この素晴らしい世界にハジケリストを!   作:ジャギィ

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ここ最近、急に暑くなってきましたね。皆さんも水分補給はこまめにすることをオススメしますよ


奥義90 突撃!!紅魔の里

ビュティはあきれはてていた

 

 

 

ブウウウウ

 

自然の生い茂る山の道路。そこではサングラスとタバコを装備したカズマがオープンカーで楽しげに運転していた

 

ブウウウウ

 

「♪」ガチャガチャ

 

ギャギャギャ!

 

シフトレバーを細かく動かし加速しながらカーブを曲がるタイヤとコンクリートが擦れて激しい音を立てる

 

ギャギャギャ!

 

「!!」

 

その時、カズマは自分以外の激しい走行音が後ろから聞こえたことに気づく

 

そう!ロングスカートを履いたボーボボが掃除機に乗ってカズマを追いかけていたのだ!爆走するボーボボの後ろではソフトン号がついてきていた

 

「よし!!前半の遅れは取り戻したぞ!!!勝負だ、カズ吉さん!!!!」

「フッ、あの野郎…やってくれるぜ…」

 

玉のような汗をかいて食らいついてくるボーボボに、カズマことカズ吉は余裕な態度で笑う

 

「父さん、見てて下さい。アナタの造ったこのマシンで僕は世界最速になります…」

「御用だ!御用だ!」

 

ボーボボのアフロには時代劇風の男が十手を手に同じ言葉を繰り返す

 

ブオオオオオ

 

「「「!!」」」

 

そして局面は凄まじいまでの急カーブの道に突入する

 

「フッ…きやがったな、「地獄の門(ヘルズ・ゲート・カーブ)」。このカーブを曲がりきれずに死んでいった者は数知れねェ…」

 

さすがのカズ吉もこのカーブを前には速いスピードで走ることはできなかった

 

だがそれがボーボボの狙い目

 

(ここだ!!!カズ吉さんに勝つにはここしかない!!!)

「御用だ!御用だ!」

 

風力調整スイッチに指をかけるが、恐怖によって小さく震える

 

(怖い!!でも…)

 

グッ!

 

(もう負けるのはイヤだ!!!)ドギュン!

「!!」

 

負けたくない気持ちがスイッチを押し、ボーボボを急加速させた

 

「あのバカ!!トップスピードで突っこみやがった!!!!死ぬぞ!!!!!」

 

あまりに無謀過ぎる…いや、もはや博打にすらならない自殺行為にカズ吉は叫ぶ

 

ギャギャギャギャギャギャ!!

 

ドリフトによって掃除機の車輪が勢いよくすり減っていく

 

(ムチャだ…やつのマシンはFF(エフエフ)カスタム仕様だ。俺のSR(エスアール)V(ブイ)23R(アール)改でさえあのスピードじゃキツイ。このカーブはドライバーの技術でどうにかできるもんじゃねぇ!!マシンの性能がハッキリでる!!あの男死んだな!!)

 

ボーボボはここで死ぬとカズ吉は確信していた

 

「うおおおおお!!」

 

だがボーボボは掃除機を傾けながらもドリフトを続け…

 

「父さん!父さあぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

 

ドギュン!

 

ついに「地獄の門(ヘルズゲート・カーブ)」を曲がり切った

 

ビュン!

 

そのままボーボボはゴール目指して走っていく

 

「………」

 

それを見たカズ吉は唖然としてからチャレンジ魂に火がつく。シフトレバーを動かし、ハンドルを限界まで切る

 

「おもしれぇ!!!!」

 

ガチャガチャ ボキッ

 

「限界まで行こうぜ〜〜!!!!」

 

ギュルルル ルルル バキッ

 

『行こうぜ〜〜!!!!』

 

そしてガードレールを思いっきり突き破ったのだった

 

紅魔の里…

 

そこには紅魔族の子供たちが通う学校がある。生徒がたった9人しかいなくて、誰もが魔法の習得…すなわち卒業のために日々勉強をしていた

 

「出席を取るぞ〜。あるえ!」

「はい」

 

教室の中で、担任の教師であるぷっちん(男)が教壇に立ちながら出欠確認を行っていた

 

「よーし、全員揃っているな。今日も授業を始めるぞ」

 

9人全員がいることを確認したぷっちんは授業を始めた

 

「急患だ!!急患だ!!」ドゴーン!!

