ったメカトロンは両手をドリルに変えてカズマを穴だらけにすべく高速で接近する
『ちゅんちゅん丸2連斬り!!!』ズババ!
「ピガガーーーーー!!!」
しかしボーボボたちと戦い、ボケて、突っ込んできたカズマにとって、その動きはあまりにも遅かった
ドサッ
重要な回路を切断されたメカトロンは機能停止しながら地面に落ちた
「……やっぱり」
ちゅんちゅん丸を見ながらカズマは思う
「この名前ダセェ」
なぜ俺はボーボボたちに預けてしまったのだろう、と
今回は純粋なカズマ回。多分原作のカズマも地力が強くなればこれくらいヨユーなんじゃないかな?