ひなたぼっこの研究者 作:たんぽぽ
クリスマス休暇。ハッフルパフ生で今年ホグワーツに残ったのは、私ひとりだけだった。
だから。
「あなたはハッフルパフ生でしょ! 寮には入れないわよ!」
「そんな堅いこと言わないで下さいよ。クリスマスじゃないですか」
「確かにクリスマスだけどそれは関係な———」
「『グレイシアス』」
既に私の十八番となっている呪文で、グリフィンドール寮を護る絵画、『太った
「ちょ、やめなさい! 濡れちゃうわ! わかった、開けるから早く溶かして!」
「ありがとうございます」
こうして私は、グリフィンドール寮への潜入に成功した。
談話室でクリスマスプレゼントを開けているハリーとロンに声を掛ける。
「メリー・クリスマス。プレゼントはたくさん届いたようですね?」
「メリー・クリ———って、リズ!? ここはグリフィンドールだよ!? 何で居るのさ!?」
「クリスマスなんだし良いじゃないですか。ハッフルパフは私以外帰っちゃってて寂しいし」
「あ、リズのプレゼントあった」
ハリーが声を上げた。
ガサガサなる包装紙を剥がし、出てきたのは。
「ピッキングセット?」
「はい。お役に立つかと思って」
「……ダーズリーのところに戻ったら、大活躍しそうだ……」
それを見越して贈ったのである。
「僕のは……」
「悪戯道具セットです。目には目を、歯には歯を、悪戯には悪戯を、ということで」
「フレッドとジョージに使う前提なのか……」
「いえ。ハリーにでも良いと思います」
「良くないよ!!」
慌ててハリーが叫んだ。
「冗談です」
ハリーは最後のプレゼントを開けた。
「何だ、これ?」
流れる水のような生地で出来た、マントのようなもの。そう、
「これ、透明マントだ……」
ロンの言う通りである。
ハリーが羽織ってみると、見事透明に。実物を見ると、やはりすごいと感じる。
「ハリー、少し貸して下さい」
「いいよ。けど、何するんだい?」
「本物かどうか調べるんです」
「本物?」
「はい。『吟遊詩人ビードルの物語』に出てくる、『死』の透明マントかどうかです」
杖をマントに当て、呪文を詠唱する。この呪文は、魔法界の童話に出てくる透明マントかどうか判断するための呪文ではない。マントの仕組みを調べるための呪文である。
「……わかりませんね。しかし、デミガイズの毛で作られたチープな透明マントではないと思います」
「ハリーすごいよ! でも、誰から贈られてきたんだろう?」
「答えはこれに書かれているのではないでしょうか」
さっきはらりと落ちたメモをハリーに渡す。ハリーはそれを読むと言った。
「これは父さんの形見みたいなんだ。賢く使いなさいって」
「へー」
「あ、そうだ。思いつきました」
「え、どうしたんだい?」
私は出来る限り今思いつきました風にハリーに向かって言う。
「折角の透明マントですし、ハリー、それで禁止の棚に忍び込んでもらえませんか?」