この素晴らしい世界にハジケリストを!   作:ジャギィ

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そろそろアルカンレティア編も終わりが近いです


奥義87 ハンスです

カズマたちが山頂に到着してから2時間後、家は完成した

 

「いやーー、いい家建てたね」

「そうだな」

「案内します」

「わーい、あこがれのマイホームだ」

 

家を完成させたハンスとダクネスは嬉しそうにおにぎりを頬張り、カズマははしゃぐアクアに家の案内をしていた

 

それを見ていためぐみんはあることに気づく

 

(あれ?そういえばウィズは?)

 

キョロキョロと周りを見渡す。すると家のレンガの壁に何かが埋まっているのを見つけた

 

ウィズだった

 

(組み込まれ

 

組み込まれ

 

組み込まれ

 

組み込まれてるー!!!!)

 

レンガの壁の中に埋まっているウィズに気づいためぐみんは心の中で4連ツッコミをした

 

「クックック、これぞスライム真拳奥義「建築拳」。その女はもはやここまでだ」

「貴様!よくもウィズを!!!」

「一緒に建ててたじゃないですか」

 

ハンスに対して憤るダクネスだが、めぐみんの言うようにダクネスも原因の1人である

 

(くっ…あの時私がウィズだと気付いていれば…)

 

ダクネスは後悔しながらその時のことを思い返す

 

回想…

 

「お、こんな所にいいレンガがあった」

「私ウィズですけど」

 

ダクネスはウィズをレンガと間違えた

 

「フ〜ン♪フ〜ン♪」ペタペタ

「私ウィズですけど」

 

抗議を無視してウィズとレンガにセメントを塗りたくるダクネス

 

「ハンス、セメント塗り終わったぞ」

「私ウィズですけど」

 

そのままウィズの元を離れたダクネス

 

「さっきレンガしゃべっていたんだ」

「そんなバカな」

 

そしてそのことをハンスと話し合うダクネス

 

終わり…

 

「ウソでしょ!!!?」

 

まったくウィズに気付けてなかったダクネスに対してめぐみんはそう思わざるを得なかった

 

「許さん!喰らえ、ハンス!!!!」ダッ!

 

仲間がやられた怒りを乗せて、ダクネスがハンスに斬りかかる!

 

「犬小屋じゃない…犬小屋じゃない…」

「エサです」

 

一方アクアはイヌの格好をしながら犬小屋の前で泣いていた

 

(でもよく見ると、これも立派な家なんじゃないの?)

 

結果、アクアは開き直るのだった

 

そして場面はダクネスが切りかかった所に戻る

 

ビュオ!!!

 

『スライム真拳奥義「西部の掟」!!!!』

「ぐわああああああああ!!!!」

 

たくさんの触手をムチのように打ちつけられたダクネスは鎧を完全に砕かれて敗北した

 

「いきがるなよダクネス。しょせん貴様など俺の敵ではない」

 

ハンスはダクネスを見向きもせず言い切る

 

「しばらくそこでくたばってな」

「ダクネス!」

「クソ〜〜…クソ〜〜…」

 

めぐみんが心配してダクネスに近寄る。ダクネスは必死に体を動かそうとするがもう戦える状態ではなかった

 

「ハンス、キサマだけは必ず俺の手で葬る!」ボワッ!

「待ちわびたぞ、この時を」ボワッ!

「エサ足りないわよ、エサ!」

 

カズマとハンスは互いに紫電が走るオーラを放ちながら相対する。その近くで図々しくおかわりを要求するアクア

 

「お前を殺せるこの時をな…」

 

ゴゴゴゴゴゴ…

 

2人のオーラは大地を揺らし激戦を予感させる

 

「参ります!!」

 

そしてハンスがつぶらな目で先制を仕掛けた!

 

「ハジケ流奥義「巨大化」!!!!!」

 

それをカズマは巨大化することで迎え討つ!

