唐突に書きたくなったので書いたワンダーランドウォーズの小説です
公式設定とオリ設定を混ぜてるので苦手な方は注意してください
なお、続きません!!(この先思いつかない

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マッチ売りの少女(WLW)

とある本のとある物語…

 

年中気温が低い欧州のある地域…王立魔法学院がある大きな街から、物語は始まる…

時は夕刻。天気は晴れていたのか、暖かく輝く西日に照らされ、地面の雪が光り輝く。そんな中を学院から出てきた4人の少女が歩いていた。

その中で、ひときわ元気で鮮やかな緑の服を着た金髪碧眼の少女が話を始めた。

 

リン「ん~今日も絶好調なのですわ~♪」

 

彼女の名前はリン・ホスホリック・ルミネサンス・オブ・イグネイシャス・ルース=チャンドラー…学院の優等生にして、『原始の炎』を受け継ぐ一族の魔女として、さらには両親が王立魔法学院に多大な出資をしてるとして、この街では知らない人がいないほどの有名人である。

今日のテスト結果が満足できるものだったのか、彼女は上機嫌に体を揺らしながら3人に振り返り話しかけた。それに最初に答えたのは瓜二つの容姿をした二人の少女だった。

 

フリント「またリンちゃんが一番か~

私達も今日は頑張ったのにね~…」

 

ロック「ちょっと悔しいよね~

2人で寝ずに練習したのに…」

 

彼女達の名はフリントとロック…同じく王立魔法学院の生徒にして、リンに次ぐ成績を誇る魔女である。

リンの親しい友人にして、何時も成績を競い合うライバルでもある。もっとも、今までの成績はリンの全戦全勝なのだが…

まったく同じ落ち込み方をする二人に、リンは笑顔を浮かべたまま話続ける。

 

リン「まだまだ、あの程度では私には勝てませんわよ~」

 

フリント「やっぱり才能の差ってあるのかな~…あんなに炎をうまく使えるなんて、私達には無理だよ~」

 

リン「才能もありますけど、一番はやっぱり努力!なのですわ~」

 

ロック「才能は認めるんだ…そういえば、リンちゃんのお母さんもすごい魔術師何だっけ?」

 

リン「そうですわ~私よりも大きくて、でっかい炎をばんばん使えるのですわよ~」

 

フリント「リンちゃん以上かぁ…流石国一の魔女って言われるだけあるなぁ…って、ちょっとグレイト聞いてる?」

 

グレイト「ふぇ~ひゃんとひいてるよ~」

 

ふと、彼女たち3人は一番後ろを歩いていた一人の少女に視線を向ける。

眠たげな声で返事をした少女の名はグレイト。優等生である3人とは違い、何時も落第ギリギリの点数で試験を合格して、周りからは劣等生と呼ばれている少女である。

今日会ったテストも例外ではなく…

 

フリント「もうちょっとで落第だったのに、何でそんなのんびりしてられるかな~?」

 

グレイト「ひゃいじょうぶだよ~おちたりしないから~♪」

 

ロック「たしかに今まで落ちてはないけどさ~」

 

リン「まぁまぁ、いざという時はお父様にお願いして、落第になら無いようにしてもらうのですわ~」

 

フリント&ロック「「そ、それは先生がこまっちゃうよ…(汗」」

 

リン「そうですかね~…?」

 

グレイト「えへへ~…」

 

4人の少女たち…身分は違えど、心から友と言える彼女たちは、徐々にそれぞれの家に別れ、帰路についていく。

そして、最後に1人となったリンは1人、この街の中でもひときわ大きな屋敷に入って行く。

すでに日は沈み空は漆黒に包まれているが、屋敷の中は昼間のように明るい。

彼女の一族の繁栄を表す『火』

それが屋敷の中でも煌々と輝いているからだ。

 

リン「お父様お母様~ただいまリンが帰りましたわ~♪」

 

彼女は屋敷の中に入ると、すぐにどたばたと走り出し両親がいるであろう一室に飛び入った。

今日の試験の結果を教えたらまたほめてくれる。そしたら、私も両親もうれしい。そんな子供心をもって…だが。

 

リン「…あら?二人ともお出かけですか…?」

 

部屋に飛び入ったリンが目にしたのは、人の気配がないただの両親の部屋だった。

折角ほめてもらえると思ったリンは少し不貞腐れた顔をするが、両親の仕事の事を考えると仕方ないとすぐに納得した。

 

リンの父は王に仕えている騎士であり、時折仕事で王に呼び出されることもある身分である。

リンの母も偉大な『原初の炎』を受け継ぐ魔女として父とともに王に仕えている。

わがままな彼女がすぐ納得したのも、、こうやって家に帰ったら2人がいない事はリンにとっては良くあることだったからだ。

 

リン「仕方ないのですわ~…先にシェフさんにご飯作ってもらいましょう♪」

 

