モリスはボロボロの状態で部屋で休んでいる。何故そんな事になっているのか。ラクスとの事をマリューとナタルに根掘り葉掘り聞かれた為である。そして、巻き添えを喰らったムウから秘蔵の酒を一本持っていかれた事も少し混ざっていたりする。
モリス「さて…そろそろあれもこっちに近づいてる筈だけど」
端末を開き、アークエンジェルのレーダーから認知されないかなり遠くに、赤く点滅してるのがあった。
モリス「ハルバートンのおっさんの艦隊の先遣隊がこっちに向かってるみたいだな。で、その艦にフレイの父親であるジョージ・アルスターも一緒と来たか」
少し考えると、モリスは起き上がり何処かに連絡を入れていた。連絡が終わったと同時に、艦内に警報が鳴り響く。
トノムラ『総員、第一戦闘配備!繰り返す!総員、第一戦闘配備!!』
モリス「マジかよ!嫌な予感がする!!」
モリスは急いでブリッジに向かった。ブリッジに到着すると、既に戦闘は行われておりストライクも出撃していた。
モリス「おいおい、先遣隊は無事なのか?」
マリュー「分かりません。ですが、今更反転しても逃げ切れる保証はありません」
ナタル「バリアント!一番二番、撃て~!!」
アークエンジェルも攻撃に参加する。
モリス(マズいぞ…これじゃあこっちは助かっても先遣隊は落される。間に合うか…)
そんな事を考えながらモリスは、マリューのフォローをする。
「敵ミサイル来ます!」
マリュー「!!」
モリス「ヘルダート撃て!!」
マリューより素早く指示を出すモリス。
モリス「戦場では、一瞬の判断が命取りだ!教えただろ!!艦長は誰よりも早く指示を出さなきゃ沈むぞ!!」
マリュー「す、すみません」
謝るマリューの頭をポンと撫でる。
モリス「俺の指示を見て、しっかりと自分の物にしろ」
マリュー「はい!!」
すると、フレイがブリッジに入って来た。
サイ「フレイ」
フレイ「パパ…パパの艦は?」
マリュー「今は戦闘中よ!」
モリス「サイ、君はフレイと一緒にいてやれ」
サイ「ですが」
モリス「その方が彼女も落ち着くだろう」
サイ「…分かりました」
そう言い、サイとフレイはブリッジを出て行った。
ナタル「ローエングリン、発射準備!ストライクは!!」
再び戦闘に集中する。するとムウから通信が入る。
ムウ『艦長!駄目だ!!離脱しなきゃこっちまでやられるぞ!』
マリュー「しかし…」
モリス「ムウの言う通りだ。お前はこの艦の艦長であり、乗組員の命を最優先にしなきゃならない。離脱しろ」
判断に迷うマリュー。すると、フレイが再びブリッジにやって来た。ラクスを連れて。
フレイ「この子を殺すわ!パパの船を撃ったらこの子を殺すって、あいつらに言って!!」
モリス「バカな事を!!」
すると、モリスの端末に通信が入った。
モリス「来たか!」
「ナスカ級、高エネルギー反応!!」
マリュー「!!」
敵艦が、最後になった先遣隊の艦を狙っている。
モリス「貸してくれ!」
モリスは通信用のヘッドホンを取る。
モリス「威嚇射撃でいい!片方だけ発射しろ!!」
ナタル「モリス大佐!?」
モリス「ああ。外すなよ…デュアル・クロノ・ブレイク・キャノン…発射~!!」
「ナスカ級、攻撃来ます!!」
敵の艦が攻撃をした。それと同時に、その攻撃を弾くように上から物凄いレーザー砲が降って来た。
『!!?』
その攻撃に、敵も味方も驚きを隠せなかった。
ナタル「…はっ!」
いち早く正気に戻ったナタルが、驚きの行動に出た。
ナタル「ザフト軍に告ぐ!こちらは地球連合軍所属艦アークエンジェル!当艦は現在、プラント最高評議会議長シーゲル・クラインの令嬢、ラクス・クライン保護している!」
マリュー「バジルール少尉!?」
モリス「バカ野郎…」
ナタルの行動に、モリスやマリューは驚いていた。
ナタル「偶発的に救命ポッドを発見し、人道的立場から保護したものであるが、以降当艦に攻撃が加えられた場合、それはラクス・クライン嬢に対する責任放棄と判断し、こちらは自由意思でこの件を処理する事をお伝えする!!」
そしてナタルは通信を終わらせた。
モリス「……」
マリュー「……」
ナタル「ストライクとアークエンジェルをここで沈める訳にはいきません!」
モリス「だから、俺の艦をわざわざ呼び出したんだよ!!」
モリスの怒鳴り声が、ブリッジに響き渡ったのであった。相手は一旦距離多い手離れて行った。残った第八艦隊の先遣隊から通信が入る。
『無事か?ラミアス艦長』