 

「どーだ!!!」しゅんしゅんしゅんしゅんしゅん…

「で…でけー」

 

アリよりも小さい大きさに巨大化?したカズマを見たアリが感想を告げる

 

「さぁ来い」

 

げしっ

 

「ぎゃあ!!!!」

 

つま先であっさりと蹴られたカズマは吹っ飛ぶ

 

「くっ!!」ズザザザ チャキ

 

巨大化?を解いたカズマは踏ん張りながらちゅんちゅん丸を構える

 

「バカめ!!これを見ろ!!!!」カパ

「助けてー」

「助けてー」

 

ハンスが胸の部分を開くと、その中で銀行員が強盗に銃を向けられていた

 

「助けてくださいな♪」

「あらカワイイ」

 

そして変なポーズで助けを求めてくる

 

ズバッ

 

「ぐばっ!!!!」

 

それを見たカズマは問答無用でハンスの胴体を袈裟斬りにする

 

(いて)てぇぇぇえええええええ!!!!」ズザザザ

 

痛みに悶えながらハンスは大地に転がる

 

「優しさこそが俺の全て。だから俺は誰も傷つけない」

「くっ」

 

この時、ハンスはちくわに…

 

『中身のないヤツはキライだ』

 

と言われた時の気持ちになった

 

「フッ…いいだろう。見せてやるよ、秘奥義(とっておき)をな」

 

禍々しいオーラを出し、ハンスは腕を赤いスライムのものに変形させる

 

「スライム真拳(マルヒ)奥義「毒毒出(どくどくだ)す拳」!!!!!」ドヒュン!

 

そしてスライムの腕がカズマの前まで近づくと全身を飲み込んだ

 

「!!」

 

ドプンッ

 

「この技を食らったら最後、キサマの全てを溶かしつくし骨しか残さん!!!!」

「ぐわああああ!!!」ジュウウウウ…

 

カズマは必死に逃げようとするがもはや逃げられない

 

「ハッハッハ!骨になってしまえーー!!!!!」

「ああ…ああ……」

「カズマ!!!」

 

仲間の声も届かずカズマの体は徐々に消えていき…

 

星型の首領パッチみたいなのになった

 

(((星になったーー!!!!!)))

 

パカ

 

「銀河のロマン、銀河のロマン」キラキラ

 

そしてカズマは砂になった

 

「確かにロマンだ」

「カズマ!!」

 

星の煌めきを肯定するハンスは、過去を思い出し歯ぎしりする

 

「…だが、俺が幼少の頃にうけた心の傷はまだまだこんなものじゃないぞ」ギリッ

 

 

 

その昔…

 

宇宙戦艦の格納庫内にて

 

「これが新型のロボットですね」

「ああ…これが3年間、極秘で開発された我が軍の切り札だ」

 

パイロットが見上げる先には、巨大ロボットのカズマとハンスがいた

 

「この2体は歴史を変えるぞ」

 

カズマとハンス、共に3歳である

 

『敵出現!!敵出現!!ただちに出動せよ!!!』

「ギャラット軍だ!!!」

「よし、新型ロボットの性能を見せてやるぜ!!!出撃するぞ!」

 

こうして俺とカズマは初出動した

 

性能的には全く五分だったがスライムウィップがある分、俺の方が戦果を挙げるハズだった…

 

しかし現実はヤツの1人勝ち。次から次へと敵ロボットを破壊していった

 

…そう、パイロットが悪かったのだ。しょせん俺たちはロボット、パイロットに全てを委ねなければならないのだ

 

「あれ!?おかしいな…」ガチャガチャ

 

ハンスパイロットのジェニファは凡才だった

 

(くっ!!ヤツには一体どんなパイロットが?よほどいいパイロットに違いない)

 

ウィィィン

 

(あ!開いた)

 

カズマの中から出てきたのは…火を吐く東洋龍だった

 

(ドラゴン!!?)

「中日〜〜〜〜〜〜〜」

 

そのドラゴンは宇宙を飛翔し…この戦いは終結した

 

 

 

「あの時の屈辱、忘れはせん」

「女々しいヤツだ。そんな昔のことをまだ根にもっているとは」

 

過去を忘れなれないハンスを愚かな男だとカズマは思った

 

しかしハンスは次に、左腕についた大きな傷を見せつけるようにカズマの前に出す

 

「カズマよ、この傷を覚えているか」

「!! その傷は!!!!」

 

動揺したカズマにハンスは続けて言った

 

「今ケガした」

 

 

 

ー10年前ー

 

滅びた都市の死屍累々の中心で幼いカズマとハンスは無言で佇んでいた




(いて)てぇぇぇえええええええ!!!!」の部分は原作のままです。誤字なのか違うのか判別がつかないのでそのままで

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