ひなたぼっこの研究者   作:たんぽぽ

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第9話 新たな友達

「一体、これはどういうことなんですか」

 

 シーンと静まり返った女子トイレに、マクゴナガル先生の怒りで震えた声が響く。

 ハリーが何やら言おうと口を開いたが、その前にハーマイオニーが言った。

 

「私のせいなんです、先生。私、トロールの退治の仕方を本で読んだことがあったので、退治出来ると思って来たんです。そしたら、私がいないことに気が付いたハリーとロンが助けに来てくれました。ロンがパイプに背中をぶつけて気絶した後、そこの女の子がトイレに飛び込んで来て、トロールを凍らせてくれました。そして、ロンの怪我を魔法で治してくれたんです。三人がいなければ、私、今頃死んでました」

 

 いや、もともと怪我してなかったから、念のために治癒呪文を掛けただけだよ? 治したわけじゃないからね?

 

「あなたの言い分はわかりました、ミス・グレンジャー。何故、ポッターとウィーズリーがここにいるのかも。では、ミス・フォーリー、何故あなたはここにいるのです?」

 

 H・R・Hを見張ってたからです、先生! ———などと言うわけにもいかず、私はもともと用意してあった言い訳を口にした。

 

「私は、夕食の前に、魔法薬学の教室に忘れ物をしたことに気が付いたんです。それで、みんなには先に行っててもらって、取りに戻ろうとしました。途中で悲鳴や轟音が聞こえて、気になって来てみたらトロールがいて。後は既に説明された通りです」

「ミス・フォーリーの忘れ物なら、我輩がちょうど届けに行こうとしていたところです。彼女の言っていることに嘘はないでしょう」

 

 と、手負いのスネイプ先生が私の羽ペンを差し出しながら言った。私は礼を言いながらそれを受け取る。嘘つきまくってるけどね! わざと羽ペン置いて来たけどね!

 

「ミス・グレンジャー、あなたには失望しました。ポッターとウィーズリーも、教師に相談するという手があったでしょうに。しかし、トロールと対峙し、生き延びていることは奇跡です。その奇跡に対し、一人五点与えましょう。———そして」

 

 え、まだ続きがあるの?

 

「トロールを封じ込めた技術に対し、ミス・フォーリーには十五点与えます」

 

 マジか。それは嬉しい誤算だ。

 

「ポッター、ミス・グレンジャーはウィーズリーを医務室へ連れて行きなさい。ミス・フォーリーは寮へ戻ると良いでしょう。きっとパーティの続きをやっているでしょうから」

 

 そう言い残し、教師群は去っていった。

 

「あの、フォーリーさん」

「な、何でしょう? グレンジャーさん」

 

 唐突にハーマイオニーが声を掛けてきた。

 

「あの、私、ハーマイオニー・グレンジャー。こちらはハリー・ポッターとロン・ウィーズリー。みんなグリフィンドールよ。今日は助けていただいてありがとう」

「いえ。困ったときはお互い様ですから」

「どうしてロンの名前を知っていたの?」

 

 ああ、呼び寄せ呪文を使ったときのことか。

 

「『ロン』と呼ばれているのを聞いたことがありましたから。フルネームは知りませんでした」

「えーと……君の名前は?」

 

 いつの間にか起き出してきたロンが尋ねてくる。

 

「リズ・フォーリー。ハッフルパフの一年生です」

「よろしく、リズ。僕達のこともファーストネームで呼んでくれて構わないよ」

「こちらこそ、ハリー。ですが、その前にロンは、ハーマイオニーに言うことがあるのでは?」

「どうしてそれを?」

 

 驚く三人に向けて、ウインクをひとつ。

 

「秘密です」

 

 そして、女子トイレを後にした。

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