比企谷君と虜の魔女   作:LY

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第二十二話

高2 

 

 

「やっと目覚めたようね。

さぁ、洗いざらいはいてもらうわよ」

 

「俺は何も知らん、と言うかマジで何の用ですか?」

 

 

 

午後四時ごろ、朱雀高校の文化祭は終了し、ほとんどの人達が片付けをしている。

 

 

 

そんななか、俺は見知らぬ空き教室で

 

 

監禁されている。

 

 

 

 

 

事件が起きたのは約一時間前、俺は小町の余計なお世話で小田切と文化祭巡りをしていた。

 

 

しかし、途中で小田切の電話が鳴った。

 

 

聞こえてきた会話から察するに、同じ生徒会の宮村からの様だった。

 

生徒会長戦でとても必要な用事があるらしく、小田切は本当に申し訳なさそうに謝り、宮村の所属している超研部に向かった。

 

ここまでは別に問題なく、俺は普通に帰宅しようと思った。

 

 

そんな時、知らない女子が俺に声をかけてきた。

 

 

「あなたがヒキタニね」

 

女子の身長は推定で150ちょっと、髪の長さは小田切より少し短い。

 

 

「…いや、人違いだな」

 

「嘘ついても無駄よ。もうネタはあがってるんだから」

 

 

なんだかめんどくさそうだから無視して帰ろうとしたが、女は道を塞ぐ。

 

 

「言っとくけど、逃がしはしないからね」

 

 

そう言って女はパチン!と指を鳴らした。

 

俺はこの時、ただの電波女かと思っていたらそうではなかった。

 

 

目の前の女に気を取られていた俺は、背後から近づいてくるもう一人の仲間に気づかなかった!!

 

俺はその男に気絶させられ、目が覚めたら…

 

 

 

監禁されていた。

 

 

 

 

 

 

そして今に戻る。

 

 

俺は椅子に縛られ身動きが取れない状態だ。

 

 

「この縄ほどいてあげた方がいいんじゃないかしら?

比企谷君が苦しそうよ」

 

「ダメようららちゃん、ほどいたら逃げられるわ」

 

 

俺の目の前にはさっきの電波女と長髪の美少女がいる。

 

話してないでさっさと開放してもらいたいんだが…。

 

 

「まぁとりあえず自己紹介するわ。

私は伊藤雅、そしてこっちの子は白石うららちゃん、それでさっきあんたを気絶させてここまで運んできたのは椿剣太郎、彼は今外で見張りをやってもらってるわ」

 

「自己紹介とかいいから早く帰らせてくれねえか?」

 

「話が終わるまでダメよ」

 

 

やはり簡単には帰らせてくれないらしい、そして電波女はどこか不機嫌そうだ。

 

 

「それじゃあ早く帰りたそうだし本題に入るわ。

 

ズバリ、私たちが言いたいことは……。」

 

 

「言いたいことは?」

 

 

……。

 

 

……。

 

 

 

間が長げえよ、溜めるな。

 

 

「私たちの出番がない!!」

 

「はい?」

 

「どうして宮村や山田が出てるのに私たちの出番がないのよ!!

こんなの不公平よ!!」

 

 

…何言ってんだこいつ。

 

 

「そもそもうららちゃんは原作でメインヒロインなのよ!

出番がないなんてあり得るの!?」

 

 

…何言っているか分からないけどやめとけ。

 

 

「落ち着いて雅ちゃん。

今日は比企谷君に聞きたいことがあったのよ」

 

 

どうやら常識を持った人もいるようで、白石うららと言う子が電波女を落ち着かせる。

 

 

「ん?…そう言えば白石うららって学年トップの秀才じゃなかったか?」

 

「そうね、たぶんその白石よ」

 

 

マジか。

 

 

「…ふぅ、落ち着いてきたわ。

それで、聞きたいことは他でもない魔女の事よ」

 

「はぁ、魔女?悪いが存じ上げないな」

 

 

おかしい、俺が魔女と関りを持っている事を知っているのは玉木、宮村先輩、生徒会長、それに秘書の飛鳥先輩、あと猿島に滝川くらいのはず…。

 

 

…結構知ってるやつ多いな。

 

 

「しらばっくれても無駄よ。ここに証拠があるわ!!」

 

 

そういって空き教室の端っこから学校の備品であるテレビを引っ張ってきて、俺の見やすい位置に置き、何やら準備をする。

 

