back to the world   作:ロキニス

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back to the world ep6

RPG-7、かつてマーティは最初のタイムトラベルの経験をしたとき、これに狙われたことがある。

 

木製ストックが特徴のマシンガンに狙われ続けた挙句、最後にこれで止めをさそうとしたテロリストの魔の手から逃れるべくデロリアンを88マイル(140km)まで加速させてしまい1955年にタイムトラベルしてしまったのだ。

 

これを持ったとき全てのやり方そして武器の名前が流れ込んだように感じた、いや実際に流れ込んだ。あれがロケットランチャーだということは分っていたが名前の詳細や射程距離そして、安全装置の解除の方法までは知らなかった。

 

結局はコルベール先生が破壊してしまったが、ある一つの可能性を考える。マーティはさっき発見したデロリアンの時とは違い腕時計と機械式の時計を見比べて時間を確認した。

 

「よし、何も心配はいらない。今回だけは仕方のないこと。ドクも今回は納得してくれるはず。」

 

彼はもう一度外へ出てドクの使っていた未来の双眼鏡で上空を確認するとタバサたちがドラゴンの背中に乗り帰ることを確認するとデロリアンの車内に戻った。

 

「よし。」

 

彼は貴重なガソリンを消費するエンジンをかけホバー・コンバージョンの機能をオンにして空高く飛び上がった、そしてソニックブーム音と二本の炎だけが空中に残った。

三回のソニックムーブ音と共に現れた銀色の箱はそのまま飛行を続けトリステイン学院の方向へ向かう。

 

【挿絵表示】

 

 

「よし成功だ!」

 

馬車でのろのろと移動していた時が嘘のように感じるほどで30分もかからないうちに学院が見えてきたが無論そのまま行くわけにはいかない。離れた場所で一度地上に降りて動作確認を取る。

 

「このボタンで電動モードになる、試してみよう。」

 

エンジンを切り雷のボタンを押すとランプこそはついてはいるが、映画のように電子音や甲高いモーターの音が鳴らないため本当に稼働しているのか不安になった。だが一速でアクセルを踏むと見事に前進する。

 

「電気自動車はすごいな・・・近くに自動車が来ても気付けないよ。」

 

他にも自動的にタイムトラベルをしてくれる機能(自動帰還装置)や即席で作れる大まかな地図機能と色々役に立つような機能がカスタマイズされていた。

 

「自動運転はgoogleのカメラがなくとも元から用意してあるカメラがバックミラーに取り付けてあるので可能。ただし安全性を考慮すると外部カメラを使用した方がよろしい。そういえばドクここに来る前に色々改造していたな。」

 

だがどんどん実験をするが電気モード以外は殆ど準備が必要だったり、専門的な知識も同様必要でマーティ一人には無理な物ばかりだった。

すると学院の方から馬で走り抜ける二人の姿があった、無論その姿は自分たちだ。

 

「武器を買いに行くのか・・・あ。」

 

その時腰にある物を思い出した、デルフが何も話していないと思ったがよくよく思い出せば鞘に入れっぱなしだった。

 

店主もうるさかったら鞘に入れておくようにと言っていた、もしかしたらと思い鞘を緩めるとテロリストもびっくりのマシンガントークが始まった。

 

「おでれーた!?あれはおめぇさんじゃないのか?というかこの馬車は?空を飛んでいたぞ。しかもあの板は何か浮いていたぞ。あと気付いてなかったようだから鞘に入れっぱなしていたのは置いておくけどよ!?おめぇ何もんだ!?」

「しーっ後で説明するから。デルフ、あとで必ず話すからここでデロリアンを盗まれないように見張ってくれない?」

「まかしておけ!」

 

その時だったあらダーリーンと何処から声がしたのか周りを見渡すとドラゴンがこっちに向かって降りてきた。

 

「ルイズにおいて行かれたの?」

キュルケ達はある意味最悪なタイミングで現れた、マーティはどうやって誤魔化そうと考えたが持ち出したものの中で何か話題をそらそうとする。

 

