この素晴らしい世界にハジケリストを!   作:ジャギィ

82 / 93
仕事で投稿遅れました

今回いろいろ詰め込んでたら文字数すごいことになって、平均文字数近くまで減らすの大変でした


奥義82 翼をください

「zzz……」

 

アルカンレティアの宿ではウィズがぐっすり眠っていた

 

昼前のポカポカ陽気の時間帯の宿の部屋…

 

ドゴーーン!!!

 

「きゃあああ!!?」

 

そこに1発の砲弾が撃ち込まれたのだった

 

「え!?え!?何事ですか!!」

 

キュルルル…

 

ウィズが混乱している中、破壊された壁から1台の戦車が入ってくる

 

ガコンッ

 

「さっさと起きなさい腐れリッチー!戦争の時間よ!!」

「どういうことですかー!!?」

 

戦車から出てきたアクアに無理やり拉致られながら、さらなる混乱に見舞われるリッチーであった

 

10分後、ウィズと合流したみんなはDブロック基地の前で山を見上げていた

 

「この山を登るのか」

「なんて高さだ…普通に登ったら街の壊滅に間に合わないぞ」

「くっ!どうやって行けばいいんだ!!!」

 

このまま登れば街の汚染に間に合わないことが確実だった

 

「飛ぶのさ!!!」

「!」

「だって僕らには…だって僕らには…翼があるのだから!」パァァァァァァ

 

ヘッポコ丸が拳を握りしめて悔しんでいると、目とバックをキラキラさせた首領パッチが叫ぶ

 

『お許し下さい、ドンパーチー様。私には翼がございません…』

『あるさ…』

 

同じく目をキラキラさせた天の助が涙を流しながら謝るが、首領パッチは手を差し伸べる

 

僕達(ぼくら)の心の中に…』

 

目を閉じて感慨深そうに言う首領パッチ

 

『さぁ、行こう。無限の大空へ』

 

首領パッチは腕を伸ばしながら空を見上げ

 

(目を覚ませ!!!!!)バキ!

「ゴスペラ!!!!!」

 

なんかキラキラしだした首領パッチを正気に戻すべくヘッポコ丸は思いっきり殴った

 

「覚めました」キラキラ

「え!!?アンタが!!!?」

 

そして目を覚ましたウィズを見たヘッポコ丸は大声で叫んだ

 

「…あれ?ボーボボとカズマくんは?」

 

そんな中、ビュティはボーボボとカズマの不在に気づくのだった

 

 

 

奥義82 翼をください

 

 

 

「どっこいしょ」

 

一方カズマとボーボボは、山の中腹あたりまでロッククライミングで登っていた

 

「半分くらいまで登ったかな?」

「あとは歩いて行くか」

 

そう考えた2人が歩こうとした時、通り道の陰から1人の女が現れた

 

「ようこそ。お待ちしておりました」

「ん!」

 

その女はたった1人で魔王軍の基地を壊滅させたハンスの側近だった

 

「我が名はカゼ。ハンス様の命令により、お前達を殺す」

 

ハンスの命令で現れたカゼは、ナイフとも杖ともいえる武器を構えて2人を見る

 

対してボーボボはイカになっていた

 

パカッ

 

「ロシア人ノ悪口バッカイッテンジャネーヨ。バカ」クチャクチャ

 

そして開いた頭からガムをかむ黒人が出てきてそんなことを言うのだった

 

「逃げろ!!!」ダッ!

「おう!!!」ダッ!

「あ!!待て!!!」

 

そのスキに急に踵を返して逃げ出すボーボボと即座に反応するカズマ。カゼも少し遅れてから敵を追いかけ始める

 

「よし!!!ここは二手に逃げるぞ!!!」

「え?どこに?」

 

一本道しかない中そんなことを言い出すボーボボにカズマが疑問符を浮かべるが

 

どん!

