比企谷君と虜の魔女   作:LY

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第七話

高1

 

 

夏休みは終わり二学期が始まった。小田切の事だからまたバリバリこき使ってくると思っていたがそんな事にはならなかった。

 

どうやら小田切は手芸部に入ったらしい。

 

他には五十嵐や夏の補習にいた山田や姫川などがいて仲良くやっているとか

 

仲良きことはよきかな。

 

あと魔女がどうとか言っていたが手芸部で衣装でも作っているのだろうか?

 

 

「はぁ~、暇だ」

 

 

放課後のお仕事がなくなったので地味に暇である。

基本的には放課後は小田切に呼ばれて、何かをしていたのですぐに家に帰ることはなかった。

そのため何となく時間がつぶしたくて校舎をうろうろしていた。

 

 

廊下を歩いて行き、掲示板の前まで来ると、そこには時季外れな部活の勧誘ポスターがあった。

 

 

「…超常現象研究部?こんな部活もあるのか」

 

 

朱雀高校はやけに部活が多い気がする。運動部はもちろんだが文化系もそこそこの数があるはず。

 

 

「我々は世界の超常現象はもちろん宇宙人や未来人、異世界人、超能力者を探したり朱雀高校の七不思議について調べたりしています……、途中でSOS団の人混ざってね?」

 

 

ポスターの内容を読んでみたがこれで入りたがる奴いるのか?そもそも部員いるの?

 

ただ一つ、たまたまだと思うが気になるイラストが描いてあった。

 

 

「…魔女」

 

 

小田切が言っていたこととは関係ないだろうが少し気になってしまった。

 

 

「おい、君!」

 

「ひゃい!」

 

 

俺がポスターに夢中になっている時に後ろからいきなり呼ばれたので変な声が出てしまった。

 

「まさか魔女に興味があるのか!?

一年生なのだろう?まだ部活には入っていないのか!?」

 

振り返ると白髪の美人に迫られ質問攻めを受けた。

 

「ちょ、一度に聞きすぎですよ」

 

リボンの色から察するに二年生だろう。

 

「あぁすまない、少し興奮してしまってな。

私の名前は宮村レオナ、その部活の部長をしている」

 

 

そう言ってさっき見ていたポスターを指さす。

 

なるほど、この人がSOS団の涼宮さんか。

 

 

「はぁどうも、一年の比企谷です」

 

「そうか、じゃあいきなりだが比企谷、

私たちの部活に入ってくれ!」

 

 

 

 

 

「…嫌っす」

 

 

 

 

 

こうして、俺はまた大きな出会いをする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・

・・

・

 

 

高2

 

 

ピンポーン

 

・・・

 

ピンポーン

 

・・・

 

ピピピピピンポーン

 

 

「しつこい!」

 

 

二階の窓からキレ気味で怒鳴られた。

 

やっと出てきたか。

 

 

「どちら様だ、新聞の勧誘なら間に合ってるぞ!」

 

 

あれほど勧誘してきた人のセリフとは思えねえな。

 

窓の方に目を向けると白い髪の毛の美人が不思議そうな顔をしている。

 

 

「その腐った目つき、比企谷か?」

 

「目で判断しないでください」

 

 

皆さん、人を目で判断してはいけませんよ。

 

 

 

 

 

 

 

*

 

家に上がる許可をもらい先輩の部屋に入ったが服装が…

 

 

「宮村先輩、ちゃんと服を着てください」

 

「何を言っている?シャツを着ているではないか?」

 

 

下着とシャツしか着てないないだろ。

 

シャツの胸元からブラ見えてるんですけど、黒い布が。

 

 

「それにしても久しぶりだな、来てくれて本当に嬉しいよ」

 

「先週に林間学校に行ってきたのでこれお土産です」

 

 

つまらないものですがっと付け足してお菓子を渡す。

 

 

「おぉ、わざわざありがとう。そう言えば虎之介も行っていたな」

 

