ひなたぼっこの研究者 作:たんぽぽ
ミセス・ノリスが原作通りの方法で石にされたのかはわからない。だから私は、石化する魔法薬、バジリスク以外に石化の能力がある魔法生物が存在するかどうかなどを徹底的に調べ上げた。が、禁書の棚には手を出せないので調べ方は不十分と言えるだろう。
石化したミセス・ノリスに掛けた魔法は、不十分だった。やはり蛇を脳が認識してからそれに反応した呪文が効果を示すのは時間の問題だ。蛇を見えなくするという選択肢から離れた方が良いのかもしれない。
それはすなわち、
「コンタクトレンズ、いや、衛生面を考えると眼鏡が最適か……」
アレをするしかないようである。
*
・ジャスティンside
「リズ、どこで何をやっているのかしら……」
スーザンが呆れたように呟く。
「いくら純血、しかも聖二十八一族だからと言って、秘密の部屋が開かれたからには出歩くのは控えるべきだろう」
「そう、その通り」
ザカリアスの言葉に合いの手を入れる声。僕達が振り返ると———
「……何やってんだ、アイツは」
ザカリアスの言う通り。
ソプラノなリズの声とは程遠いし、人見知りなリズの行動とは思えないが、あれはリズだ。確信を持ってリズだと断言出来る。……ちょっと不安だけど。ローブにホグワーツの校章は付いているものの、所属寮のバッジは付いていないし。ついでにフードの裏地は紫なので、さらにわからない。
「秘密の部屋が開かれたからには、そこのハッフルパフの彼が言うように、誰しも対策を取るべき! 我が屋台では、スニーコスコープ機能付き伊達
行動的なスーザンが人が集っている中に入って行き、リズ(仮)に話し掛けるのが見える。リズ(仮)はローブの内ポケットをガソゴソと探ると、一枚の薄い水色の小さなカードをスーザンに渡した。スーザンはお礼を言ってからすぐに戻ってくる。
「どうでしたか?」
「さっきもそうだったけど、口調が明らかにリズとは違うわね。けど……」
さっきの水色のカードを差し出してくる。
「名刺をもらってきたわ。見てちょうだい」
受け取ってみると、それは紙のカードかと思いきや、限りなく薄くて硬い氷だった。黒いインクで達筆に名前が記されている。
『Mysteliz Girl』
「ミステリズ・ガール……」
「リズ、よね」
「リズ、だろうな」
言いながらも、二人とも不安なようだ。
「とりあえず、リズとミステリズ・ガールは別にして考えましょうか」
僕の提案に、二人とも頷いた。
・ミステリズ・ガールside
破格の値段も手伝って、商品が飛ぶように売れていく。たまに私の正体を探ろうとする人がいるので、そんな人には氷で作った名刺を差し出しておく。寮を聞かれたら「穴熊寮(日本語)」と答えているので、嘘はついていない。日本語がわかる人がいるとは思えないけど、嘘をついていないことには変わりない。
……さて。そろそろ先生方が来るだろうし(フレッジョに借りた忍びの地図を見つつ)、店じまいにしようか。