ひなたぼっこの研究者 作:たんぽぽ
私は見事、氷を思い通りに操ることに成功した。今じゃ氷細工なんて朝飯前である。
フレッジョとの悪事の契約を結んでから一週間、私達は再び図書館に集合していた。
「まず、俺達は完成形の極小版の花火を作ってみた」
「見た目の派手さは俺達が保証する」
「だが、問題点がひとつ」
「俺達が杖を使って魔法を発動しないと、花火は出ない」
交互に報告するフレッジョ。私も自分の研究の成果を報告する。
「私はまず、杖に頼らず魔法を発動させる方法を考えてみました。情報の出所は極秘ですが、理論上は氷の中に魔力を閉じ込められるのではないか、という結論に至り、まずは氷の球体を作成しました。その時の注意点は、氷は出来るだけ硬く、そして純度を限りなく高くすることです」
ローブのポケットから、手のひらサイズの氷の球体をひとつ取り出す。
「これは、『魔力』ではなく『魔法』を閉じ込めた球体です。ルーモスによって生まれた魔法の光が閉じ込められています」
「リズの言う魔力と魔法の違いとは何なんだ?」
「魔法が発動する
「「時?」」
「はい。私はこれに魔法を閉じ込めました。既に発動している光を、氷の中に入れたんです。だから、光は氷から透けて見える。しかし、魔力は
「で、それは出来たのか?」
「いいえ。今図書館中を総力上げて探しているのですが、まだ魔力そのものを操る方法は見つかっていません。ハロウィーン前日まで、およそ三週間。もしかしたら、魔法を閉じ込めたもので決行することになるかもしれません」
「魔法を閉じ込めることのデメリットは?」
「量産に時間が掛かること、そして実際に氷を割ってみて思い通りに魔法が動いてくれるかわからないことです」
「じゃあ、あと二週間で何とかしてみせてくれ」
「一週間で何とかしてみせます」
「さすがリズ。俺達も花火の発動についてもう少し考えてみるよ」
「では、次の集合はどうしましょうか」
「何事もなければ一週間後、またここで。何かあればふくろう便をお互いに送ろう」
「了解しました」
*
そういえば、ハリーがクィディッチの選手になったらしい。
クィディッチの初戦は確か、ハロウィーンの翌日だったか。対戦相手はスリザリン。結果はわかっているが、ハリーの勇姿を見に行ってみようか。
———そうだ、クィレルwithヴォルデモートが試合を妨害するんだったか。そしてスネイプのマントはお亡くなりになる。
ハリポタ原作を読了している私としては、スネイプ先生は尊敬すべき人物だ。愛のために生きる。それが出来る人間は、どれだけいるだろうか。というわけで、クィレルwithヴォルデモートのマントも燃やすことに決定した。スネイプのマント? 残念だが私には救えない。
ちなみに、クィレルwithヴォルさんのターバンの下は、ホグワーツ生全員にとっては永遠の謎となっているようだ。フレッジョが「クィレルがハゲの方に賭けないか?」と言ってきたが、何とも言えない事実であることを知っている私は丁寧にお断りしておいた。だって、あれってハゲに入るの? 確かに髪は無いけどさ。
最終的に、考え事をしながら図書館中を血眼になって本を探している私を見かねて、図書館の司書であるマダム・ピンスが声を掛けてくれ、魔力を操る本は禁止の棚にしかないことが発覚した。