このジャイアント・トードに祝福を!   作:寿限夢

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 このすば面白いですよね! 思い切って書いてみました!
 頭空っぽにして、画面から離れて読んでね♪


プロロ~グ♪

 吾輩はカエルである。

 名前はまだない。

 

 

 ……ごめん。

 今言ったのウソ。

 本当は名前ある。

 って、言っても、それはあくまで“前世”の自分の名前であって、今の自分の名前じゃないけどね。

 

 そっ。

 前世、前世。

 何を隠そう自分、元人間の異世界転生者なんだよね。

 前の自分……まだ“人間だった”頃の名前は、“雨宮(あまみや)(とおる)”っていう、普通のフリーターだったんだけどね。

 でも、ある日、バイトから帰る途中、いきなり車道からトラックが突っ込んできて……、

 

 キキーッ! バキバキィッ!! グッチャンッ!!

 

 ――って感じで、轢かれて死んじゃったぽいんだよね~。

 もうね、ホントびっくりって感じ!

 ちなみに何で“ぽい”なのかというと、そこらへんの具体的な記憶がないから。

 一応、目の前までトラックが来たところまでは覚えてるんだけどね~。

 でも、そっから先が曖昧。

 まぁ多分、即死だったんじゃないかな?

 でもこの場合、むしろ覚えてなくてよかったかもしんない。

 

 だってさ、想像してみ?

 

 馬鹿デッカいトラックがさ、自分の体をバキバキグチャグチャ、骨から内蔵まで、全部挽き潰してくのを。

 そんでもって、最後には頭を……あっ、ヤバい!

 鳥肌立ってきた!

 話しを戻そう。

 

 

 

 ……で、本当ならそれで、自分の人生終了。

 今までお疲れさまでした~って、なっちゃうはずだったんだけどね。

 でも、そうならなかったンよ。

 そう――

 

 

 気が付けば自分は、何故かオタマジャクシになってたんだっ!! (ドンッ★)

 

 

 ……うん、そう。

 オタマジャクシ。

 カエルだからね?

 仕方ない? ね。

 

 もうね、最初は訳が分かんなかったよ。

 いきなり水の中だし。

 呼吸出来てるって気付くまでは、なんて言うかもう、すっごいテンパってた。

 しかも、何故にオタマジャクシって……どうせ生まれ変わるなら、もっとこう、イケメンとか美少女とか、そっちの方がよかったーーッ!!

 って、思いっきり叫……

 

 あっ、ごめん。

 やっぱ“美少女”は無し。

 掘られるのはイヤ……。

 

 

 

 まぁ、とりあえずそんな感じで、なんかよくわかんないけど、自分はカエルに生まれ変わっちゃったみたいなんだよね。

 色々とツッコミたい事もあるけど。

 でも、何時までもウジウジ言ってもしょうがない。 

 どうせなら新しい人(蛙?)生、思いっ切り楽しんでいこう!

 むしろ、『死んだはずなのに生きててラッキー!!』みたいな~……

 

 

 

 ーーそう考えてた時期が、自分にもありました。

 

 はい。

 そうでふ。 

 話しは、それだけじゃ終わらなかった訳なんでふ。

 言ったでしょ? 

 

 “異世界”転生って。

 

 そこんところ詳しく説明するには、ちょっと昔の事を振り返らなくちゃならない。

 

 

 

 ★☆★☆★☆

 

 

『――アレ? 自分ってば、猛烈デカくね?』

 

 最初にソレに気付いたのは、だいたい半年くらいたった頃。

 ようやくオタマジャクシ生活にも慣れて、水草とか魚とか、ばくばく食べまくってたんだけど……。

『なんか…、周りの木とか石とか、むっちゃ小さくない? それになんかこう、妙な違和感というか……』

 

 自分の周りにある物全部が、なんか妙に小さく感じたんだよね。

 自分がいた池とかは、周りが木で覆われた、比較的サイズの大きいモノだったから、あまりそういうのは感じなかったんだけども……。

 けど、まだ足も生えてないオタマジャクシの自分の胴体と、木の幹の太さが同じってのは……ねぇ?

 

 

 でも、当時の自分は、多分気のせいだって、そう考えちゃったんだよね。

 

 

『……この辺りの木は、みんな細い種類の木ばっかりなのかな? 石が小さいのは、川上から流されてきて、小さくなっただけ……なんだ、気のせいか! もとい、木のせいか!』

 

 そうやって自分を納得させて、その話しは終了。

 考えるの止めちゃったんだよね。

 まぁ、我ながら色々アレだと思うよ?

