この素晴らしい世界にハジケリストを!   作:ジャギィ

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ここのところずっと猛暑続きです。みなさんもしっかりお茶とか飲みましょうねー


奥義78 ところてんのお友だち

「ぶっ!!」

 

アナコンダにさらわれた田楽マンはとある場所で解放された

 

「こ、ここは一体…?」

 

田楽マンは涙をこらえながら周りを見る

 

すると目の前には“Dブロック総司令部”という看板が掲げられた建物があった

 

 

 

奥義78 ところてんのお友だち

 

 

 

「ただいま〜〜」

「あら、おかえりなさいカズマ」

 

宿に戻ったカズマを迎えたのはアクアだった

 

「つかれた〜。メシ!」

「ないわよ」

「じゃあ温泉入ってくる」

「今のカズマ中年のサラリーマンみたい」

 

アクアは汗をかいたバーコードヘッドのおっさんの姿を思い浮かべた

 

「ボーボボたちは?」

「ボーボボとヘッポコ丸とめぐみんはまだ戻ってきてないわよ。ビュティはダクネスとウィズの2人を連れて温泉に行ったわ」

「さっそく行ってくる」

 

イケメンフェイスに切り替えたカズマはアクアに背を向ける

 

アルカンレティアの温泉にはなんと混浴が存在するのだ。今行けば事故を装って素晴らしい景色を見ることができるかも…!

 

「言っておくけど3人とも混浴には入らないって言ってたわよ」

「……お、俺には関係のない話だな」

「声震えてるけど」

 

カズマのゲスな考えなど女性陣にはお見通しだった

 

3分後…

 

カズマは浴場の前に着いた

 

ガラララ

 

その時、同じタイミングでヘッポコ丸とめぐみんもやってきた

 

「お、カズマ」

「あれ?お前らも温泉に入りにきたのか」

「そう言うカズマもですか?奇遇ですね」

 

頷いてカズマは肯定する

 

「よし、じゃあさっそく入るか」

「待ってくださいカズマ。どうして私を混浴風呂に誘導しようとするのですか?」

「え?俺何か間違ってる?」

「大間違いです!混浴風呂なんか入りませんからね!!」

「ッ!!!?」

「なんでそこまで驚愕するんですか!?」

 

思わず自分が間違ってるんじゃないかと錯覚しそうなめぐみんであった

 

「まあいいか。ヘッポコ丸も混浴入ろうぜ」

「オレは男風呂でいい」

「このヘタレヘッポコ野郎」

「辛辣!!!」

 

ビュティ一筋のヘッポコ野郎と知っていたが返答を聞いたカズマはつまらなそうに罵倒した

 

「フーンフフフーン♪」

 

これから見れるかもしれない理想郷(アヴァロン)に期待を膨らませながら着替え場に入る

 

「〜〜、〜〜〜」

「ん?」

 

その時、浴場から話し声が聞こえてきた。カズマはさらに耳をすますと

 

「ーー問題ない。このまま源泉を汚染し続ければこの街は終わりだ」

「!!」

 

それはアルカンレティアを破滅に導く計画の内容であった。1人の方は遠くて聞こえないが、もう1人の男の声はハッキリ聞こえた

 

「〜〜〜?」

「安心しろ、俺を誰だと思っている?人間どもにもっとも恐れられてきた魔王軍幹部の1人だぞ?」

(何!?)

 

それは驚きの事実だった。アルカンレティアを狙っている敵が魔王軍の幹部だったとは

 

(今ボーボボはいない。顔を見るだけなら俺でもできるハズ!!)

 

覚悟を決めたカズマは浴場への扉を開く!

 

ガララ!

 

「さあ飲め飲め!!」トクトク

「おお、悪いな天の助」

「あれー!!?普通にくつろいどる!!!」

 

そこには温泉に入りながら酒をおちょこに注ぐ天の助とかなり日焼けした肌色のゴツい男が酒を飲んでいた

 

「お、カズマじゃん!!」

「天の助が言ってた冒険者の仲間か」

 

酒を飲みながら男はカズマを見る

 

「俺の名前はハンスだ。天の助とは旧知の仲でな、偶然この街で会ったんだよ」

「カズマ、ハンスはスゲーぜ、なんせオレのプルプル真拳のスゴさがわかるんだからな」

 

そう自己紹介するが、カズマは先ほど聞こえてきた話もあって信じられなかった

 

「離れろ天の助!!ソイツは魔王軍の…」

「ところでサトウカズマ」

 

ハンスは急に立ち上がると竹で作られた混浴風呂と女湯を隔てる壁に手をついて言う

 

「のぞきに興味はないか?」

「くわしく聞かせろ」

 

ハンスへの疑心はこの時消え失せた

 

ガラガラガラ

 

「「!!」」

 

その時、混浴風呂に誰かが入ってきた。カズマとハンスは目を凝らして見ると、湯気の中に艶かしい女性の生脚の影が!

