絶望を嗤え(完結)   作:初代小人

7 / 12
最終話です。まさかこんなに早く終わると思ってませんでした。
とにかく完結です。どうぞ!


ノーマルバッドエンド
その終末は偶然か必然か


そこには狂ったように笑う男がいた。

泡を吹いていて、何を言ってるかよくわからねえ。

男は包丁を握り直してこっちに突進してきた。

狙いは俺じゃない。彼女だ。

 

 

ポカンと立ち尽くしている彼女に、飛び降りる直前の君の寂しそうな顔が重なった。

今だ。今こそ君のように彼女を守るのだ。

決意を固めた俺は彼女を突き飛ばす。

しかし凶刃に体制を固める余裕はなかった。

 

 

「グッ!」

包丁がかなりやばい位置に刺さった。

通り魔は驚いたような顔をしている。

「目の前で…2度も…大事な人を死なせてたまるか!」

 

痛みをこらえ、拳を固め、通り魔の顔面を全力でぶん殴る。

通り魔は吹き飛んでいった。

眩暈がして、俺は倒れた。

彼女が駆け寄ってくる。

あ、これダメなやつだな。

なっさけねえ。せめてこれだけは伝えねえと

 

 

「なぁ…」

「何?」

「そんなに…泣くな…そうやって…泣かれると、俺も…悲しい。」

「う、うん。」

「どうにもこうにもなんねえな。俺はここまでらしい。目が霞んできやがった。」

「そんな!やだよ!貴方が死んだら!」

「これだけは、言わせてくれ。」

「何?」

 

 

「いつからか分からない。俺は君が大好きだった…今日も…楽しかった…ありが…とう」

「何過去形にしてんのよ!これからもいっぱいデートするのよ!それで!それで!教会で式を上げるのよ!私貴方がいなかったら…どうやって生きていけっていうのよ!」

「え…?それ…っ…て…?」

「私もあんたのことが好きなのよ!なのに…こんなのって…こんなのって…」

「あのな、最後のお願いなんだけどな?聞いてくれるか?()()

「え、ええ。最後と言わずになんでも言ってちょうだい!」

「俺が死んでも、死ぬな。もし自殺なんかでこっちに来やがったら…その可愛い顔面に…グーパン…してやるからな…」

「うん…わかった…頑張る…」

 

 

 

 

 

 

____________________

 

 

〜エピローグ〜

 

 

 

あの通り魔事件から十年がたった。

辛い日は沢山あった。

そんな時に寄り添ってくれた彼と私は結婚した。

そして…

 

「オギャーオギャー」

「はーい元気な男の子ですよ〜」

「よかった…」

「名前は君に任せるよ。何がいい?」

「なら()()()()でもいい?」

「いいけど…なんで?」

「ふふ、内緒。」

 

 

ねえ、空から見てますか?貴方の名前を持った男の子ですよ。

貴方のような優しくて人を守れる男性になりますように…

産まれたばかりの赤ちゃんが、優しく笑ったような気がした。

 

 

fin

 




ネタバラシをば。
結局のところ、この世界線は神々の狂乱のパラレルワールドです。(かなり強引ですが。)
別の世界線でのペルクスとサラのお話でした。書いてて楽しかったです。鬱展開は書いててしんどいね
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。