 

「え」

 

その答えは崖に突き落とされる形でタックルされることで理解してしまった

 

「ぎゃああああ!!!!」

 

カズマは絶叫しながら落下して行くのだった

 

「1度言ってみたかったんだよな」

 

どうでもいいことを呟きながら、道の端っこにある洞窟の中に入る

 

「バカめ!ここは行き止まりだ!!!」

 

ボーボボを追い詰めたカゼは洞窟の中を覗き込み

 

「〜〜♪」トン トン

 

なぜかキッチンになっている洞窟で料理を作っているエプロン姿のボボ子の姿があった

 

洞窟に入ったカゼに気づいたボボ子は振り向きながら言う

 

「あら?ボーボボさんならあちらに走って行きましたよ」

(バレバレだーー!!!!)

 

明らかにボボ子の正体はボーボボだった

 

「ハイ、追いかけっこは一休み♡私の料理を召し上がれ♡」

 

ボーボボは無理やりカゼをテーブルに座らせて料理をテーブルに置く

 

「はい、シーラカンス♡」ドン!!!

「きゃあああああああ!」

 

まさかの古代魚の登場にカゼは大声をあげるのだった

 

「さぁ、食せ!!!!!」

 

食えるモンなら食ってみろと言わんばかりの形相でシーラカンスを突きつける!

 

「いただきます!!!」ガブガブ

「うごぉ!!!!」

 

しかしカゼはシーラカンスを持ち上げてそのまま噛り付いた!

 

(くっ…この女、顔に似合わずかなりできる…)

 

この行動にはさすがのボーボボも怯まずにはいられなかった

 

「うーんアッパレ!!!免許皆伝じゃーー!!!!免許皆伝じゃーー!!!!」

 

そしてそのハジケっぷりを心から称賛したボーボボは、扇子を手に踊りながら免許皆伝を言い渡した

 

「皆伝じゃー!」

「!」

 

その時、カゼは洞窟の入り口近くの崖の下から昇ってくる影に気づく

 

パタパタパタパタ

 

「きゃあああああああ!!!!」

 

その正体は、手のひらをパタパタさせて空を飛ぶキラキラした目の首領パッチだった

 

パタパタ パタパタ パタパタ

 

「!!!」

 

そして首領パッチの他にもヘッポコ丸、ダクネス、ウィズが目をキラキラさせながら飛んできた

 

「来ちゃダメ!!!来ちゃダメーー!!!!特にウィズ

 

来てはいけない領域に来てしまった2人(特にウィズ)に向かってボーボボは叫ぶ

 

「もう遅い!!撃ち落としてくれる!!!」ダダダダ!

 

このチャンスを逃さずカゼは雷の弾をマシンガンのように撃ちまくる

 

「「「「クールクル クールクル」」」」スィーーー

 

ダダダダ!

 

「「「「パータパタ クールクル」」」」スィーーー

 

ダダダダ!

 

(くっ…なんかスゴイ腹立つ…)

 

無性に腹が立つカゼだった

 

「残さず食べて!!!!」ぶん

「きゃ!!!」どが!

 

そんな無防備な背中に向かって食べかけのシーラカンスを投げつけるボーボボ

 

一方Dブロック基地前…

 

「飛べないよ…!僕には飛べないよ…!」

「簡単だって」

「ほらこーやって」パタパタ

 

空を飛べない天の助は子どもに慰められていた

 

再び中腹地点…

 

「さぁ、助けに来たよ」

「はっ!!しまった!!」

「首領パッチ…」

 

シーラカンスに気を取られていたカゼは首領パッチの侵入を許してしまった。そして助けに来た首領パッチにボーボボは頰を染め

 

「来るなっつっただろが!!!!」ドゴッ!

