ひなたぼっこの研究者   作:たんぽぽ

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第57話 クィディッチ③-I

 ハロウィーンが終わった後は、嫌な天気が続いた。

 談話室で宿題をしていると、慌てた様子でセドリックが飛び込んで来た。

 

「クィディッチだ。スリザリンの代わりにグリフィンドールと戦うことになった!」

 

 一瞬で寮内が騒がしくなった。

 飛び交う疑問の声に答えるべく、今年キャプテンとなったセドリックが大きな声を上げる。

 

「スリザリンのシーカーが怪我をしているから、代わりに僕達がグリフィンドールと第一試合で戦うことになったんだ!」

 

 ああ、ヒッポグリフ事件か。そういえばH(ハリー)R(ロン)H(ハーマイオニー)が何か言っていた気がする。

 で、ハリーが箒から落ちる試合だっけか。

 うーん、三巻が一番イベントが少なかったから、記憶も曖昧だ。

 そうだ、『逆転時計(タイムターナー)』を使ってるハーマイオニーは、普通よりお腹が空くはずだから、ちょこちょこつまめるものを差し入れしておこう。この前ハリーにも好評だったし、例の『パイ◯実』擬きがちょうど良いだろう。

 

 考え事をしているうちに、話はまとまったらしい。クィディッチ・チームのメンバー達は、急遽練習することにしたらしく、着替えて箒を担いで出て行った。

 ああ、こっちも差し入れだな、と思いつつ、私は宿題を片付けるのだった。

 

 *

 

 雨の中、クィディッチのコートに向かっているのは私だけでなく、ジャスティンも一緒にいる。いつもならスーザンなのだが、急遽『闇の魔術に対する防衛術』の授業で出された人狼のレポートから手が離せないため、代わりに一緒に来てくれたのだ。

 ザカリアス? もちろんレポートと睨めっこ中だ。

 あのレポート、提出しなくても良くなるんだけどね。頑張れ、スーザン、ザカリアス。

 

 ちょうど練習を中断したチームのメンバーに、ペットボトルとタオルを渡す。全員ずぶ濡れなのだが、それが汗のせいか雨のせいかよくわからない。

 

「この天気で冷たい飲み物はやめた方がよかったですか?」

「いや、暑かったしちょうどいいよ。タオルもありがとう」

 

 念のためセドリックに聞いてみるが、大丈夫そうだ。ペットボトルもキンキンにしているわけでもなく、適度な温度だし。

 

「試合、明日ですよね。大丈夫ですか?」

 

 ジャスティンがセドリックに声を掛けるのを聞いて、

 

「あの、こんな短期間の練習で無茶言うなっていうなら、ドラコ・マルフォイが仮病だって暴いてきますけど」

 

 思わず提案してしまった。

 

「大丈夫だよ」

 

 大丈夫らしい。すごいなこのキャプテンは。

 

「リズ、試合の結果はどうなると思います? いつもの勘で」

「……勝つ、と、思いますけど……」

 

 モヤモヤが残る試合になるんだろうなぁとぼんやり思う。

 守護の呪文、念のため復習しておこう。

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