ひなたぼっこの研究者 作:たんぽぽ
ハロウィーン前日の二日前。私は寮の自室で魔法in氷を大量生産していた。
既に花火を閉じ込めた球は出来上がり、山積みになっている。今作っているのは、光を閉じ込めた球体。パステルカラーの赤、黄色、青、緑の作成も既に完了しており、今はキラキラした感じの光を球体に閉じ込めている。
どれも完成品だが、最終的な目標から考えるとまだ試作品の段階だ。私達は、今回は『試作品のお披露目会』という目的であることを確認し合った。だから、まだ悪戯グッズに頼るだけではなく、自分の手で魔法を使っても構わないことを。
スーザンが帰ってくる前に、全ての球を『検知不可能拡大呪文』という、対象を『四次元ポケ◯ト』のような物にする呪文を掛けた自分のカバンにしまう。
早く決行日になって欲しい。
*
「今日の天気は晴れ」
「悪戯決行」
「合言葉。山」
「「海」」
なんていう馬鹿なやりとりをフレッジョと交わし、私はいつも通り、スーザン、ジャスティン、ザカリアスと共に夕食の準備が整っている大広間へ向かった。ちなみに、合言葉を『山、海』にしたのは、「山と言ったら川じゃなくて海でしょ!」という私の単純な思考からである。ちなみに②、合言葉は別に必要ない。
夕食は、朝食、昼食と違って、皆ほとんど同じ時間にとるため、全校生徒を対象とした悪戯には最適だ。現に、ほとんどの生徒と先生が揃っている。ミートソースパスタを食べながら、呑気にそろそろかなぁ、と思っていると、悪戯は突然始まった。フレッドが大広間の入り口に現れ、私が用意した球を大広間の真ん中へ投げ込んだのだ。
バーーーーーーーーーーン!!!!!
いきなり、大広間の上空に花火が打ち上げられた。続けて、連続で花火が打ち上がっていく。私はテーブルの下でひとつの球を足で蹴り割った。
この球には、私が作り、学校中に仕掛けた球を割るための呪文が閉じ込められていた。それが割れたので———
パーーーーーーーーーーン!!!!!
学校中の球が割れ、中から光が飛び出し、自由気ままに飛び始めた。ここまでで生徒&先生方は大混乱。そして悪戯はフィニッシュを迎える。
大広間の天井に、ドデカイ『10』が浮かび上がった。それは『9』、『8』と減っていき、『5』になるころには全校生徒がこのカウントダウンを声を揃えて叫んでいた。
「「「4! 3! 2! 1!」」」
ゼロ。
特大の花火が打ち上げられ、七色の光が飛び散り、バックに大きな氷の造形が出来、大きな炎が燃え上がった。この本格的過ぎる悪戯に、生徒達は総立ちになって拍手をする。私? ドヤ顔を隠して特大の拍手を送っている。
これで悪戯完了———ではない。
氷の造形はハロウィーンの日の23時59分59秒にならないと消えない魔法が掛かっているし、もし消失呪文を使われても、更に造形が大きくなるだけだ。学校中を飛び回っている光はクィディッチの試合が終わるまで消えない。これで反応を伺えるだろう。
さて、明日はハロウィーンだ。さりげなくハリーとロン、ハーマイオニーの様子を見守ろう。