「ごぱぁ!!!!!」

 

その顔面に向かって思いっきり膝蹴りをかました

 

首領パッチは吐血しながら落下していった

 

「次はどいつだ?」ポキポキ

 

こっちに来ればこうなるぞ、とでも言わんばかりの態度にパタパタする3人は焦る

 

「次はオレだ」パタパタ

「!!!」

 

その時、3人の後ろにスーツを着たおっさんがパタパタと飛んできた

 

「オレは株式会社L食品第三営業部、課長、鈴木(すずき)(ひろし)だ」パタパタ

 

…………

 

「ちなみに先日、リストラされました」

 

すると不気味な雰囲気を引っ込めて泣き出すおっさん

 

「飛ぶっきゃないっしょ…飛ぶっきゃないっしょ…」

 

その姿は実に哀愁漂っていた

 

「飛ぶっきゃねーよ!!そりゃ飛ぶっきゃねーよ!!」

「まちがってねーよ」

「がんばれよおっさん」

「ありがとう…ありがとう…」

 

励まされる鈴木広だった

 

(よし。ならばオレもこの女を倒さねば)ヒュンヒュン

 

そう思ったボーボボはカゼを倒すべく振り向く

 

「うおぉ!!!!」

 

するとボーボボの目に映ったのはボールみたいな腹で仰向けに倒れながらもシーラカンスを平らげたカゼの姿があった!

 

「残さず、食べました」

(いい子ーー!!!!この子いい子ーー!!!!)

 

鼻からイカを出しながらボーボボはカゼを褒めた

 

「ぐばっ!!!」

「カゼ〜!!!!」

 

断末魔とともに吐血しながら気絶したカゼにボーボボは涙を流すのだった

 

そしてその戦いの様子を魔道具で水面に映しながら見ている者がいた。そう、山頂で待ち構えている魔王軍幹部ハンスである。近くには護衛の隊員もいた

 

(…知らなかった…アイツ、あーゆーキャラだったのか…。はーー、これからどうしたものか…)

 

カゼの隠された一面に悩みながらも、これからやってくる敵に対してどうするかハンスは考える

 

ザッ

 

すると、ハンスの前に全身を覆うローブと顔を隠す仮面をつけた集団が現れる

 

「我々におまかせ下さい」

「おお!!お前らは…」

 

ハンスは声の方向を向き、彼らの名を言う

 

「ハンス5人衆!!!!」

 

ハンスにその戦闘力と残虐性を見出された忠実なる6()()のしもべ「ハンス5人衆」であった!!

 

…………

 

(6人いるーー!!!!!)

 

5人衆なのに6人いる事実にハンスは驚愕した

 

ポチ!

 

ウィィィィーーーン

 

『!!!』

 

ハンスがスイッチを押すとハンス5人衆が立っていた床に穴が開き、6人は真下に落下

 

『わーーー!』

「ふぅ…」

(落としたーーーーーー!!!!)

 

ハンスの急な行動に近くにいた隊員は突っ込んだ

 

「何やってるんですか!!!?」

「だって6人いたんだもん!5人衆なのに6人いたんだもん!」

 

護衛隊員はハンスに向かってそう言うが、当人は言い訳するばかりである

 

「カズマたちはもうすぐそこまで来てるんですよ!どーするんですか!!!!」

「え!!?え!!?」

 

隊員のあまりの剣幕にハンスはタジタジし

 

 

 

「そこだーー!!!!」

 

自ら穴に入って落ちていった

 

「ハンス様ーー!!!!」

 

隊員は落ちていったハンスの行動に戸惑うしかなかった

 

その頃

 

パタパタ

 

カズマ、首領パッチ、天の助は空を飛んでいた

 

中腹地点に到着する3人

 

「着いた」スタッ

「ビュティやアクアたちはもう少しかかりそうだな」

「よかった…僕にも翼があってよかった…」

「遅いぞ、お前達」

 

遅れてやってきた3人を叱責する広

 

「くっ、ハンスはまだ先か」

 

ヘッポコ丸、ダクネス、ウィズは敵がいるであろう山頂を見上げていた

 

「ん!」

 

その時、ダクネスは崖下からやってくる気配に気づく

 

パタパタ パタパタ パタパタ

 

手をパタパタさせながら飛ぶハンスとハンス5人衆の6人だった




カゼの名前の由来は、似た立場のキャラの名前がスズで、風と鈴で風鈴になるから。風鈴好きなんですよね

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。