ひなたぼっこの研究者   作:たんぽぽ

8 / 60
第8話 ハロウィーン事件

 ハロウィーン当日。私はフレッジョから忍びの地図を借りてきていた。

 以前、偶然廊下ですれ違ったネビルからパクった———借りてきた、グリフィンドールの一年生の時間割表のコピーで確認すると、今日の呪文学の授業は五時間目。六時間目、そして夕食の時間を地下の女子トイレで過ごすことになるのだろう。ちなみにネビルからパクった本物の時間割表は、後日こっそりカバンの中に滑り込ませておいたので問題ないだろう。あ、パクってない。借りたんだった。

 まあ、今朝のうちに地下の女子トイレには『一時間ごとに綺麗になる魔法』を掛けておいたので、きっとハーマイオニーも快適に使えるだろう。このためだけにこの魔法を開発した私は、徹夜のせいで超眠い。

 

 六時間目が終わり、夕食前なう。私はS(スーザン)J(ジャスティン)Z(ザカリアス)に「忘れ物したから先に大広間に行ってて」と告げ、地下へ向かった。ちゃんとH(ハリー)R(ロン)H(ハーマイオニー)がトイレでvsトロールを繰り広げるか確認するためである。

 女子トイレの前の石像の陰に隠れてしばらくすると、クィレルwithヴォルさんがトロールを連れてやってきた。そしてトロールを野放しにすると、さっさとどこかへ消えて行った。忙しそうだ。

 クィレルwithヴォルさんが消えてから約十分後。ずっとブヒブヒ言いながら辺りをさまよっていたトロールが女子トイレに足を踏み入れ、同時にハリーとロンが姿を現した。

 

「トロールだ! 女子トイレに閉じ込めよう!」

 

 君達の目的はハーマイオニーの捜索だろう。何トロール閉じ込めようとしてるんだ。

 そうツッコミたくなった私は、念のため手で口を押さえつつ、様子を伺う。

 

「きゃああああああああああ!!!」

 

 ハーマイオニーの悲鳴が聞こえた。ハリーとロンが顔を見合わせ、女子トイレのドアに飛び付く。そして、原作通りに戦い始めた。

 ハリーが投げたパイプを、偶然トロールが掴む。それを、トロールは邪魔に思ったのか『ポイ』し———ロンの背中に激突した。

 

 もう一度言おう。パイプが、ロンの、背中に、激突した。

 

 ええええええええええ!!! 原作と違う!! 何それ!! 何その展開!? ロンってトロール退治の重大な役目担ってんじゃん

!! 気絶しちゃったよハリー大ピーンチ!!!

 そんなわけで、私は後先考えずに女子トイレに飛び込んだ。

 

「『アクシオ、ロン』!」

 

 トロールに踏み潰されたら大変なので、気絶しているロンを呼び寄せ呪文で回収。そして、私は最近使いまくったせいで精度が上がりまくっている呪文を唱えた。

 

「『グレイシアス』!」

 

 杖先から水色の閃光が飛び出し、まずトロールの足を凍らせた。そして、氷の面積はどんどん広がっていき、三十秒後には巨大トロールの氷の像が出来上がっていた。ちなみに、トロールを閉じ込めている氷は、硬度MAX・厚さ三十センチ・純度MAXというものである。硬度と厚さは良いが、純度よ、お前はいらん。

 急に入った助けに唖然としているHコンビ(ハリーとハーマイオニー)は放っておき、私はロンの様子を確かめた。怪我はなく、気絶しているだけ。え、痣もないの? どんだけタフなの?

 念のため治癒呪文を掛けておき、パイプから漏れている水を凍らせることによってせき止めた私が立ち去ろうとした瞬間、数人の足跡が聞こえた。

 あ、詰んだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。