「武器屋に行けば僕たちがいるから先に行っといて。」

「先に?でもタバサの使い魔の方が速いわよ?」

「ああ、そうだね。」

「マーティ、ルイズと喧嘩でもしたの?」

 

マーティは話し合いでは無理だと悟り、役に立ちそうなものはないのかとイーストパックをいじる。するとそこから役に立ちそうなある物が出てきた、だがそれは最後の手段として使用しようと考える理由としては使用方法がわからないのだ、だが今使わないでいつ使うと判断したマーティはそれを出した。

 

「これ見てくれない?」

 

それの器具のパワーをマックスにして取り出すとキュルケ、タバサ、そして竜がその装置に目を近づける、そしてマーティは念の為光を防ぐためにドクの銀色サングラスをかけると同時にボタンを押した。

バシュン!

強烈な閃光が走ると同時に彼女たちは気を失いそのまま地面に倒れてしまった。

 

「oops!(オップス)機械が壊れちゃったよ。」

その機械の先端から何かが焼切れる匂いがして、もう使えないことを証明しているようにも見えた。

「ジェニファーの時はこんなフラッシュは無かったぞ、大丈夫かな二人とも。」

 

いや大丈夫だろう、後からあの決闘を行うのだ。多分何も後遺症はないだろう。

マーティはそのままその場所を後にするとこれからのことを考え始めた。まずはコルベール先生に接触してどうするのか、デロリアンのついて色々知っていたがそのことに関して色々説明しなければならないのか、その辺は臨機応変に対応しようと考えた。

 

学院に戻ろうとすると門番は不思議そうな顔をしたがマーティを学内へ入りすぐさまコルベール先生を探す、だが探す必要もなかった。いつも駐車している場所に車上荒らしのような覗き込む不審者がそこにいた。

 

「アメリカなら職務質問だな、神父みたいな恰好をしているから・・・・いやどっちにしろ警官に連行されるな。」

 

マーティは彼に近づき話しかけると彼は待っていたかのように質問を繰り出した。まず質問の内容はどうやって動くのか、マーティはどこから来たのか一つ一つ質問をするが誰が聞いているのか不安だったことと外で説明するべきではないと判断して彼の部屋で研究することにした。

 

コルベール先生の部屋は教師の部屋というより研究所に近い物でドクを連想させるようなものだった。ただドクとは違い生き物を檻に閉じ込めたり等動物の匂いも充満しており自動餌やり装置がボトボトとドックフードを文字通り腐るほどまき散らしたような臭いを連想させる。

 

「あ~コルベール先生、あれは自動車と言ってその・・・馬がなくても走れる馬車でイメージは合ってます。あれデロリアンって名前があるんだけど、特徴はステンレスって特殊な金属でできていて簡単には錆びないように設計されているんです。あとそれ以外の用途も。」

「何だねそのワクワクするような機械は!?しかも錆びにくい金属!?固定化の魔法を使わずにか!?」

「はい、あと自分は別の世界からやってきました加えて時間も。」

「世界?時間?」

 

怪訝な顔をするコルベールにマーティはまずルイズと同じくアメリカと自分の説明をするがそのあとは違った。彼はコルベール氏にタイムマシンの説明を付け加える。

 

「あまり驚かないんですね?」

「いや、正直驚いているよ。私は少し変人だと言われているのでな。そのタイムマシンはいつの時代でも直接行けるのかね?あと君たちの世界では普通にあるのかね?」

「いや、その一般的じゃないね、あとタイムパドラックスって言って世界にあまり良くない影響を与えるんです、それで僕も危ない目に遭ったうえ町が消えたことも。」

「危ない?目や町が消えるとはどういうことだ?」

「過去へ行って何か歴史を変えるようなことをすると・・・未来に影響を与えます。それによって本当は幸せになる人が不幸になったりその逆もあったり。」

「つまり・・・過去に直接行けたとしても修正は止めた方がいや、してはならないんだね?」

コルベールに暗い過去があったのか、少し残念そうな顔をするとマーティは言葉なくして肯定した。

「あ~先生、直接見てほしいんです。さっきの話をした後にって感じはしますが。」

 

