男性の話が思ったより長くなったので二つに分けます。
なので最低でもあと2話は続きます。
鬱展開100%です。どうぞ!
ふと車を運転しながら外を見ると、女性が崖に向かって歩いていた。
自殺志願者だ。俺はそう思った。
そして、今度こそ助けなければと思った。
辛うじて道が舗装されている程度の山奥には警察など滅多にこない。
アクセルを踏み込んで、女性の方へと車を走らせる。
法定速度なんざ気にしてる余裕はない。
車を降りて走り出すと、いよいよ足を踏み出すところだった。
慌てて走り、手を掴む。
目を閉じていた彼女は手を掴まれたことに驚愕の表情を浮かべた。
そして、引き上げられて、次に浮かべた表情は憤怒、であった。
「やっと死ねると思ったのに!なんで助けたのよ!?」
彼女の叫び。
その叫びは悲痛なものであった。
「なら冥土の手土産に俺の話でも聞いてくれや。」
気がついたら話し始めていた。
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まず最初に言おう。
俺は馬鹿だ。
頭の回転も鈍いし、人の心も理解できない。
物心ついた頃から父親は酒に溺れてた。
母親は遊び歩いて家にいる時間より外にいる時間の方が長かった。
叔父さんと叔母さんが面倒見てくれたおかげで助かったけど、そうでなかったら俺は多分あの家で野垂れ死んでたと思う。
そんな俺も小学生になった。
叔父さんと叔母さんは入学を自分の実の息子であるかのように喜んでくれたよ。
叔父さんと叔母さんはどちらかに問題があるのか、子供に恵まれなかったらしい。
だから俺を引き取って、実の息子みたいに大事に育ててくれた。
二人にはすげえ感謝してるぜ。
でも小学校入って勉強が始まるだろ?
俺、足し算もろくに出来なかったんだよ。
もちろん引き算も、掛け算もダメ。
あ、いや、今は出来るぜ?うん。できる。大丈夫。
んで、だ。俺はみんなが出来てる算数とか、国語とかを分かるようになりたかったんだよ。
だから俺は必死で勉強したんだ。
そしたらまあ点数は上がったよ。
血反吐を吐く思いで勉強して、やっとの思いで平均点。
六歳だった俺は思った。
あぁ、努力って報われないんだなって。
それでも勉強しないと平均点も取れないからさ、頑張ったわけよ。
焦りも隠して。
ほら、俺の右手見てみろよ。
これ、ペンで出来たタコなんだぜ?
今大学生なんだけどな?1日復習やらなかっただけで次のテストの点数がガクンとさがるんだ。
小学校を勉強漬けで終わって、中学入ってさ。
いよいよ数学と理科がわかんなくなった。
そうやって焦ってる時期にさ、優しく話しかけてくれた女の子がいたんだ。
俺が分からないところを聞いたらいつまでも嫌な顔一つせずにおしえてくれてさ、笑顔が可愛くてさ。
あっという間にその子のことが大好きになって。
そしたらバレンタインの時にさ、靴箱に手紙が入ってたんだよ。
「放課後、屋上に来て欲しい」って。
見覚えのある字だった。
あの子の字だったんだ。
俺は喜び勇んで屋上に行ったよ。
そしたらさ、その子が屋上の柵に腰掛けながら「ずっと好きだった。でも、ごめん。ありがとう、さよなら」って言って落ちてったんだ。
俺は…足が動かなくて…助けられなかった!
情けなくて仕方なかった。
あとから聞いた話じゃ、俺はバカだから周りから奇異の目で見られてて、そんな俺と仲良くしてくれてたその子はさ。
酷いイジメを受けてたんだ
感想、誤字報告、分かりづらいところ等ありましたら是非どうぞ