今度こそ完結です。僕的にも満足のいく結末になりました。
2つ(もしかしたらそれ以上)解釈のしようがあると思いますが、そちらは読者の皆様におまかせしたいと思います。
それでは最終回、どうぞ!
扉の奥の先輩は、悪魔のようにカラカラと嗤いながら、話し続けた。
彼は言った。
「しかもアイツもアイツだよな〜急に殴ってくるとかおっかねーの。」
「お前おっかねぇとかそんなタマじゃねえだろうがwww」
「違いねえwwwとはいえバレた時はどうしようかと思ったぜ。バカで助かったよ、お陰でこっちは被害者ヅラしてりゃいいってもんだ」
私は耳を疑った。
え?あの人は全てを知ってた…?
私は耐えきれなくなって、バイト先の店の外に出ようと走り出した。
店のドアを開けた時、誰かにぶつかった。
その誰かは私の事をしっかり受け止めてくれた。
顔を上げると、そこに居たのは、今まで誤解していた相手だった。
涙が溢れ出して止まらなくなった。
「ごめんね…ごめんね…」
私はそれしか言えなかった。
彼は困ったように肩をすくめながら、ハンカチを差し出してきた。
私が涙を拭いて、落ち着いたのを見ると彼は、「そんな顔してどうした?綺麗な顔が台無しだろ?」って言った。
私に真偽を見分ける力が無いのは分かりきっていたが、その言葉が本物であることは不思議とわかった。
私は控え室の前で聞いたこと、先輩の本性、今まで彼のことを誤解していたことを言って、謝った。
彼は少し苦笑しながら、「そんな事かよ」と言った。
そして彼は言葉を続ける。
「あのさ、なんか弱みにつけ込むみたいでやなんだけども。
え…?
バカ…?
一見普通のセリフ。
それでも私は混乱した。
だけど!!
「うん…だって私のためにそこまでしてくれたんだもん、断れないよ…」
やった!なんて言いながら飛び跳ねる姿はやっぱりあのバカと変わらなくて。
私は無意識に「おかえり…」と呟いていた。
すると彼は。
「ただいま!」と答えた。
…え?
…どういうこと?
思わず固まってしまった私の手を引いて彼は笑顔で駆け出す。
そのまま控え室の扉を開け放って言った。
「おい、この子は貰うぞ?」
先輩は怒り狂うかと思いきや私の顔を見て「ねえ、その人でいいの?僕のこと諦めてその人で手を打つの?可哀想」と言った。
彼は言った。
「俺からしてみりゃあお前なんかに騙されたこの子とそんな事しか出来ねぇお前の方が可哀想なんだよ!」
先輩は、「なら勝手にしろ。どうせほかにも女はいる。」そう言って控え室から出ていった。
次の日から先輩はバイト先から消えた。
あれから幸せな日々は何十年も続いて、私は子宝にも恵まれて、最高の人生を送った。
神様は最初の三十年あまりの不幸を補ってあまりある幸せを私に与えた。
あの時彼がどういう意味でおかえりと言ったのかはついぞ分からない。
だけど私は、敢えて信じよう。
あのバカは帰ってきて今度こそ私を幸せにしてくれたのだと
目が霞んでいる。
子供たちは私にもっと生きられると言ったがその言葉が嘘であることくらいすぐにわかる。
これでも自分の死期位は把握しているつもりだ。
私が寝ているベッドの周りは、娘息子と孫達が囲んでいる。
本当に…幸せな人生だった…
ロキ…ペルクス…今そちらに逝きます…
子供たち、孫達…
さよ…うな…ら…
ここまでの読了、本当にありがとうございました。
よかったら感想を書いてくださったりしますと本当に嬉しいです。