ではでは
追記:これ10話目だったんですね。思ってた長さの倍になってる…
次の日から私はバイトを真面目にするようになった。
集中するようになったら、今まで手こずっていた仕事もすぐに片付けられるようになった。
気にかけてくれていた先輩は「なんだか明るくなったね。安心したよ」と言ってくれた。
そうやって頑張ってる日々はなんだかキラキラ輝いていて、楽しかった。
優しい先輩は、いつもわからないことがあったら教えてくれて、出来ないことは何回聞いても怒らないで笑顔で見本を見せてくれる。
他の仲間だって、よく話しかけてくれる。
前なんか一緒にご飯を食べに行った。
久しぶりの賑やかな食事でとても楽しかった。
それでもたまに不安になる。
この楽しい日々がいつか失われてしまうんじゃないかって。
あとだんだんペルクスとの思い出が薄れていってるような気がして寂しくもなる。
でもこうも思う。
もし失われたとしても、また手に入れればいいさって。
それにあんなバカのこと、忘れられるわけがないって。
そんなある日のこと。
先輩に食事に誘われた。
彼はとても優しくて、ユーモアもあって、細かい気配りも利いて、一緒に居て楽しかった。
それから一週間くらい経ったある日。
先輩がバイト先で、バイト先の男に殴られた。
その知らせを聞いて、心配になった私は家を飛び出して、バイト先に向かった。
そこには困ったように笑う先輩、先輩の頬に茶色い消毒液を塗る店長、そして怒りを堪えている様相の男。
私は男をキッと睨みつけてから先輩に「大丈夫ですか?」と尋ねた。
先輩は「大丈夫だよ。怪我もそんなに酷くないし…イテテ」と言った。
店長も「ちょっと顔が腫れただけだよ。冷やしたらすぐ治るからもう帰りなさい」と言ってきた。
彼の怪我は十分痛々しく見えた。
私は男にふつふつと怒りがこみ上げ、男の頬を同じように殴りたくなったが、流石に店長の前なので堪えて、男をもう一度睨みつけてから、私は納得出来ていないまま店を出て自宅へ帰った。
それからまた何日かたって、私は先輩と入れ替わりのシフトだった。
先輩と少しだけでも話したくてバイト先に早めに行った。
自転車を漕いで、胸を弾ませながら、息を切らしてバイト先へと走った。
店番をしていた先輩ではないバイト仲間に「おはようございます」と挨拶をして、店員の控え室に向かう。
そうしたら先輩と、別の人の会話が聞こえてきた。
「ほんっと、チョロかったなあの女。こっちがちょっと優しくしてやったらコロッと落ちやがんの。」
「でもどうすんだ?付きまとわれたりしたら面倒だろ?」
先輩は普段とは全然違う邪気を孕んだ声で言った。
「んなモン1発やって捨てるに決まってんだろ?」
今回を受けてR15タグをつける事にします