 

「ごめんなさい比企谷君、気が済むまで付き合ってあげて」

 

 

白石はこそっと俺に伝える。

 

 

…何だかこの子だけとてもいい子に見えてきた。

 

 

「よし!スタンバイOK。

 

それでは5秒前、4,3,2,1、アクション!」

 

 

アクションは撮影する時の奴だろ。

と心の中で突っ込みながら再生されたビデオを見てみる。

 

 

 

どうやら誰かがビデオカメラか何かで撮影した動画の様だ。

 

 

 

 

「……これでちゃんと録画できているかしら?」

 

「大丈夫ようららちゃん、こっちのほうにカメラ向けて…。

 

……はい、と言うことで始まりました!

伊藤雅と白石うららが行く 正体を掴め!魔女に関わる謎の男!?

 

進行は私、伊藤雅がお送りします。よろしくお願いしまーす。

 

それでは早速何ですが、謎の男について参考人の方に聞いてみたいと思います」

 

そう言って映し出された人の目元は、動画に修正を加えたのか黒い目線で隠されている。

 

 

 

参考人 1    S,Mさん

 

Q1、彼とはどのような関係ですか?

 

「そうねぇ、ヒッキーとは一言では言い表せない関係よ♪」

 

Q2、彼はどのような人ですか?

 

「とても優しい人よ、私が困っていたとき励ましてくれたの!」

 

Q3、彼は魔女について何か言っていましたか?

 

「何か知ってそうだったわよ。でも詳しくは聞いてないかな…」

 

Q4、ご協力ありがとうございました。最後に彼に言いたいことはありますか?

 

「う~ん、もっと仲良くなりたいから今度一緒にショッピングでも行かない?」

 

 

 

参考人 2    T,Nさん

 

Q1、彼とはどのような関係ですか?

 

「彼女以上嫁未満です」

 

Q2、彼はどのような人ですか?

 

「頼りになる先輩で~、ノアには優しくしてくれるんですよ~」

 

Q3、彼は魔女について何か言っていましたか?

 

「先輩との出会いはクラブハウスで~、何でも妹に似てるとか言って------」

 

Q4、…質問対する答えがおかしいですが、ご協力ありがとうございました。

最後に彼に言いたいことはありますか?

 

「式はいつあげますか?」

 

 

 

参考人 3 4    生徒会所属 Y,Hさん A,Mさん

 

Q1、彼とはどのような関係ですか?

 

「そうだね、持ちつ持たれつって感じの関係かな?」

 

「基本的に会長の用事でしか話さないので、…知り合いでしょうか?

本当はもっとお近づきしたいのですが…」

 

Q2、彼はどのような人ですか?

 

「文句を言いつつもちゃんと仕事してくれるいい子だと思うよ」

 

「そうですね、何から話したらいいんでしょうか?

…血液型はA型、八月八日生まれ、座右の銘は押してダメなら諦めろ、家族は父母妹、飼い猫の名前はカマクラ、好きな飲み物はマックスコーヒー、得意な科目は現国、苦手な科目は数学、将来の夢は専業主夫、日曜日の楽しみはプリキュア、趣味は読書や人間観察、高校では基本的に一人で行動し、昼休みや放課後は中庭にいることが多いです。あっ、あと名前の由来は自分の誕生日から来ているらしいです。やはりチャーミングポイントはあの目でしょうか」

 

 

Q3、……彼は魔女について何か言ってましたか?

 

「それは秘密かな」

 

「秘密です」

 

Q4、ご協力ありがとうございました。最後に彼に言いたいことはありますか?

 

「ぜひ生徒会に入ってほしい」

 

「そうですね、少し興味が…、いえ、かなり興味がありますので一度ゆっくり話してみたいです」

 

 

 

参考人 5     T,Sさん

 

Q1、彼とはどのような関係ですか?

 

「フッ、大親友さ」

 

Q2、彼はどのような人ですか?

 

「少しひねくれている、まぁそこが彼の良いところでもあるんだけど…。

あと妹思いだね」

 

Q3、彼は魔女について何か言ってましたか?

 

「宮村君の仲間にそうやすやすと情報はあげられないな。」

 

Q4、ちっ、ケチめ。最後に言いたいことある?