彼女は気を取り直すと、屋敷にあるキッチンを除きに行くことに決めた。

家に帰れば美味しいごはんがある。それは彼女にとって当たり前の事なのである…だが、その前に彼女はある気配に後ろ髪を引かれ歩みを止めた。

 

リン「っ…?…なんなのですか…?」

 

僅かな気配…おそらく、フリントやロックでは気づけなかったであろうわずかな炎の気配。だが、母の偉大なる才能を受け継いだ彼女は気づいた。いや、気づいてしまったというべきか…

リンはわずかに部屋に漂うその気配が気になり部屋の中を探り始めた。

今まで両親の部屋に入ったときには感じたことが無かったその気配に、彼女の好奇心が刺激されたのだ。

そして、リンはすぐにその気配の源に気づいた。

 

リン「…この箱ですわね。

いったい何が入ってるのかしら…♪」

 

リンが見つけたのは、小さな木箱だった。

部屋の中のきらびやかな家具や飾りにはとても似合わない、小さな小汚い木箱。リンは自分からあふれ出る好奇心を抑えきれずに、思わず箱を開けてしまう。

そこにあったのは…

 

リン「…あら?魔宝石なのですわ」

 

小箱の中身は、真紅の宝石であった。

炎の様に赤い宝石をリンはその小さな手で掴みとると、覗き込むようにその宝石を凝視する。

 

リン「…やっぱり、これは私のと同じ炎の魔宝石なのですわ。けど、赤い炎の魔宝石なんて初めて見ましたわ~」

 

魔宝石。様々な魔法の触媒となる宝石で、雷が落ちた場所、深海の底、火山の近くなど様々な場所で自然に魔法が凝縮された宝石の事である。

リンが見つけた赤い宝石も、そのたぐいのものなのだが…彼女は初めて見るその宝石の色に、首をかしげて不思議がっていた。

 

リン「私やお母様や学園の皆が使う炎の宝石は緑なのに…

…えいっ!…だ、ダメなのですわ~?!」

 

赤い宝石を手にあたふたとする少女。どうやら、同じ炎の魔宝石なら使えるのではないかと思ったようだが、思ったように魔宝石の力を引き出せないようだ。

 

リン「何なのですかこれは…色もおかしいですし、不良品じゃ…あら?」

 

そこで、リンはまた気づく。この魔宝石から一つの線が漂っていることに。

さっきの気配と同じ、何かとこの魔宝石が繋がっていると感じたのだ。

 

リン「…もしかして、お母様と繋がっているのですか?

それとも、これの持ち主?」

 

『原初の炎』を受け継ぐ自分でも使えない謎の魔宝石に、それと繋がる謎の気配。

それが何か?もしくは誰なのか?彼女の好奇心はむくむくと膨れ上げってきた…

 

リン「…気になるのですわ…今ならお母様達もいないし…♪」

 

思い立ったが吉日、その日以降はすべて凶日とはよく言ったものだ。

リンは自分の魔法の触媒である緑の魔宝石が付いた燭台を手に持つと、使用人達の目を盗み屋敷を飛び出した。幸か不幸か、両親がいないこの屋敷でリンが屋敷を飛び出た事にすぐに気づける者はいなかった。

昼間の天気と違い、徐々に曇りだした余空の下…リンは1人赤い宝石と燭台を持ち街を出て行く。赤き宝石が指し示す道を…

 

グレイト「…あれって、リンかなぁ…?」

 

 

 

 

 

 

同じ日の同じ時間…街から少し離れた村のある家。

リンの屋敷と違い、木でできた小さな小屋のような家の中で1つの灯火が小さな手の中で赤く輝いていた。

 

ミクサ「……来たね…」

 

真っ赤な髪をして、ところどころつぎはぎとなった服を着た少女。彼女の名前はミクサ。

村の中では忌み嫌われる赤い炎を使う魔女である。

彼女は自分の手のひらの火をふっと消すと、リンと似た燭台…だが、リンとは違い魔宝石がはめられていない燭台を手にすると、ゆっくりと家の扉を開けた。

この村には良い思い出何て無い。家族そろって忌み嫌われ、父にも愛されず捨てられ…唯一愛してくれたお婆ちゃんもいなくなった村。

けど…小さなころから、お婆ちゃんに聞かされていたお話し…何時か、この村は凍てつく運命にあるというお話…

ミクサは、何時も忌み嫌ってくる村の人たちのために、1人立ち上がった。

 

 

 

…あいつが…来たんだ…

 

 

 

ミクサ「………」

 

家を出ると、そこはすでに猛吹雪となっていた。

数日前から徐々に強くなってきたこの吹雪、そしてミクサが受け継いだ『原初の炎』の感覚…彼女はすでに確信していた。

『雪の女王』が目覚めていると…

彼女は魔宝石が無い燭台に火を灯すと、人知れず村の外に出た…

 

 

 

吹雪の夜、『原初の炎』を持つ二人の少女が出会うとき…また、別の物語が始まる…



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