ひなたぼっこの研究者   作:たんぽぽ

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第10話 マントの燃やし方

 さて、ハロウィーンの騒動の翌日、つまりクィディッチ初戦の日である。

 私は昨日、晴れて憧れのH(ハリー)R(ロン)H(ハーマイオニー)と言葉を交わすことができ、なおかつファーストネームで呼びあうことを許されたことにより、絶好調だった。スネイプ先生のマントが燃える日だというのに。こらそこ、ロンとは言葉を交わしてないとか言うんじゃない。

 とにかく、クィディッチだ。

 クィディッチとは、魔法界特有にして大人気のスポーツのことであり、使用する道具はスニッチ、ブラッジャー、クアッフルという三種類のボールと箒、バット二本である。スニッチは小さな羽のついた金の球で、素早くコート中を飛び回る、一番厄介なボールだ。これを『シーカー』というポジションの人が探し、キャッチした方のチームに百五十点が与えられ、同時に試合は終了する。ブラッジャーは二個使われる黒い暴れ玉であり、試合中は容赦なく選手を襲う。それをバットで撃退するのが二人いる『ビーター』である。そして、ここまでは個性的なボールだったが、最後のクアッフルは実に普通のボール。真っ赤に塗られ、持ちやすいような凹凸が軽くついた、タネも仕掛けもないボールである。三人いる『チェイサー』が、三つある相手のゴールにクアッフルを入れると十点獲得出来る。そして最後は、マグルもお馴染みの『キーパー』。三つのゴールポストの周りに待機しており、クアッフルがゴールに入るのを防ぐ。なお、クィディッチは全ての選手が箒に乗って行われ、更に言うなら、基本的に上空二十〜三十メートルで行われる競技である。落ちたら大変だ。ハリー頑張れ。

 まあ、そう言うわけで、私はS(スーザン)J(ジャスティン)Z(ザカリアス)と共にクィディッチ競技場へと向かっていた。

 もちろん、手に持っているのはグリフィンドールの応援グッズ。グリフィンドールかスリザリン、どっちを応援するかと聞かれたら、ハッフルパフ生は迷うことなくグリフィンドールを選ぶので、私としては嬉しい限りだ。

 

「リズがすごくはしゃいでいるわ……」

「何か良いことがあったんでしょうか」

「悪いものでも食べたのかもしれないな」

 

 そこまではしゃいで見えるのだろうか。というかザカリアス、君は私に何か恨みがあるの?

 私は、H(ハリー)R(ロン)H(ハーマイオニー)と話すことが出来て嬉しかっただけなのだ。生前、ハリポタ命!!! だった私なのだから、このような反応は至極当たり前なのだ。クィレルwithヴォルさんのマントが燃える日だし。いや、燃えるんじゃなくて燃やすんだけど。あ、そうだ、クリスマスには匿名で、スネイプ先生に新しいマントとシャンプーを贈ろうかな。喜んでくれるに違いない。

 いやー、今日も楽しいなー。

 

 *

 

 我ながらすごいはしゃぎようだったと思う。

 競技場に入ってからリー・ジョーダンに会い、グリフィンドールが勝つ方にかなりのお金を掛けた私は、教員席にスネイプ先生とクィレルwithヴォルさんの姿を発見して反省し直した。二人の水面下の激しい攻防戦を見届けるという使命を果たさなければいけないのだ。それ以上にハリーの勇姿を見ることも重要だけど。

 そして、無事に席に腰掛けた瞬間、私は気付いてしまった。クィレルwithヴォルさんのマントは、どうやって燃やしたら良いだろうか。どのタイミングで席を離れ、ハーマイオニーに見つからないようにマントを燃やせばいいだろう。悪戯グッズを使えば出来る? いや、誰かしらに投げ込むところを見られてしまうだろう。要検討だ。検討時間は約一分。

 ……よし決めた。これで行こう。

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