モブキャラ転生〜タカシに転生した僕はどうしたらいいのだろうか〜 作:トマホーク
ケイside
「オッケー、それじゃあ今日の練習はここまで!!」
「「「「お疲れ様でした!!」」」」
ふぅ。チームの皆もだいぶいい感じに仕上がって来たわね。
これなら戦車道大会はいい結果が残せそう。ただ……気掛かりな点があるとすれば。
「ねぇねぇ、アリサ。これからみんなでカラオケ行くんだけど一緒に――」
「すいません、隊長。そういう気分じゃないんでパスさせてもらいます。それじゃ」
「あ、ちょっとアリサ!?……帰っちゃった」
アリサの事なのよねぇ。
「……またか」
「えぇ、振られちゃったわ」
いつもなら絶対に来るのに……ここ最近は全然。すぐ家に帰っちゃうのよね。
やっぱり“アレ”が原因かしら?
「タカシの奴が大洗に行ってしまったのが余程堪えているみたいだな」
「そうね」
ナオミの言う通りね。
全く、あんな可愛い彼女を残して他校の手助けに行っちゃうなんてちょっと薄情過ぎるわよ、タカシ。
まぁ、交換留学制度でウチに来ていたから引き留める事は出来ないんだけどね。
とは言え、行く前に挨拶の1つや2つしていってもいいんじゃないかしら。
別れの挨拶も無しに突然居なくなるなんてマナー違反よ。
それに文句を言ってやろうとタカシに電話やメールをしても返答が全然無いし、困ったものね。
「……」
でも、ちょっと考えてみると色々おかしいと言うか違和感があるのよね。
タカシは挨拶も無しに突然姿を消したり連絡を全部無視するような性格じゃないし。
アリサの様子だってそう。
落ち込んでいるから帰っているんじゃなくて、ただ単純に早く家に帰りたいから帰っているだけみたいな感じがするのよね。
……考え過ぎかしら。
「ま、ここで考えていても仕方ないわね。さ、ナオミ。カラオケに行くわよ!!」
「あぁ」
「――隊長ー!!」
「うん?どうしたの?」
整備課の子が走って来たわ。
「はぁはぁ、大洗女子学園の生徒会長からお電話です」
アンジーから電話?
何かしら――ッ!?ちょっと待って。何か妙な胸騒ぎが、嫌な予感がするんだけど。
「分かったわ。今行く。……ちなみに何か言ってた?」
「えっと、本校に来るはずの男子生徒が未だに来ていないのはどういうことなのかと」
「……」
これは……マズイかもしれないわね。
アリサside
「たっだいまぁ〜♪」
明日と明後日は学校が休みだし、戦車道の練習も無いから……ムフフ。
「タカシ〜入るわよ〜」
居た居た。今日は大人しくいい子にしてくれていたみたいね。
この前なんか鎖を外して私に会いに来ようとしていて大変だったんだから。
ちょうど私が帰って来た所だったから良かったものの……タカシも私に会えて安心したのか泣き出しちゃうし。
「ただいま、タカシ」
……でも、最近タカシが少し変なのよね。今みたいに私の顔を見るなり悲鳴を上げたり、まるで何かに怯えたように後退りするし。
駄目だって言ったのにまた私に会いに来ようとした時にちょっと厳しめに叱ったのがいけなかったのかしらね。
「ん〜8時間と23分47秒ぶりのタカシの匂い……」
はぁ〜タカシのいい匂い。
やっぱりタカシは最高だわ。
「それじゃあ、これからどうしましょうか?あ、ちなみに明日と明後日はずっと一緒にいられるから安心してね。で……タカシには何がしたい?――え?家に帰してくれ?何言ってるのよ、タカシ。アンタの家はここじゃない。……ちょっと待ってよ。みんなに会いたいって……そう。やっぱりそうだったのね。みんなタカシに色目を使ってタカシを誑かそうとしてたのね!!分かったわ……ちょっと待っててね、タカシ。アンタに色目を使えないようにみんな殺――どうしたの?」
包を握ったらタカシが急に抱き付いて来たわ。
「え?どこにも行かないでくれ?ちょ、ちょっと!!強引過ぎるわよ」
タカシから押し倒してくれるなんて珍しい事もあるものね。
「分かった、分かったから!!どこにも行かないわよ、もう」
あ、そうだ。タカシに見せないといけないものがあるんだった。
「そう言えば……ほら、タカシ!!喜びなさい!!遂に出来たわよ!!……ちょっと!?何て顔してるのよ!!もっと喜びなさいよ!!せっかく私とタカシの愛の結晶が出来たんだから!!」
って……あれ?気絶しちゃったの?タカシ。
ザ・ハッピーエンド!!(白目)
という訳で完結でございます……初期案だとケイやナオミとタカシを絡ませたり、タカシがアリサと華に板挟みにされたり、タカシが刺されたりとかがある予定だったのですが、諸事情によりこんな形に収まりました。
(´∀`)