ひなたぼっこの研究者 作:たんぽぽ
ロックハートという名前は、本当に彼のことを示していると思う。
机の上に置かれているペーパーテストを見て、私はため息をつく。こんなのの授業を一年間受けるなんて耐えられない。前にも言ったかもしれないが、敢えてもう一度言おう。私には耐えられない。
と言うわけで、闇の魔術に対する防衛術の授業はひたすら点数を稼ぎまくる授業だと割り切ろう。『
全てのクイズ(これが問題だとは認めない)に模範的な(ロックハート基準)解答を書き込み、残り時間はさらに原作ロックハートが答えを付け足していた内容を思い出して書き込みを加える。はい、出来上がり。
「チッチッチ。私の好きな色がライラックだと覚えている人は少ないようですね。『雪男とゆっくり一年』でそう言っているのに。……私の誕生日の理想的な贈り物は、魔法界と非魔法界のハーモニーですよ———もっともオグデンのオールド・ファイア・ウィスキーの大瓶でも構いませんがね」
それも書いた。自伝にも書いてあったし。
「———ミス・フォーリーは満点です。文句のつけようがない解答でした。ミス・フォーリーはどこにいますか?」
私はさっと手を挙げる。
「素晴らしい。ハッフルパフに二十点上げましょう! ウィスキーのことまで書いてあったのでグリフィンドールより十点多いですよ」
そう言ってウィンクしてくる。
「何でこんなのに真面目に答えたんだ?」
ザカリアスの問いに、きっぱり返す。
「あんなのが与えたとしても、点数は点数。今年こそハッフルパフが優勝するのですから、そのための努力は惜しみません」
ハッフルパフ生達に納得の雰囲気が広がった。
ハリー達なら納得出来ないだろうが、我らがハッフルパフ生は基本的に穏やかなので、ロックハートのことも受け入れることが出来たようだ。気合い十分にロックハートの次の言葉を待っている。
少しロックハートの前置きを聞き逃してしまったが、大したことは言っていないので問題ない。
「———捕らえたばかりのコーンウォール地方のピクシー小妖精」
原作通り。
「では、手始めに君達がどのように対処するのか見てみましょう」
そう言って、ピクシーの入っているカゴを開け放った。
上等。ロックハートの目の前で片付けてみせよう。
「『イモービラス』!」
部屋中に散らばったピクシーが、備品に悪戯を仕掛ける前に不動呪文で金縛りを掛ける。そして、杖を振るって、拾い上げたカゴの中に回収する。カゴはロックハートに進呈した。
「……お、お見事です! ハッフルパフに二十点! これで授業は終わりです」
そう言って、生徒達を教室から追い出した。生徒達が混乱しているうちに自分が華麗に……とか考えていたのだろう。まあいい。点は稼げた。
「リズ、凄いわ! あの呪文は何?」
呪文について解説しながら、私はジニーの姿を見かけてハッと気付いた。
日記、ホグワーツに着いてからじゃなくても、ウィーズリー家で回収出来た。
日記はホグワーツで、という先入観があったからこそのミスに、私はその場に立ち尽くした。