ひなたぼっこの研究者   作:たんぽぽ

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第13話 ニコラス・フラメル

「ねえリズ、ニコラス・フラメルって知ってる?」

 

 何故このようなことになったのか。

 ハグリッドがニコラス・フラメルのことを漏らしたため、好奇心旺盛なH(ハリー)R(ロン)H(ハーマイオニー)が図書館で調べているというのはわかる。うん、ここまでは。

 しかし、何故私が尋ねられているのかがわからない。

 

「リズってほら、よく図書館にいるじゃない? だから、何か知ってるんじゃないかと思って」

 

 確かに知っている。私は不老不死に興味ないので錬金術方面の本は読んだことがないが、生まれた時から知っている。生まれる前もだけど。

 考えても始まらないので、私は自分への妥協案を出した。私が選んだのは、教える、知らないふりをするのどちらでもない。三つ目の選択肢、ボケる、だ。

 

「確かにニコラス・フラメルのことは知っています」

「本当!?」

「はい。しかし、少し時間を下さい。私も詳しいところまでは理解していないので、それを調べてから———」

「いいのよ。どんな人なのか教えてくれれば」

「いえ! 中途半端な知識を教えるのは良くないことだと亡くなったおばあちゃんに言われました。きっちりお教えします」

 

 私は言いたいことだけ言うと、バッと図書館へ走って行った。

 多分、長い間隠しておくのは無理だろう。だから、詳しく教えて恩を売っておこう。

 

 *

 

 昔、『硫黄』と『水銀』を融合すれば賢者の石が出来ると考えられていた。しかし、どのような手段を使っても賢者の石が誕生することはなく、当時の錬金術師達は考えた。曰く「第五の元素を使えば融合出来るのではないか」、と。もちろん第五の元素は見つかるわけがなく、失敗に終わったと言うが。

 しかし、私には第五の元素の正体がわかった気がするのだ。それは、『魔力』。水、火、風、土に続いて魔力があったとしても、魔法使いからしたら違和感はない。そもそも元素とは、万物の元となるものなのだ。魔力が元になって魔法は使えるのだし、そんな雰囲気もするし、この仮定で問題は無いだろう。

 しかし、ここで問題が発生する。魔力の操り方は禁書の棚の本にしか載っていない。どう考えても独学で出来るわけがないのだ。

 そこで私は考えた。誰にも見つからずに禁書の棚に忍び込む方法を———。

 

 *

 

「———以上がニコラス・フラメルに関する説明となります」

「リズ、話が長いよ……」

「で、リズ、お願いをひとつ叶えれば良いのよね? 何を頼みたいの?」

 

 そう、私はニコラス・フラメルのことを教える条件として、ひとつ『お願い』を叶えて欲しいと要求したのだ。私がお願いしたいのは、『一晩透明マントを借りること』である。クリスマスにハリーが手に入れるはずであるため、それを借りて禁書の棚に忍び込む算段であった。

 

「いえ、お願いは後に取っておくことにします。安心して下さい、あなたがたが不利益になることでは無いと思いますから」

「なら良いけど……。ありがとう、リズ」

 

 去っていくH(ハリー)R(ロン)H(ハーマイオニー)の背中を見つめながら、私は興味本位で賢者の石を生成してみることに決めたのだった。

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