ダンジョンに子ギルがいるのは間違っているだろうか 作:てゐ13号
何も考えずにニコニコ動画見ながら書いてます。変なところが多々あると思いますがどうぞ気楽に読んでってください。
それと主人公は前回くじ引きで1%のあたりを当てていましたが、現実ではそう簡単には当たりません。FGOとかいうゲームをやればよくわかります。この前200日ボーナスで石貰えたんで「ここらでいっちょ初星5当てて一花咲かせてやりませう!」って意気込んで引いてみたらド畜生
目の前を鎧を着た男達が、ローブと杖を携えたエルフの女性を引き連れて歩いていく。その後姿を見送りながら、俺ははたと目をぱちくりさせてあたりを見渡した。
「…ここ…は…?」
そこは大通りだった。剣士、魔術師、弓を背に背負った者や商人といった感じの風貌の男。小学生程の体躯の少女がジョッキを傾けて酒を飲んでいる。
喧騒がどっと耳に飛び込んでくる。
「…なるほど、もう異世界、という訳か」
それにしてもあのバカ野郎、何を思ってあんな奇行に走ったのか。アッパーをかましてからの記憶が無い事を思うに、完全な嫌がらせだった。あいつ今度会った時はあのイケメンフェイスがゲシュタルト崩壊を起こしてモザイクかけてないのにモザイクかけてるかのような顔になるまでボコボコにしてやる。
まあ、死なないと会えないのだから、数十年後の話か。そう簡単に死ぬつもりは無いしな。
「…小さい」
俺は自分の手を見て、愕然とつぶやいた。うん、小さい。しかも細い。肌も白い。鏡が無いからわからないが、きっとそこには絶世の美少年の姿があるのだろう。
服装は白いガーディガンの下に紫色のシャツ、そして膝下までの迷彩模様の短パン。FGOの子ギルとまったく同じ格好だった。コスプレした気分だ。
別に自分の容姿にこだわった事はないが、前世の慣れ親しんだ身体をもう見る事が出来ないと思うとしんみりとしてしまう。死んでしまったのだから仕方がないとは思うが、それで割り切る事が出来ないのが人間という存在だろう。
「はあ…」
「おいおい、店横でため息だなんて。やめておくれよ、少年君」
「は?」
真横から若い少女の声が降ってきた。少年君というのが自分を指して言っている事を確認するまで一拍費やして、俺は声の主に目をやった。
「やあ」
「…こんにちは」
そこには少女がいた。黒い艶やかな髪をツインテールでまとめた、背丈の小さな少女だ。しかしその背丈には似つかわしくない程豊満な胸がどたぷんと膨れ上がっていて、謎の紐がそれをさらに強調している。
どうやら店番をしているようだ。見るに看板娘といったところか。
「そんなところでどうしたんだい?じゃが丸くんを買いに来たって感じでもないだろうし」
「いえ、そんな気にかけていただくような事では…」
俺は思わず口を押えた。
今のは俺的には『いや、気にしないでいいっすよ』といったつもりだったのだが…どうやら口調が身体に引きずられているようだ。あのクソ神め、こんな事一言も説明しなかったじゃないか。
「ん?なんだい?」
「いえ、なんでも…ところで、ここはどこなんでしょう?実はここに来たばかりで、地理がよくわからないのですが」
よくわからないじゃなく、全くわからないの間違いだろう。
「ああ、そうなのかい。地方の村から来たのかい?その、ここには何をしに?」
「地方…そうですね、ここから遠い所から来たんです。それと、その…言いにくいのですが、実は何をすればいいのかわからなくて…」
「分からない?どういう意味だい?」
俺は困ったという色を顔ににじませた。
「ここにたどり着いたまではいいのですが、身寄りも無ければ当てもないという感じでして。それに、ここがどういう場所なのかもわからないんです」
「…何か事情があるのかい?」
訝し気に尋ねてくるその女性。こういう時どういえばいいのだろうか…うーん…あ、そうだ。
「どこかで頭でも打ったのかなぁ。記憶がおぼろげで、ここまでくるまでの記憶がないんです」
必殺、記憶喪失!アッパーかました後からここに来るまでの記憶が無いのは確かだし、嘘は言っていない。これぞ完全犯罪と言わずなんと言おう。
「なるほど…嘘は言っていないんだね。僕に出来る事があればいいんだけど…」
「じゃあ、色々と教えて欲しいことがあるんですけど…今お時間とか大丈夫ですか?」
「ああ、もちろん!休憩時間はまだあるしね!困ってる下界の子を助けるのも神としての務めさ!」
んん?