コルベールとマーティはまた学院の外へ出て茂みに隠したデロリアンを見せる、コルベールはさっきの文脈からしてすんなりと現状を把握した。そしてそれを証明するものがそこにあった。

 

「これは・・・破壊の杖!?」

「はい、未来から持ってきました。」

「いつ、どれぐらいの!?」

「明日ですね。」

「何!?」

「実は土くれのフーケが学内から持ち出しまして、しかもその正体がロングビルなのです。」

「ハッ・・・私はなんてことを!?」

 

急に落ち込みだしたコルベールは何があったのか全てを話した、ロング・ネビルに

弱点を教えてしまったことを。それが原因で盗まれたと思った彼は禿げ上がった頭を抱えて膝を下してしまった。

 

「落ち着いてください先生!先生が捕まえればいいんです!明日フーケを捕まえるのは先生なんです!」

「ど、どういうことだ?」

メガネをかけ直しマーティに問い詰めるとフーケを最終的に捕まえたのはコルベールでありフーケのゴーレムを一撃で破壊するほどの手練れならば大丈夫だと言ったがコルベールは否定する。

 

「いや、そんな魔法は知らないが・・・」

「知らない?そんな訳ないですよ、煙を吐きながらゴーレムに突っ込んで行って爆発したんですよ?」

「私は確かに火系統の魔法を扱うがどちらかというと燃やすことを専門としている。爆破の魔法は確かに使えないことはないが・・・そんな風にはならないぞ。」

 

「そんな、自分はそれに助けられたんですよ!?」

「正確に言えば助けられるだがな・・・しかし実際に助けられたことには間違いない。どういうことだ。ルイズ君の爆破も尾を牽いていないし。」

 

マーティは昨日のルイズ、いや今夜の決闘の時に爆破した光景を思い出す、確かに何も予備動作を見せずに急に爆破した。あの時の爆破とは全く違ったのだ。となれば考えられるのは。

「このロケットランチャーで?まさか・・・」

「ロケットランチャー?破壊の杖のことかね?」

「ええ・・・そうですけどこれで物を当てるのは至難と言いますか・・・」

「扱いが難しいと?」

「ええ、鉄砲も何度も練習してやっと当てれるようになった記憶があります。ましてはこのRPG-7は遠くなると当てにくいことで・・・」

「待つんだ、RPG-7はそのロケットランチャーの名前か?」

「え、ええ。」

「ガンダールヴだ!」

そう言うとコルベールは確信したように彼の肩をつかみガンダールヴの単語をつい開いてしまった。

 

「ガンダールヴってなんですか?」

「ガンダールヴとは伝説の使い魔のことです。」

「伝説?」

「どんな武器でも扱えるようになり、そしてその武器のことが分かるようになる。君はその伝説のルーンを左腕に刻まれている!」

「・・・ヘビーだ。」

だがマーティはさっきの現象が理解できた、体が急に軽くなったような気がしたのも理解できた、だが一つ負に落ちないことがある。

 

「そこまで分かっているなら何で今まで言ってなかったんですか?」

「それは・・・君のデロリアンに気になってしかたなかったことと、会うことがなかったのだよ!それに内容が内容だ下手に公になると色々とまずいからね。」

「あ~。」

 

何故だろうか、このコルベール教師からドクと同じ匂いがする気がした。

 

「コルベール先生、このことはフーケに知られてはいけないつまりその・・・過去の僕もいるので知らないふりをしてください。」

「よし分かった!」

 

「やれやれ、相棒は何考えているのか。」

マーティがいなくなった車内でのんびりとしているデルフは主が戻ってくるまで座席でぼうっとしていた。

「しっかし相棒は何者かね、こんなへんてこな乗り物にこんなへんてこな道具、長年生きてきたけど・・・いや待てよ、どっかで・・・」

「ただいま。」

 

マーティはことを終えたのか戻ってきた。

「おう!寂しかったぜ!説明しろこの乗り物は何だ?」

「もうごまかせないし、う~んコルベール先生とデルフは不可抗力かな・・・」

「あの禿に何か話したのか?」

「うん、状況からして話さないと話が進まないから止む得ず、君の場合もそうかな。」

「おめぇのご主人には秘密か。」

「まぁね。」

その時のマーティは真の主には話していない事実に対して苦笑いだけしか表現できなかった。

 