 

「僕が生徒会長になったら生徒会のメンバーにならないかい?」

 

 

 

参考人 6     O,Nさん

 

Q1、彼とはどのような関係ですか?

 

「私は友達だと思っているけど、あいつはどう思っているのか分からないわ。

 

……さっきもただのクラスメートみたいに言ってたし」

 

Q2、彼はどのような人ですか?

 

「そうね、話してみたら意外と面白いのよ。

この前二人でディスティニィーランドに行った時は結構会話が盛り上がった……じゃない!

今のなしよ!カットしといて!」

 

Q3、ディスティニィーランドでは彼とうまくいきましたか?まさかキスしました?

 

「し、してないわよ!と言うかさっきのなしって言ったじゃない!」

 

Q4、彼の事が気になりますか?

 

「なってない」

 

Q5、彼は魔女について何か言ってましたか?

 

「あっ、そうそう。今日あいつが猿島さんと滝川ノアの知り合いって言事が分かったのよね。

クラスとか違うのに、まさか偶然魔女二人と知り合うなんておかしいと思うのよ。

今日ちゃんと聞いとけば良かったわ」

 

Q6、ご協力ありがとうございました。最後に彼に熱い思いの丈をぶつけてください!

 

「だから違うってば!

 

…とりあえず、もう知らない仲ではないし、lineでも交換しないかしら?」

 

 

 

「以上、正体を掴め!魔女に関わる謎の男!?

ご視聴ありがとうございました」

 

 

 

そうして、ビデオは終わった。

 

 

「どうだった?複数の動画つなげたり、顔隠すために目元に黒い線入れたりで結構頑張って作ったのよ」

 

「私も初めてこういうの作って楽しかったわ。ちなみに最後の二人は一時間ほど前にあなたが気絶している時に撮ったから目隠しの修正が間に合わなかったわ」

 

 

二人は自作の映像を発表できてうれしそうにしている。

 

 

「いや思いのほか長いし、ほとんど関係ない話ばっかりじゃねえか。

しかも全員誰だかわかるし…。猿島、滝川、山崎飛鳥先輩、玉木、小田切だろ。

と言うか4番の人怖いんだけど?あの人何であんなに俺の事詳しいんだよ」

 

 

ツッコミどころは他にもたくさんあるが、長い時間ほとんど同じ体勢で椅子に縛られて、体が痛くなってきた。もうそろそろ帰りたい。

 

 

「もう帰らしてあげてもいいんじゃないかしら?私もそろそろ塾の時間だわ」

 

「出番もちゃんと作れたし、動画もなかなかの出来だったし帰ろっか!」

 

 

お前ら結局何がしたかったの?ホントに出番がほしかっただけ?

 

 

「それじゃあ私たち帰るから椿に縄ほどいてもらって」

 

 

そういってカバンをもって教室を出て行く。

 

 

「お嬢様たち、ちょいと勝手すぎませんかね?」

 

 

もちろん俺の声は届かず、本当に帰って行った。

そして入れ替わるように、爪楊枝をくわえた男が入ってきた。

 

 

「さっきはいきなり気絶させて悪かったな。今外してやるよ」

 

 

意外とちゃんと謝罪し、黙々と縄をほどいていく。

だがしかし、よく見てみるとしくしくと泣いていた。

 

 

「…うっ、…うっ、俺だけ出番がすくねぇ」

 

「…うん、なんか、…どんまい」

 

 

 

お前らホントになんなの?

 

 

 

 

 

超研部にて

 

文化祭当日の夕方

私と宮村と玉木、次代の生徒会長候補の三人は会長になるための重要なゲームの内容を知った。

 

 

「…七人目の魔女を探すことか」

 

 

どうやら朱雀高校には七人の魔女がいるらしく、私たちの誰もが知らない七人目の魔女を見つけた人が晴れて生徒会長になれるらしい。

 

 

「……」

 

 

普段の私ならやる気満々で行動を起こすはずなのだが

 

なぜか七人目の魔女と言う言葉を聞いたとき

 

背筋が冷えるような感じがした。

 





原作のメインヒロインである白石さんがまだ出ていなかったので、
今回は超常現象部でまだ出ていないキャラを出してみました。

更に余談なんですが、やまじょの原作十一巻の途中(アニメで放送されたところです)の所でこの作品は終わらせようとしていますが、続編も作ろうかとも考えています。

これからもよろしくお願いします。


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