ひなたぼっこの研究者 作:たんぽぽ
「ハグリッド! どうしたの?」
開かれたドアから入って来たのは、
私は静かに立ち上がると、ハグリッドの小屋の棚を漁ってティーバッグを人数分引っ張り出し、紅茶を淹れる。
私がお茶の支度をしている間に、ハグリッドはしゃくり上げながら三人に事情を説明していた。
新学期最初の『魔法生物飼育学』で、今年から教授となったハグリッドはヒッポグリフについての授業を行なった。そこでなんやかんやがあり、注意を受けていたにも関わらずそれを聞き入れなかったドラコ・マルフォイがヒッポグリフによって負傷。ドラコの父ルシウス・マルフォイは『危険生物処理委員会』に訴えた。
その委員会から送られて来た手紙には、ハグリッドには責任がないと認められたが、ヒッポグリフのバックビークは事情聴取を受けることになったのだ。
今朝、原作でのこの一連の流れを思い出した私は、急いで支度をしてハグリッドの元に駆け付けた。
原作では学年末にバックビークは自由の身になるとはいえ、この世界は、私という存在が居る時点で原作とは似て非なる。何かの間違いでバックビークは命を落とすかもしれない。いくらシリウス・ブラックの逃走の役に立つとは言えども、これは放っておける問題ではないのだ。
シリウスには悪いが、これだけは介入させてもらうことにした。
「ハグリッド、ちゃんとした弁護を打ち出さないといけないわ」
「そうだよ、ハグリッド、バックビークが安全だって証明しないと」
「それに関しては私も協力します」
紅茶を運び、今朝焼いてきたアップルパイを出す。
「まずは甘いものを食べて落ち着きましょう。対策を考えるのはそれからです」
*
翌日、ハグリッドの小屋から帰った後にリストアップしておいた、動物による襲撃に関する事件が書かれた本を抱え、私達はグリフィンドールの談話室に入った。
「リズ、グリフィンドールの寮に入っていいの?」
「一年生の時も入ったじゃないですか。それに、今はこちらの方が重要でしょう」
その日は丸一日掛けて、バックビークに有利になる記述を探したが、見つからなかった。
*
クリスマス。
「ハーマイオニーが、
大声で訴えるロンのお腹に本を強く押し付け(本当なら頭を
クリスマス・プレゼントとして匿名で贈られてきた世界最高峰の箒、炎の
ハーマイオニーの心配は無用といえども、彼女の考えた通り贈り主はシリウス・ブラック。ハーマイオニーはハリーの身を心配しているのだから、私がロンに慰めの言葉を掛ける必要は皆無だ。
「ハーマイオニーの心配は最もです。もし、ハリーが箒に乗った瞬間、異変が起きたらどうするつもりなんですか。ファイアボルトに怪しい点が無ければ帰って来るのですから、ハーマイオニーを責めるのはやめるべきです」
それと、と付け加える。
「マダム・ピンスがこちらを見ています。図書室に出入り禁止になりますよ」