ドスン

真夜中に巨大な足音に巨大なゴーレムが学院の方から走り崩れた、あの中にデロリアンがあると思えば不思議な物だがマーティはそれを何度も経験している。

未来のゴーグルで闇夜の中でもはっきりと見えるマーティはサイドブレーキがかかり動かないデロリアン相手に少し焦っているフーケを眺めていた。

ここで盗んでもらわないと歴史が変わるので仕方なく泥棒の片棒を担ぐことになるが、こんな経験も今思えば何度かあった

 

「ラジコンってここでも届くのかな?」

最初の実験の時に使ったラジコンのスイッチを入れる。だが下手をすればこっちのデロリアンにも反応しかねないと思ったマーティはすぐ説明書を読む、するとデロリアンの周波数に関して書いている項目に注目した。

 

「デフォルトの周波数1にしており、周波数を10個の段階まで変更が可能である。周波数の変更の仕方はipadminiまたは天井に備え付けているダイアルから可能。・・・これか。」

 

マーティはダイアルを2に設定しラジコンの周波数の設定を1に登録してサイドブレーキを解除して双眼鏡で確認するとフーケは不思議そうな顔でデロリアンを蔓で巻き付け小さなゴーレムで引っ張り出した。

 

デルフを携えデロリアンを葉っぱで隠してフーケを遠くからつけ始める。するとフーケは森の手前まで行くと諦めようかなとぼやき始めた、マーティは無理もないと思った。昔と比べてプラスチックや鉄より軽いステンレスを使用しているとはいえ金属の塊、馬車と比べたら重いに決まっているがここで諦められるとまた時間軸が変わってしまうので困る。

世話ばかりかけるなとラジコンからデロリアンの電動駆動を作動させるとフーケは驚いた顔をする。

 

「何?急に軽くなったわね、何か魔法でも備えているのかしら?」

 

軽くなった途端歩くスピードより速く歩き四時間どころか三時間ぐらいの速度で目的の廃屋まで到着した。

 

「あとは帰るのを待つだけ。」

「自分の物を盗むのを手伝うとは変な気分だな。」

「ああ、そうだ。」

 

マーティはipodtoughchと呼ばれるipadminiを小さくした機械を持ち出す

それにはボイス機能がついていた。

 

あとは遠隔操作をするアプリを使用し流すテストをする、するとあの声が流れた。

ロング・ネビル先生の正体は土くれのフーケ!

 

「よし。」

「面白れぇ道具だな。」

「まぁね。」

 

そのipodの端末はまだ10個もあった。それはある意味何のために用意したのか、加えてipadminiも3個もある。

 

「ドク、ほかにも装置を取り付けようとしたのかな?」

「ドクっていうのは誰だ?」

「僕の親友だよ。」

「ふ~ん。」

 

デルフと談笑しながらホバーボードに乗ってデロリアンのある場所まで帰った。

そして夜が明けるのを待つ。

時間通りに自分たちを乗せた馬車が学院を通り過ぎるのを確認し、すぐに学院に向かうとコルベールが待っていた。

「コルベール先生。」

「マーティ君、まずは先回りするのだろ?行こうではないか。」

 

マーティは時間の関係上また自分たちに目撃をされるのを阻止する目的もありデロリアンを飛行モードで遠回りをして自分たちより先の位置につく。

そして初めてデロリアンを発見した場所に駐車した。

「先生はどこかで隠れていてください、これを一度僕らに見せる必要があるので。あと・・・」

「わかっているよ、その破壊の杖RPG-7でフーケのゴーレムを破壊しなさい。」

「はい。」

 

ルイズ達が来ると記憶通りに動きフーケと自分が廃屋に入る、そしてマーティはため息をつきながら画面に指を押し付けロング・ネビル先生の正体は土くれのフーケ!という音声を鳴らすとゴーレムが廃屋を破壊する。

 

それを確認するとデロリアンに戻り移動を開始した、あくまでも見つからないように移動し小道に隠す。そしてホバーボードで皆の気がそれている間に回り込みコルベールと合流した。

