ひなたぼっこの研究者   作:たんぽぽ

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『アズカバンの囚人』編。


第3章 アズカバンの囚人
第51話 漏れ鍋


 朝起きたら、まず日刊預言者新聞をチェックする。

 その行動がすっかり定着した頃、大事件が起こった。

 そう、大量殺人鬼シリウス・ブラックが、魔法使いの監獄アズカバンを脱獄したのだ。

 まあ、私はそれが冤罪だと知っているので、私の中での認識は『大量殺人鬼(嘘)シリウス・ブラック』のようになっているのだが。多分、数日前のウィーズリー家がエジプトへ旅行に行ったときの記事に添えられた写真から、指が一本掛けたネズミ(仮)を見つけて脱獄を決意したのだろう。

 その記事を見つけた瞬間、私は家を出て漏れ鍋に泊まることにした。

 

 今年一年で私がやることは、様々な魔法を学び、出来るだけそう遠くはない未来に備えること。だが、原作に関わらないとはいえ、ちゃんと歯車が狂っていないかチェックはするつもりだ。

 例えば、私が存在することによって、向かい側から来た人が避けた先にネズミ(仮)の尻尾があったとしたら、たぶんネズミ(仮)は痛みのあまりにネズミ(仮)からピーター・ペティグリューに戻ってしまうだろう。今のは極端過ぎる例だが、少しずつ色々なことが変わったことにより、ピーター・ペティグリューが変な気を起こしてハリーを殺そうとしたりだとか、そのようなことが起こらないように見守ってはおくべきだろう。

 この世界が原作から外れた道を行くとしたら、その未来は私にはわからない。もしかしたら、その瞬間は悪く思えても、最終的に原作以上のハッピーエンドになるかもしれない。だが、それは私には知りようがないのだ。私は私がよかれと思ったことをする。それだけだ。

 

 漏れ鍋に泊まり、ダイアゴン横丁を探検したり、書店に毎日にように通ったり、宿題をさっさと終わらせたご褒美に特大のチョコチップのアイスを食べたり、ロンドンまで出て美味しいものを食べたりして楽しい毎日を送る。

 来年は、ムーディに化けた過激派死喰い人が一年間一つの屋根(?)の下にいるわけだし、再来年はガマガエル(真)がホグワーツで改革を起こそうとして暴走したりするから、今年のうちにたくさん楽しんでおかないといけない。ホグワーツに行ったらS(スーザン)J(ジャスティン)Z(ザカリアス)と一杯遊んでおこう。そう決意を固めた私は、飲み物でも貰おうかと宿泊部屋を出てパブに下りた。そこで、ここに来た本来の目的を発見する。

 

「あ、ハリー」

「リズ!」

 

 ハリーが駆け寄って来た。あれ、ハリー背が伸びた? もともと私より高かったけど、さらに差がついたような……うん、気のせいだ。きっと気のせい。

 

「で、どうしたんです? 久しぶりに会ったおばさんを膨らませて家にいづらくなったから飛び出して来たとかじゃないですよね?」

「違うよ、リズ。いづらくなったんじゃなくて、いられなくなったんだ。あのままあの家にいたら僕はきっと今頃死んでるよ」

 

 おばさんを膨らませたことは否定しないんだね。ていうか、ハリーは基本的に原作からブレないな。そういう補正でも掛かってるの?

 既に魔法省大臣と会い、ここに宿泊することになったというハリーとチェスでもしようかと、私はハリーを連れて自室に戻った。

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