思い立ったら吉日というからね、仕方ないね。頑張ります。
ちなみに中の人はステンノ様とMr.ゴールデンと沖田さんとアルトリア・オルタがお気に入りです。
FGOは好きなキャラが多すぎてまとめられない。
序章
地響きと共に揺れる大空洞の中で佇む俺の手には、天の杯が握られていた。
聖杯戦争と呼ばれる魔術師達の殺し合いの果てに得られる、あらゆる願いを叶えてくれる願望機が俺の手の中にある。
それは華美な装飾が彩れたものではなく、ただ金色に輝くシンプルなデザインだった。
だが、それゆえに感じる神々しさ、美しさ、神秘性というものがある。これは聖杯なのだ。当たり前と言えば、当たり前だろう。
俺はそれを、虚空へと掲げる。願いが叶うと言うならば、それを口にしなければならないのだから。
時間はない。
大空洞――否、この歪んだ時代そのものが軋んでいる現象が、地震となっているのだから。
ならば、その前に願わなければならない。今しか、それを叶えて貰えるタイミングがないのだ。
「やめなさいルーク! ルーク・レイナード! やめて、やめてよ!! なんでそんなことをするの!?」
俺を名を呼び、オルガマリー所長が懇願を込めて叫んだ。
目の前で希望を喰らい尽くされ、絶望に打ちひしがれたような顔だ。
俺は能面のような無表情さで、そちらを見やる。
すると、今にもこちらへと襲い掛かりそうな彼女を羽交い締めにした藤丸君、そして彼を守ろうと盾を構えたマシュちゃんの戸惑う視線が俺へと注がれていた。
「今まで道具扱いして来たことは謝るから! あなたにこれまでしてきたことも、全部謝るから! お願い、お願いよ、ルーク……! 私、死にたくない。死にたくなんて、ない……!」
『やめるんだルーク! 君のその行為は無意味なんだ! 後に残るのは遺恨だけだぞ!』
やがて大粒の涙を垂れ流し、真っ青になるオルガマリー所長が命乞いを始めた。
続けて、通信回線からDr.ロマンの説得が聞こえてくる。
その間にも崩壊は進み、この場に居る全ての存在が淡い光に包まれ始める。
この“特異点F”の崩壊に巻き込まれれば、命はない。それを防ぐ為に、レイシフトを始めたのだろう。
――無意味じゃないんだ、Dr.ロマン。だからこそ聖杯が必要なのだ。何の為にレフ教授の手からコレを奪ったと思っている。
「ああ、それでも俺は告げる。……聖杯よ、我が願いを聞き届け、叶え給え」
俺の発した言葉に、俺を見ている全ての存在が叫び声を挙げた。
オルガマリーは絶叫して死にたくないと泣く。
藤丸君とDr.ロマンがやめろと静止を口にして、マシュちゃんが盾を構えた状態で突進を始める。
が、もう遅い。
「――」
俺は願いを口にした。
それと同時に聖杯が煌き願いを叶える。
この特異点の崩壊から脱出する、直前の出来事だった。