ひなたぼっこの研究者 作:たんぽぽ
ハーマイオニーが言っていた通り、三人はグリフィンドール、レイブンクロー、ハッフルパフ一の嫌われ者になっていた。レイブンクローとハッフルパフからも嫌われているのは、スリザリンが寮杯を手に入れないということを楽しみにしていたからだろう。まあ、温厚なハッフルパフなので、そこまで悪口も言わないようだが。
仕方がない。スリザリンを追い越すほどの点を私が取れば、ハリー達への悪口なども少しは収まるだろう。一肌脱ぐか。
具体的に何をするかというと、
①授業では秒速で手を挙げて点をもらう。
②学校中を綺麗に掃除する。
③積極的に先生の手伝いをする。
④溜め込んでいた授業外のレポートを、私に害のない範囲で提出する。
⑤トレローニー先生に「……(ボソッ)」しつつ煽てまくる。ちなみにインペリなんとかではなく、コンファンなんとかなので安心して下さい。
一週間後。
「マジかよ……。ハッフルパフが一位になってるし……」
ザカリアスが大広間の脇に飾られている砂時計を見ながら呟いたのに便乗し、私も砂時計を覗き込む。
寮の点数は、砂時計につもっている宝石の量でわかる。グリフィンドールはルビー、レイブンクローはサファイア、スリザリンはエメラルド。原作には書いていなかったが、ハッフルパフはトパーズのようだ。
ザカリアスの言う通り、トパーズ>>>>エメラルド>>サファイア>>>ルビーになっていた。ちょっとやり過ぎたか。
「リズ!」
名前を呼ばれたので振り返ると、ハーマイオニーが『ホグワーツにおいて点を荒稼ぎする方法~絶体絶命編~』を手に目の前に立っていた。ハーマイオニーの登場にザカリアスがあからさまに好ましくない表情を浮かべたので、私は点数を見ている人全員に聞こえるように言う。
「おはようございます、ハーマイオニー。見ての通り、スリザリンが優勝出来る確率はかなり減ったようですね。あなたが責められる必要も減ったのでは?」
「え? え、えぇ、そうかもしれないわね……」
ハーマイオニーが困惑したように言う。たぶん、ハーマイオニーは私……
私の言葉で周りは納得したような表情を浮かべ、朝食をとりに大広間へ向かった。この話が広まるといいんだが。
そう考えていると、スーザンが私の肩をポンと叩く。
「この話、広めておくわね」
さりげなく読心術擬きを披露したスーザンに呆然としつつ、私はハーマイオニーに引っ張られるままにどこかへ向かった。
*
「ハーマイオニー。朝食前なので短く簡潔に」
「あなた違法なことやってないでしょうね?」
「やってないです失礼ですね」
トレローニー先生に錯乱の呪文は掛けたが。……いや、なんでもない。忘れて。
錯乱の呪文は違法ではないので悪しからず。
「でも……。こんなに一気に点を稼ぐなんて、どうやったら……」
「あの、なんで私がやった前提で話してるんですか?」
「ハッフルパフにあなた以外でこんなことする人がいる?」
「そりゃ一人くらいは…………………………いるでしょう」
「その一人があなたなんじゃないかしら?」
上手いこと言われてしまった。
「違法なことはしてないのね?」
「はい。信じてもいない神に誓ってやっていません」
「信じてないなら誓う意味ないじゃない……。まあ、信じるわ。あと、」
ありがとう。
それだけ言い残して、ハーマイオニーは去っていった。
…………。さて、朝食を食べて、授業の前に少し研究を進めましょうか。