 "木のせい"って……もう少し上手いギャグがあったと思うし。

 

『気っのせい♪ 気っのせい~♪ ランランラ~♪』 

 

 でも、当時の自分は結構いっぱいいっぱいで、わりと余裕なかったんだよね。

 生存競争激しいし……オタマジャクシなんて、生態系ピラミッドの中でみたら下から数えた方が速いし……。

 目の前で他のオタマジャクシが食べられるの見る事もあったりしたから、余計な気苦労しないよう、心が自動セーフティかけてたのかもねぇ。

 

『気っのせい♪ 気っのせい♪ ランララ~……あっ!? 小魚見っけ!! やっほぅい! いっただきま~すッ!!』

 

 

 ★☆★☆★☆

 

 

 ……で、それからさらに半年たったある日。

 

 

 ようやく手足が生えて、陸に上がれるようになったんだけど……。

 

『アレ? やっぱ自分、猛烈にデカくね?』

 

 やっぱ気のせいじゃなかったんだって事、あらためて気付かされたんだよね。

 

『……アレ、鹿だよね? んでもって、アレは猿……あれぇ?』

 

 陸に上がって最初に見たのは、少し離れた先で池の水を飲んでる鹿だった。

 で、そのすぐ近くの木の上には猿。

 

 いや、別に鹿や猿くらい、森の中ならいくらでもいるだろうって、そう考えるけどさ?

 

 でも、どっちも自分と比べて、圧倒的に小さいんよ。

 遠目から見ても、鹿は自分の体の半分。

 猿に至っては、自分の目と同じくらいのサイズしかないし。

 それに……

 

『えぇ~……最近の鹿って、角の形あんななの? なんかこう、メッチャクチャ刃物刃物してるぅ~……』

 

 池の水を飲んでる鹿の角は、何て言うかこう……ものすごい鋭利に研いだ、日本刀みたいになってた。

 でも、普通の鹿の角みたく、途中枝分かれしてて……。

 昔やったゲームの中で見た……七支刀、だったかな?

 とりあえずそんな感じに、いかにも"触れたら斬る"って言わんばかりの角が二本、頭の横からニュッと生えてたんよ。

 

『やだ、最近の鹿ったらスッゴいバイオレンス……って事は、あの猿も……?』

 

 おそるおそる猿の方も、観察してみた。

 すると案の定、国家の猿もヤバかった。

 何がヤバいってこの猿、唇が妙に分厚い事以外、顔が完全に人間のソレだったんよ。

 

『フ~グ~タ~ク~ン』

『うわぁっ、なんか喋り出したッ!? てか声渋っ!? でもなんだろうこの声、妙に懐かしさを感じるっ!?』

 

 いきなり喋り出した猿の声に、思わずぎょっとしたね。

 でも、不思議と懐かしさも感じた。

 具体的にいうと、日曜午後夕方に放送される国民的アニメ、その中に登場する某会社の同僚を連想させる声だったからね。

 

 で、その声を聞いて、自分はついに、ある事実に思い至ったね。

 

 

 ーーあ、あんな生物、地球では見た事がない。

 て言うか、あんまいて欲しくない(特に猿)

 そして何より、カエルとしては以上にデカい自分……。

 

 つまりこれはーー

 

『もしかして自分、蛙に異世界転生しちゃった?』

 

 そう気付いた瞬間(とき)、自分は、体の中にエレクトリックサンダーが駆け抜けるのを感じたね。

 "異世界"そして"転生"。

 昔から憧れていた異世界ファンタジー小説の舞台、その舞台の上に、自分は今立っているんだから!!

 

『おおぉーー!! そう考えるとなんか燃えてきたーー!! 異世界って事は、ゲームみたいな魔法やスキルとかあるんだよね!? もしくは念能○とか、そういう……あっ!? 人間になる方法とかもあるかも知んない!! よ~し、そうと決まれば早速、特訓だッーー!!』

 

 そんな感じで自分の、長く厳しい修行生活が始まったんだよね。

 ツラい苦しい修行。

 今思い出しても涙が出ちゃう。

 

 

 

 ……えっ、何故にいきなり修行かって?

 いや、そりゃあアレですよ~?