「ぐばっ!!!!」ガン!

「「「!!!!」」」

 

しかしその瞬間、ボーボボが運転する救急車が壁を突き破ってぷっちんを後ろから轢いた。急にやってきた異常事態に生徒全員が驚愕する

 

「すぐにオペの準備を!」

「大丈夫ですか!?」

「先生、しっかり!!」

 

どくどく血を流して倒れるぷっちんの姿に思わずめぐみんとゆんゆんが声をかける

 

そんな中、事故ったことで担架に乗せられたカズマが天の助たちに運ばれる

 

「先生、お願いします!!」

「うむ」

「先生!!!?」

 

帽子、マスク、術衣を着たボーボボの姿にめぐみんが目を剥く

 

「怖いよぉ〜!!!!手術怖いよぉ〜!!!!」

 

サングラスをかけたままのカズマが初めての手術に泣きわめく

 

「麻酔!!!」ダダダ!

「ぎゃあああああ!!!」

 

そんなカズマを静かにするため、ボーボボは銃でカズマを蜂の巣にした

 

「ではこれより手術を始めます。フォーク」

「治せるのですか!!?治せるのですか!!?」

 

全身穴だらけで血を流すカズマを食器で治そうとするボーボボにめぐみんは不安を覚えるのだった

 

そして30分後

 

「これが…俺…」くるくる

 

カズマはボーボボの手によって左半身が機械のメカカズマになった。額の穴には竹とんぼのようなプロペラがくるくる回っていた

 

「手術は成功です」

「……」

「先生…」

 

あまりの変貌ぶりにめぐみんは何も言えなかった

 

「……」くるくる

 

手鏡で変わった自分を見るカズマ

 

ブゥゥゥン

 

「ああ!!プロペラが!!!」

 

すると頭のプロペラがさらに早く回って空を自由に飛び出した

 

「待ってーー!!僕のプロペラ!!!」

 

飛んでったプロペラを追いかけるカズマ

 

「プロペラ〜!」

「くっ…魔王軍の襲撃か何かか…?」ピタッ

 

床に倒れるぷっちんは頭にプロペラをくっつけながらそんなことを口にする

 

「でもよかった…里のみんなが無事で」

「1人死にかけてるぞ」

 

教室のみんなを見てホッとするゆんゆんにヘッポコ丸はぷっちんのことを指摘した

 

カンカン!

 

その時、激しい鐘の音が里中に響き渡った

 

『魔王軍警報!魔王軍警報!手の空いている者は里の入り口グリフォン像前に集合!3000匹の敵が接近中!!』

「な!?」

 

その警報を聞いたボーボボたちは耳を疑った

 

「3000の敵だって!!」

「マズイよボーボボ!」

 

そんな数に攻められては紅魔の里が滅びてしまうとビュティは思ったが、ボーボボは落ち着いて言う

 

「安心しろビュティ。すでにアイツがたどり着いている頃だ」

「え?」

 

一方、紅魔の里郊外…

 

『バビロン真拳奥義「アムステルダムの激流」!!!』

「「「ぎゃあああああ!!!!」」」

 

そこでは途中で下車していたソフトンが魔王軍の先兵をなぎ倒していた。バビロンの気を氾濫した大河のごとき勢いで魔王軍を押し出していく

 

「こ、このウンコまさか…!」

「ボーボボとカズマの仲間か!?」

 

圧倒的に数が勝っているにも関わらず手が出せない魔王軍の兵に、ソフトンが宣告する

 

「我はバビロン真拳正統継承者ソフトン。魔に従えし(つわもの)共よ、聖なる闇を知るがいい」

 

構えを取るソフトンに魔王軍は後ずさった

 

「ステキ……」ポッ

「!!!?」

 

ボソッと呟かれたそけっとの言葉にぶっころりーはショックを受けるのだった




敵の数は原作の3倍になっています。なおこれでも数十人で返り討ちどころか蹂躙する紅魔族のスペックの高さ

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