 

そして、自分がホバーボードに乗ってやってくるのを確認すると安全ピンを抜き発射の態勢になる、頭がすっきりしかつ腕も安定し狙いが計算できるようにもなっていた。

 

「・・・。」

 

マーティは動きを予測し発射する、すると見事にゴーレムは吹っ飛び倒れてしまった。そして打ち合わせ通りにコルベール教師が動きフーケを捕えに行くとマーティはデロリアンの回収に向かった。

 

「・・・意外にあっけないや。」

「そりゃあまぁ展開が分かっているからな。相棒何か手馴れているように見えるけど何度かあったのか?」

「うん、あったよ。」

 

そろそろ全て終わったと判断したマーティはデロリアンに乗って、ルイズ達の目の前から過去の自分が去るのを確認するとルイズ達は驚いた顔をする。

 

「やぁ、ただいま。」

「え!?何で!?」

 

ルイズは目を点にしてマーティをみた、タバサは相変わらず表情を変えないがキュルケ素直にも驚いている。

 

「しまった、タバサとコルベール先生は先にドラゴンに乗って帰ってもらえませんか?回収しないといけない物があるので。」

「そうか、ではタバサくん頼むよ。」

 

頷いたタバサは皆を乗せて行こうとするがルイズだけは乗ろうとしなかった、理由はなんとなしに分かるような気がした、下手に帰らせると変にこじられると思ったマーティは構わないと言ってタバサたちを先に帰らせた。

 

「さて、デロリアンに乗りながら話そうか。」

「ええ。」

 

二度目のデロリアンの乗車は抵抗なく乗り廃屋のあった場所へ向かうとipodtoughchを回収するとルイズが覗いてデロリアンにあるのと似ているわねとコメントを残した。

 

「まぁね、それで・・・何から聞く?」

「そうね、どうやって反対方向から移動したの?」

「それは・・・ちょっと言えないかな。」

「そう・・・それじゃあ。破壊の杖を何で使えたの?」

「・・・気づいていたの?」

「ええ、私は魔法こそは使えないけどあんな魔法はないことぐらい分かるわ。」

「そっか。」

 

侮ることができない少女だった、ルイズは魔法こそは使えないが頭を使ったことに関しては人一倍すぐれていた。

 

「・・・前話したアメリカの話信じる?」

電動モードのデロリアンの車内には重い空気があった、理由はルイズに対してまだまだ隠し事をしていることが原因だろうだろう。だが不思議とルイズはその話題に触れなかった。

 

「ルイズ・・・」

「うれしかったわ、私のために戦ってくれて。そして有り難う。」

「・・・」

余計な探索を止めた彼女は帰路の足取りを気持ちだけ軽くした。

 

・・・

 

「ロングビルがまさかフーケだったとは・・・」

「どこで採用されたんですか?」

「いや、街角の居酒屋でのけつを撫でても怒らんし・・・」

 

オスマン学院長のセクハラトークと下らない理由を途中で遮るようにタバサがマーティの裾を引っ張った。何かと思ったら何かの紙を渡してきた。

 

「舞踏会の時、私の部屋で待っている。」

「それはどういう・・・。」

 

「カーッ!」

 

いきなり発狂したかのように大声を出したオスマンに目を向けるとオスマンにコルベールが冷めた目で私も人に言えなないかと呟くと次の話題へと移って行った。

 

「先っぽがなくなってしまったが、無事破壊の杖を取り戻してくれて有り難う、フーケは城の衛士に渡しておいた、加えて君たちにはシュヴリエの爵位の申請をしておいた。タバサ君は精霊勲章の授与を申請しておいた。」

 

「本当ですか?」

 

「君たちはそれだけのことをしたんじゃから。」

「あのオスマン学院長、マーティには何もないんですか?」

「残念ながら彼は平民じゃ。」

「そうですか・・・」

 

それぞれが部屋に戻るときマーティはオスマンとコルベール話があると言って残った。

「オスマン先生、あの武器をどこで?」

「・・・30年ほど前のあるときじゃ、リビアという国からやってきた男性が君が乗ってきたような不思議な鉄馬車に乗っておった。私がドラゴンに襲われた時に助けてもらったのじゃ。」

