「なぁ、折紙」
「何?」
と、ここで士道は言葉に詰まってしまう。取り敢えず、声をかけたものの何を言っていいかわからない。
しばらく沈黙が続くと呆れたような声が耳に聞こえた。
『まったく、これだから士道はダメなのよ。これからいう言葉を復唱しなさい。』
どうやら助けてくれるらしい。言い方には少しイラっと来たがありがたく受け入れるとしよう。
「俺さ、折紙のこと前から知ってたんだ」
「私も」
「教室の席が隣になってからずっと折紙のこと見てるんだ」
「私も」
「放課後、折紙の体操服の匂いを嗅いだりしてるんだ」
「私も」
「俺たち気が合うな、よかったら付き合わないか?」
(って、つきあえるわけないだろ!!!)
そう、普通ならばここから男女交際には発展しないだろう。そう、普通ならば.....
「かまわない」
(・・・・・なんでさ)
あいにくと、目の前の少女は普通ではなかったようだ。しかし、士道は何か勘違いをしているに違いないと一応聞き返す。決して、今の状況を認めたくないわけではない。
「付き合うって、どこかに出かけるってことだよな?」
それに対して、折紙は少し首を傾げて答える。
「男女交際のことだと思ったけど、違うの?」
士道は薄々この返答にきずいていたのか、比較的冷静に返した。
「今度妹になんか買ってやろうと思って、買い物に付き合ってくれる人を探してたんだ。勘違いさせてごめん」
相手には多少恥を掻かせてしまったかもしれないが、偽りの告白で付き合うよりはいいだろう。それに、これから精霊を惚れさせなければいけないのだからここで彼女をつくるのは後々で問題になってくる、それは避けなければいけないことだ、と士道はここまで考え返事をした。
「こちらこそ、勘違いしてすまない」
折紙は律儀に謝罪をした。こころなしか顔が赤くなっているように見えた。やはり恥ずかしかったのだろう。
「いや、紛らわしい言い方をした俺も悪かったから気にしなくていいよ」
もともとそういうつもりで言ったため、罪悪感が出てきて心が痛い。もう、こんなことはしたくないと思った。
「聞きたいのだけど、なぜ私を選んだの?」
(確かに気になるよな。話したことのない同級生から買い物に誘われたのかとか。)
今日は冴えているのか、すらすらと理由が出てきた。
「妹に何かあげるわけだから女子の意見を取り入れたかったんだが、知り合いに女性がいないんだ。だから教室で隣の席の折紙に頼もうと思ったんだ」
別に、折紙とは特に仲の良いわけでもないが急造の理由としてはよいのではないだろうか。すらすらと理由が浮かんでも名案とは限らないと学んだ。
「理解した。では、いつ買い物に行くの?」
何とかごまかせたようだ。というか折紙はなんかうれしそうでもあるな。買い物にも来てくれるみたいだし。
「折紙はいつ行けそう?」
「いつでも構わない」
「じゃあ、次の日曜でどうだ?待ち合わせは近くの公園で」
「了解した」
と、このようにスムーズに予定を話し合ったのち折紙と別れ、訓練を再開した。
『だいぶ、手慣れてきたじゃない』
「なんでかわからないがすらすらと話せたよ。」
なんでだろうか?
『きっと、ゲームの成果が出たのよ』
「そんなわけ.....ないよな?」
ゲームの話をどこまで信じていいのかと悩んでいると、警報が鳴り響いた。
『空間震です。速やかに最寄りの避難所に避難してください』
『精霊よ!これから指示する場所へ向かって!』
「わかった!」
士道は走り出した、精霊のもとへ
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現れたか。
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