マリュー「はい。そちらもご無事で」
『いや、そうでもない。ジョージ・アルスター事務次官が深い傷を負ってしまってな。もう長くはない』
マリュー「そう…ですか」
その言葉を聞いて、マリューはそう答える事しかできなかった。
モリス「今、事務次官は?」
『モリス大佐…今は、ウチの医療室で治療中ですが、もって一時間ですな』
モリス「…なら、俺の艦に移動させろ」
『!?』
その言葉に、マリュー達は驚く。
モリス「はっきり言って、俺の最新医療でも傷を治すのは難しいだろ。だが、少しくらいは寿命を延ばせることは出来る。それに、父親の最後くらい見届けさせてやりたいからな」
マリュー「モリス大佐…」
『…分かりました。では至急移動の準備に取り掛かります』
モリス「宜しく頼む」
そして通信は終了した。
モリス「ラミアス艦長。フレイを俺の艦に連れて行く。後、ラクスもこちらで預かる」
マリュー「…分かりました」
ナタル「艦長!!」
モリス「感謝する」
そしてモリスはブリッジを出て行った。
ナタル「いいのですか!ラクス嬢がいなくなれば、またすぐに敵が…」
マリュー「バジルール少尉。だからモリス大佐は、ご自分の艦をこちらに来させたのよ。私達を護衛してくれるために」
ナタル「……」
その言葉に、ナタルは何も言えなくなってしまった。通路では、モリスがフレイの場所にやって来た。
モリス「フレイ・アルスターはいるか?」
サイ「モリスさん?」
ミリアリア「彼女なら…」
見ると、父がやられたショックでその場から動えないでいた。
モリス「単刀直入に言うが、ジョージ事務次官はもう長くはない」
『!?』
その言葉に、食堂にいたフレイ達は驚いた。
フレイ「パパは…もう長くないの?」
モリス「残念だがな。今、第八艦隊の艦から俺の艦に移動させるとこだ。俺の所だと、完全に治すことはできないが、少しくらい延命する事は出来る。唯一の肉親だろ?最後くらい2人で話をしろ」
フレイ「……」
モリスの言葉に、フレイは何も言わない。
モリス「今ここで決めろ。俺と一緒に来て親父さんの最期を看取るか。それともそこで泣いたまま別れるか」
サイ「もう少し言葉を…」
そこまで言うサイだが、モリスに睨まれ黙る。
モリス「そんなのんびりしてられないんだよ!こうしてる間にも、お前の親父さんの命は刻々と削られてんだよ!!」
フレイ「!!」
その言葉に、フレイは顔を挙げた。
フレイ「…連れて行ってください。パパの…パパの最後は私が看取ります!!」
モリス「…分かった。それじゃあ行くぞ」
そして2人は食堂を出て行った。途中でラクスとキラと会い、2人も一緒に連れて行くことにした。フレイは、やはり色々とあるようで2人と顔を合わせなかった。ルクシオールに到着し、ジョージ事務事案を受け入れ医療室に連れて行く。
「それじゃあ、後は頼むな」
『オ任セ下サイ、モリス艦長』
フレイを医務室に残し、残った三人はブリッジにやって来た。
キラ「うわぁ…」
ラクス「これは素晴らしいですわ」
モリス「だろ?俺自慢の艦だからな。ま、殆ど一人で動かしてるからAIに頼りっきりだがな」
キラ「そうなんですか?」
モリスの言葉にキラが聞く。
モリス「そりゃそうだ。この艦には俺達以外人間はいない。全部AIが補ってくれてる」
『私達は、いつでも艦長のお力になります!!』
モリス「ああ、十分頼りにさせてもらってるよ」
突然話し出したAIに、少し驚くキラとラクス。
モリス「さて…」
モリスは艦長席から立ち上がる。
モリス「2人とも、少し付き合ってくれないか?」
「「えっ?」」
2人はそう言うが、モリスは関係なく2人をある場所に連れて行った。やって来たのは、銀河展望公園である。
キラ「うわ~凄い…」
ラクス「本当ですね。お日様が気持ちいいですわ」
モリス「凄いだろ?けど、それだけじゃないぞ」
するとモリスは、リモコンを取り出しボタンを押した。すると辺りは暗くなり宇宙空間が映し出される。
モリス「こうすれば外の景色も楽しむことが出来るんだ。ほら、向こうにアークエンジェルが見えるだろ?」
キラ「本当だ。じゃあ、向こうからも見えるんですか?」
モリス「いや、マジックッミラーみたいなもんだ。向こうからはただの壁にしか見えない」
ラクス「素晴らしいですね」
モリス「だろ?さて…」
先程は変わって、モリスは真剣な表情になる。
モリス「キラ、君はこれからどうしたいんだ?」
キラ「えっ?」