 

「カズマ、分かってるな?」

「オッケー、ちゃんとこの目に焼き付けるぜ」

 

まるで長年の相棒のような信頼で2人は頷き合う。天の助は風呂に浸かって酒を飲む

 

2人が凝視する中、脚の影が徐々に近づき…湯気の中から姿を現すヒールを履いた脚、頭に乗せたタオル

 

そしてずんぐりとした魚雷ボディ

 

「美容に良いって温泉はここかしら?」

「お前かいー!!!!」

 

混浴に入ってきたのは魚雷ガールだった。あまりに期待外れ過ぎる光景にカズマは叫ぶ

 

「あらヤダ!!すでに男の人が入ってらっしゃる!!」

 

カズマとハンスの存在に気づいた魚雷ガールはカズマに近づき

 

「恥ずかし魚雷ーーーー!!!」バキャ!

「ぐばっ!!!」

 

顔を赤くしながら殴り飛ばした

 

「大丈夫か!?」

「さて、さっそくお風呂に入りましょ」

 

カズマの心配をするハンスを無視して魚雷ガールは風呂に入る準備を始める

 

「まずかけ湯を浴びる」バシャア

(それ卵だぞ!!?)

 

かけ湯の代わりに溶き卵を頭から浴びる姿にカズマが突っ込む

 

「次に体を洗って」ペタペタ

(パン粉をつけてらっしゃるーーー!!!)

 

卵だらけの体にパン粉をつける姿に天の助は驚き

 

「そして入浴」カラァ

(((魚雷の揚げ物が完成したーーーー!!!!)))

 

最後に熱々の油風呂に入ったことでカラッと揚がった魚雷揚げを見て3人は心中叫んだ

 

「これのどこが風呂じゃあーー!!!!」バキッ!

「「「ぶばっ!」」」ドボン

 

自分から揚げたクセにキレた魚雷ガールはカズマ・天の助・ハンスを油の中に蹴り落とし

 

シュボ ポイッ

 

「「「あぢゃあああああ!!!!」」」ボォォ!

 

ライターを投げ入れて油の中にいる3人を燃やした

 

「テメー!よくやりやがったな!!」ダッ

「待てハンス!危険だ!」

 

怒りに震えて魚雷ガールに突撃するハンスをカズマは止めようとするが、そこでカズマは思った

 

(いや、魔王軍幹部のハンスなら魚雷ガールと戦えるんじゃないか?それにどんな戦いをするかも分かるかも)

 

そう考えたカズマは魚雷ガールとハンスの戦いを見守

 

「うっおとしいわーッ!!」

『極悪斬血真拳奥義「ギョララッシュ」!!!!』ドゴドゴドゴドゴ!!!

「ぎゃあああああああ!!!!」

(やっぱダメだったかーーーー!!!!)

 

る前にハンスは魚雷ガールに瞬殺された。これはハンスが弱いのか魚雷ガールが強すぎるのか非常に迷う。いや絶対迷わない。圧倒的に後者だった

 

ハンスをボコボコにした魚雷ガールはトドメの攻撃を行った

 

「ギョラァ!!!」ドゴォ!

「オレ!!!?」

 

天の助に対して

 

「ふう、身も心もスッキリしたギョラ。早く武器廃止運動に戻りましょう」

 

バシュウ!!

 

「わ!!」

 

スッキリした魚雷ガールはそのまま空の彼方まで飛んでいった

 

「あ!ハンスは!?」

 

唖然としていたカズマは瞬殺された魔王軍幹部のことを思い出したが、倒れていたハンスはすでにいなかった

 

「逃げたか…!」

 

キラッ

 

「!」

 

しかしハンスが倒れていたところに何かが落ちていた

 

ひょい

 

「こ、これは!!!」

 

そしてそれを拾ったカズマは動揺した

 

それはカズマが子供の頃に流行っていた大人気ヒーロー“ムテキマン”のストラップだった




久々の魚雷ガール。でもまた当分出てこなくなります。強すぎるキャラってのも扱いが大変

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