 異世界ファンタジーの王道♪

 厳しい修行によってぇ、自分の中にあるスーパーでハイパーでデンジャラスなミラクル不思議パワーに目覚めたり何やりしちゃうっていう、王道展開を狙ってのモノですよ♪

 

『うおぉぉッッ!!』

 

 まぁ、兎にも角にもそうして始まった修行時代。

 前世で読んだ漫画やアニメなんかの知識を参考に、思いつく限りの修行・トレーニングを自分に課して、自らを鍛え上げてみたンよ。

 

 

 

 ある時は筋トレしてみたり。

 

『九百九十七ッ! 九百九十八ッ! 九百九十九ッ! 千ッ!! しゃあッ!! 次は、カエル跳びスクワァッートッ!!』

 

 

 またある時は、その辺の岩や木を相手に格闘したり。

 

『打つべし打つべし打つべし打つべしッ……!!』 

 

 

 またある時は、瞑想しながら、魔法かなんか出ないか試したり。

 

『か~めッ~は~めッ~……!!』

 

 

 そしてまたある時は、激しく歌いながらシャウトしつつ、踊りまくってみたり……。

 

 ああ、ちなみにコレ、うっかり毒キノコ食べた時の事だね。

 なんかお腹減ったから適当に採って食べてみたら、妙にテンション上がっちゃって。

 

『死んだパンダぁぁーッ!! 死んだ死んだパンダぁああっ!!』

 

 

 ★☆★☆★☆

 

 

 ……と、まぁ、とりあえずそんな感じに、時に歌い時には踊る修行漬けの日々を、かれこれ二年くらい続けてたんだよね。

 途中、なんか馬鹿デカい熊やワニみたいなモンスターと戦ったり、不思議な空飛ぶキャベツの群れを襲撃したりと、まさに異世界って感じのおもしろおかしいイベントも盛りだくさんで、思ってた以上に楽しかった。 

 

 それに頑張って修行したおかげか、自分は他のカエルと比べて、体のサイズが二回りくらい大きくなってたりもするし、黄緑色の肌の色ツヤなんかも、他のカエルにはない、ハリと潤いに満ちた潤い美肌になったし。

 

 ただちょっと残念だったのは、魔法や超能力みたいな特殊能力に目覚めなかった事かな?

 まぁ代わりに、厳しい弱肉強食の世界で編み出した技とか、マンガやアニメからパクった必殺技とかあったりするから、仮にヤバい奴と出会したとしても、逃げる事前提に立ち回れば、そうそう殺される事は、まずないでしょ。

 

 とりあえずある程度修行に区切りはついたと思うので、自分はかねてから計画していた計画を実行に移そうと思う。

 

 そう。

 人間の街に行くのだ!

 

「それじゃ、出発(しゅっぱぁーつ)ッ!」

 

 今まで住んでいた池に別れを告げ、森の外へと向けて歩きだす。

 背中には、リュックサックと水筒。

 それから、自作した楽器なんかもいくつか積んである。

 どれも自分でモンスターの皮や植物なんかを加工して作った、自慢の一品だ。

 

 ふふふっ、こう見えて物作りは得意なんよ。

 なにせ前世じゃ貧乏で、服から家具まで全部、自分で作ってたからね! 

 

「どんな人が~いるのかな~♪ エルフ? ドワーフ? 獣耳獣人いるのかな~♪」

 

 なんかテンション上がってきたから、歩きながら歌ってみたりもする。

 ついでにターンやスキップも混ぜてみたりする。

 そういえば、自分の声って周りにはどう聞こえてるんだろうね?

 自分的には普通に話してるつもりなんだけど、やっぱりカエルっぽくケロケロ言ってるように聞こえるのかな?

 まぁ、一応解決策は用意してあるし、仮に人に会って言葉が通じなくても、なんとかなるでしょ!

 

「~♪」

 

 そうこうしてる間にも森を抜けて、広い草原地帯に出たね。

 若草色のなだらかな丘がどこまでも続いていて、青く澄み渡った空には小さな雲がちらほら。

 風も程良く吹いていて、すごく心地良い。

 

 ーーよし、こっからは楽器も演奏(やり)ながら行こう。

 背中から木と蔓で作ったギターを取り出し、両手に抱え込む。

 

『ポロン……ボロロン……ボ~ン……♪』

 

 弾く曲に合わせて、弦を調律。

 弾くのは前世で聞いて覚えてたアニソンから。

 多少忘れてる部分もあるけれど、そこはノリとフィーリングでカバー。

 細かい事は気にしない。

 こういうのはノリだよノリっ!

 

『ジャ、ジャジャン♪ ジャカ、ジャカジャカ、ジャン♪』

 

 調律が終わりしだい、早速演奏。

 まずは軽くリズムを取ってから、最初のサビに。

 そして、今まさに歌い出そうとしたーー

 

 

 次の瞬間。

 

 

「『エクスプロージョン』ッ!!」

「ケロッ!?」

 

 目の前の丘が、いきなり爆発した。

 

「ケローーッ!?」

 




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