 

虎之介とは宮村先輩の弟で小田切と同じ生徒会の副会長である。

 

 

「それで、最近はどうだ?元気にやっているか?」

 

「ええ、そこそこですよ」

 

「微妙な反応だな、まぁ無理もないか」

 

 

少し間が空いて宮村先輩は悲しそうの表情をする。

 

 

「…お前がこんな状況に置かれたのはやっぱり私のせいなんだろうな」

 

「まさか、宮村先輩のせいじゃないですよ。それにそれはもう終わった話じゃないですか」

 

 

そうだ、このことで宮村先輩が責任を感じるのはおかしい。

 

一番つらいのはこの人なのだから。

 

 

「…そうだな、だがいつかは向き合わないといけない時が来るだろう」

 

「そうですね。あのメガネも入れた三人で」

 

「フフフ、メガネか。

山崎の奴はちゃんと生徒会長の仕事をできているのか?」

 

 

山崎先輩の話をすると、少し表情が明るくなったので安心した。

 

「ええ、美人の秘書をつけて頑張ってますよ」

 

そう言うと宮村先輩はいかにも不機嫌そうな顔になった。

 

「チッ、絶対権力だからと言って調子に乗りおって。

美人の秘書だと…」

 

 

あらあら、秘書の事は言わない方がよかったかな?

 

 

「まあいい、その事については全てが終わってから奴に問い詰めてやろう」

 

「ハサミは使わないでくださいよ」

 

 

この人無限にハサミ飛ばしてくるからな。

 

体はハサミでできているレベル

 

 

「それで、あの子とはどうなんだ?

比企谷と仲の良かった女の子がいただろう?」

 

「あぁ、特に何もありませんよ。

そう言えば2年になってから分かったんですが、あいつは虜の能力を持っています。」

 

「ほう、まさか彼女が魔女だったとはな」

 

 

そう言うとパソコンをカタカタいじりだした。どうやら魔女に関することをまとめているらしい。

 

 

「それにしても虜の能力とは、いったい誰を虜にしたかったのだろうな」

 

 

ニタニタしながらこちらを振り向く。

 

 

「あいつは生徒会長になりたがっているので仲間を増やしたかったのでしょうね」

 

「いや~私はそうは思わないがな。

やはり年頃の乙女だ、意中の相手にかけたいのだろう」

 

 

この絡み方は相変わらずめんどくさいな。

 

 

「そうですかね、あいつ能力をめちゃめちゃ使ってますよ。親衛隊とかありますし」

 

「それではつまらんな」

 

 

つまらんって、この人はどうしてほしいのだ。

 

 

 

 

その後もいろんな話をしていたら結構時間が経っていた。

 

 

「ただいま」

 

 

下の階から男の声が聞こえてきた。

 

 

「む、虎之介が帰ってきてしまったか。それにこんな時間だ」

 

「外が暗くなってきましたし、そろそろ帰ります」

 

「そうだな、今日はこの辺にしておこう」

 

 

カバンを持って部屋を出ていく。

 

 

「それじゃあ、また来ます」

 

「ああ、今日は楽しかったぞ」

 

 

そう言って笑う先輩は超常現象研究部にいた時と同じだ。

 

 

「それと最後にな、比企谷

 

君が“魔女殺し”の力を持っているのは、何か理由があるんだよ」

 

「…そうなんですかね?」

 

「あぁ、比企谷ならきっと何かを変えることができるさ」

 

 

そして今度こそお別れをして玄関に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

*

 

帰り道で先輩が言っていたことを思い返す

 

 

俺が“魔女殺し”の力を持っている意味

 

 

そんな事考えたこともなかった。

 

 

「……。

 

…そうですね、もし理由があるとしたら

 

俺は少しでも特別になりたかったのかもしれません」

 

 

 

誰もいない夜の道で、俺は小さくつぶやいた。

 

 

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