今ちょっと聞き逃せない単語が聞こえた気がした。あのイケメン面がサムズアップしながら頭によぎった。いや、あいつはもうここにはいないはずだ。頭をぶんぶん振って悪霊退散する。『悪霊じゃないよ!神様だよ!』と聞こえた気がしたけど、あえてスルーする。
「あの…今なんておっしゃいましたか?」
「ん?ああ、自己紹介がまだだったね!僕はヘスティア。神ヘスティアさ!」
はあ?おいおい、待て、何がどうなってる。今度こそあのイケメン面が今度は白い歯を輝かせながら思考をジャックしたのを感じた。
「あの、宗教の方か何かでしたか?」
「ええ!?いやいや、そういうのじゃないよ!?僕は本当に神様なのさ!あれ、ちょ、なんで少しずつ距離を取っているんだい?ねえ、待ってよ!ちょっと!」
「いえ、初対面の女性の方に対して、ちょっと距離が近すぎたかなと思いなおしただけですよ」
「絶対他に思う事があっての行動だよね…?」
それにしても、自分を神様だと宣う少女の様子は、自分の事を本当に神だと信じて疑っていない様子だ。もしかしてこの世界は、本当に神様がそこら辺にいて、その辺でバイトしてたりするような世界なのだろうか。
いや、もしかしたらこの少女が自分の事を神様だと信じ切っている痛い子なだけかもしれない。今は深く考えずに、情報を収集することにだけ集中しよう。
「それでは、色々と聞きたいんですけど…」
そうして俺はそれからしばらく自称神様の少女、ヘスティアに話を聞いた。
ヘスティアの話をまとめるに、この街は『迷宮都市オラリオ』という場所らしい。世界で唯一
しかし、魔物からとれる魔石は結構便利なモノらしく、さらにダンジョンには危険もあるがその分様々な利益があるので、ダンジョンを攻略する事に特化した職業があるらしい。
その職業の名が冒険者。冒険者は下界に降りてきた超越存在ーー神の作ったコミュニティ、『ファミリア』に入り、神に様々な恩恵を与えてもらいながらダンジョンに挑んでいるらしい。
それにしても、神、ねえ。
神はその名の通り、そのまんまの意味での神である。天界での退屈な日々に嫌気がさして、刺激を欲して下界に降りて人間たちと共に過ごす事を選ぶ神たちが無数にいるらしく、そういった神はファミリアを作ってダンジョンに挑むだけでなく、店を構えたりといった事もするらしい。
「なるほど…」
この世界の事についての大まかな情報は…まあ、理解はできた。要は神々の遊び場。遊技場という感じか。それにしては目の前で得意げに説明をするヘスティアの様にバイトをしないと食っていけない貧乏神もいるらしいので一概には言えないようだが。
「それで、君はこれからどうするんだい?」
「僕ですか?そうですね…やはり食べていくにはお金が必要ですから、何か手に職をつけて…」
「ほう?で、当てはあるのかい?」
「…」
俺はヘスティアの顔を見た。ヘスティアは目をキラキラさせて、俺の手を握ってもう一度。
「で、当ては?」
「…ないですけど」
「うんうん、だよね!そうだよね!よし、じゃあ僕のところにくるといいよ!確かに零細ファミリアだけど、でもこれからどんどん大きくなっていく予定さ!それに君が入ってくれればベルk…うちの子もきっと喜んでくれると思うんだ!」
興奮気味で俺の手をつかんで離さないヘスティア。
うーん…まあ、確かに当ても身寄りもないのは事実だしなぁ…。ここで断る理由がむしろ皆無というか。でも、このヘスティアの反応を見ると、ちょっと不安がよぎる事も無きにしも非ず…。
「…」
「うっ」
キラキラした瞳で見られると弱い。美少女に頭が上がらないのは男の性だろう。
「分かりました。では、僕をヘスティア様のファミリアに入れてください」
俺がちょっと迷う素振りの後そういったのを見て、不安そうにこちらを見ていたヘスティアの目が輝いた。
「ほ、本当かい!?やった、やったよベル君!やっと
「ふ、二人目ですか?」
思った以上に零細。
「うん!君で二人目さ!あ、そういえば今からバイトがあったんだった!えっと、君、名前はなんだっけ!?」
「え…っと、ギルです。ギル・メッシュ…?です」
「じゃ、じゃあギル君!今日はバイトは休んでくるから、ここで待ってておくれよ!すぐに戻ってくるから、ああ!?」
わたわたと背中を向けて走り出したヘスティアが足元につまずいてこけた。健気にすぐに立ち上がって、照れたようにこちらに笑顔を向けるとすぐに出店の中のおじさんに何やら話しかけた。
凄い嬉しそうなヘスティアの顔に強く出れないでいる様子のおじさん。うん、まあ、分かるよ、その気持ち。
「よし、休みを貰ってきたよギル君!早速僕らのホームへ行こうか!」
「は、はい」
腕を引っ張ってくるヘスティアを見ながら、俺はまあこの分だとどうにかなるだろうと黙ってヘスティアについていくことにした。
ちなみに主人公の名前はギルガメッシュをもじってギル・メッシュ君に決定しました。まあ中身別人だし、区別つけたかったから名前も変えちゃえ、みたいな?