ひなたぼっこの研究者   作:たんぽぽ

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第46話 潜入

 目を開けると、真っ白な天井が見えた。

 

「目が覚めた?」

 

 目をこすり、声の主を見ると、校医のマダム・ポンフリーだった。ということは、ここは医務室なのか。

 

「あの、私、どうしてここにいるんでしょうか?」

「覚えてない? 『秘密の部屋』の被害者の横に倒れてたんですよ。たぶんショックと疲れがたまっていたからでしょうね」

 

 確かに、ここ最近ろくに眠っていない気がする。

 向かい側のベッドを見ると、ちょうどハーマイオニーが横たわっていた。

 

「襲われているところは見たの?」

 

 私がぼーっとハーマイオニーを見つめていたからだろう。マダム・ポンフリーが聞いてくる。

 

「いえ……。石化した二人を見つけただけなので……」

「そう」

「あの、帰ってもいいでしょうか?」

 

 原作ハリーは何があっても一晩入院していた気がするので、私は恐る恐る尋ねた。

 

「自己判断でいいでしょう。帰りたいなら帰ってもいいし、体調が不安ならまだここにいなさい」

「帰ります」

 

 マダム・ポンフリーの気が変わらないうちに帰ることにした。

 

 *

 

 あっという間に時が過ぎた。

 私はずっとジニーから日記を取り返そうと画策していたのだが、ジニーの守りは堅く、失敗に終わっていた。

 そして———

 

『彼女の白骨は永遠に『秘密の部屋』に横たわるであろう』

 

 ジニーが秘密の部屋に連れ去られた。

 

 *

 

 私が『嘆きのマートル』のトイレの流し台を前に、どうやって入ればいいのか考えている最中、ハリー、ロン、そしてロックハートが登場した。

 手早くハリーに蛇語で入り口を開いてもらい、パイプの中にロックハートを突き落として下見させる。

 

「じゃあ、行きましょうか」

 

 そういえば、ロンの杖が壊れていないから、ロックハートに逆噴射しないのか。ということで、ロンに背後から改良型錯乱呪文(錯乱時間は約三秒)を掛け、素早く偽物とすり替えた。逆噴射する優れものだ。

 順番にパイプを降りて行くと、何かで埋め尽くされた場所に着地した。何かの正体は考えないようにする。

 

「骨だ……」

 

 ハリーが一瞬で私の努力を打ち砕いた。悲しくなった私は、聞こえないふりをすることにした。

 

「見て下さい。バジリスクが脱皮した跡です」

「何メートルあるんだ?」

「どうでしょうね」

 

 ロックハートが何かにつまづいて転ぶのが見えた。側にいたロンが呆れた顔をする。ロックハートは何気ない動作で立ち上がり———

 

「おい!」

 

 ロンの手からロンの杖(偽)を奪い取った。

 ロックハートは私達三人に杖を向ける。

 

「さあ、冒険はここまでだ。今から君達の記憶を消す。先生方には、君達は蛇の脱け殻を見て、かわいそうなことに正気を失ってしまったと話せばいいだろう……」

「ジニーはどうするんだ!」

「手遅れだったと言えばいい。さあ、覚悟は出来たかな?」

 

 ロックハートは大袈裟に杖を振りかぶった。

 

「『オブリビエイト———っ!?」

 

 バーンとロンの杖(偽)が逆噴射し、ロックハートは盛大に吹っ飛んだ。ロンの杖(偽)は、呪文の効果が三割増しになるようにしてあったから、ただでさえ強力な忘却術が凄いことになっているだろう。

 私はロックハートの手からロンの杖(偽)をもぎ取って言った。

 

「あれー、ロックハート先生が持っていた杖、偽物ですねー。おやー? この杖、かの『魔法が必ず逆噴射する上に効果が三割増しになる騙し杖』じゃないですかー。ロックハート先生は自殺願望があったんですねー(棒)」

「リズ、さすがに無表情で棒読みはやめないか?」

「笑顔の方が良かったですか?」

「……それも怖いけど」

 

 じゃあ私はどうすればいいんだ。

 

「……僕の杖は?」

 

 恐る恐るロンが尋ねてきたので、私は笑顔でロンの杖(真)を返した。「……なんでリズが僕の杖を持ってるの?」という声が聞こえたが、私は丁重にスルーさせて頂いた。

 ……さて。そろそろ来るかな?

 私は何かを調べるふりをして奥の方へ進む。その瞬間、天井が崩れ落ちた。

 ハリーはこちら側、ロンとロックハートはあちら側。二つを隔てる岩は、そう簡単には崩れない。なぜわかるのかって? 私が細工したからに決まってるじゃないか。

 

 こうして、私とハリーがジニー奪還のため、『秘密の部屋』を進むことになった。

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