 

「リビア?はて、どっかで聞いたことがあるような・・・彼らは今どこに?」

 

「彼らはインチキ爆弾を作ったあの学者をとっちめてやると言ってそのままその場を立ち去ったのじゃ。その時に残されたのじゃが・・・。」

「このロケットランチャーですか、ちょっと聞きますが彼らは何か赤いフードみたいな物を被っていませんでしたか?ついでに山賊みたいな顔のした人も・・・」

 

「顔までは憶えておらんが確かに赤い何かをかぶっていたような気がするのう、あと鉄馬車は青かった。知り合いかね?」

 

『間違いない・・・ドクを撃ったテロリストだ。』

 

流石に自分とその友人を殺そうとした人ですとまでは言えなかったマーティは知らないふりをした。

そして話すことにするタイムトラベルのことは置いておき、この世界の住民ではないと説明をした。

 

「成る程あれは君たちの世界の物なのか。」

「ええ、でも助かりました元の世界から来た人間が自分以外にもいたということさえ分かれば。」

「ほっほっほ、もしこの世界に足をつけるなら嫁さんも紹介するぞ。」

「あ~すみません、自分には彼女がいます。」

「何じゃい、残念じゃの・・・。」

 

マーティは早速部屋に戻ると1930年代でキッド・タネンを相手していた時の青い背広を着た。正直堅苦しい物は嫌いだがそれぐらいは弁えている。ルイズは何故か見かけないが勝手にカギを閉めるわけにもいかないのでそのまま退出した。

 

「さて、タバサの部屋へ行くか。」

あの手紙の内容は正直、読めなかった。ハケドニアの言葉で書いておりそれが何なのかすら分らなかった。

タバサの部屋まで行きノックをするとどうぞと小さな返事だけ帰ってくる。

 

「あの、タバサ・・・」

そこには黒いドレスに着替えたタバサが待っておりいつも通り本を読んでいた。

「手紙・・・」

「あ、僕はこの国の文字が読めないよ。」

「そう・・・」

 

少し残念そうな顔をしたタバサはドアにロックをかけて退路を断った。少し嫌な予感を感じたマーティはタバサと名前を呼ぶが彼女はそれを無視する。

 

「読めなかったことに怒っているの?」

「違う・・・昨日の朝、あの光は何だったの?」

「え?」

「キュルケと私の使い魔は倒れたうえ記憶もあやふやになっていた、記憶を消せる魔法なんて聞いたことない。」

 

彼女は記憶を失わなかったのか?使い方を間違えたのか、それとも彼女が未然にそれを防いだのか。騎士の称号にしろこのタバサの経歴が謎があり、マーティは恐怖した。今まで謎はあっても困惑したりしたが、恐怖を感じたのは初めてだ。

 

「それは・・・」

「あの乗り物も私たちが学院を出る前にはあった、でもその近くにその乗り物があった。つまり貴方は二人いることになる。」

「・・・・」

「でも、行動が不十分で不手際。あなたは・・・時間を超えたとにしか結論をつけるしかない。」

「・・・・」

「私は、あなたの乗り物を使ってやりたいことはある。けど私は、貴方を信じる。そしてこの手紙を信じる。」

「・・・タバサ、君は一体?」

 

その時だった、アンロックをかけられたドアを叩くようにキュルケが開いた

「あら?お楽しみの途中だったかしら?」

「・・・いや、何でもないよ。」

 

舞踏会の場所には豪華な料理と音楽が奏でている、しかしマーティはその楽しげな空気に浸るほどの余裕はなかった。

 

「ドク・・・どうしよう。」

隠すどころかむしろさらけ出しているのではないのかと思える状況だ。

 

それにあのタバサという少女はタイムトラベルのことを理解している、それにデロリアンをタイムマシンだと認識している。この世界に来てから分らないことが多い。

 

マーティは液晶パネルのない80年代型のウォークマンで好きな音楽を聴いて今の状況を誤魔化そうとするが何度も聞きなれた音楽だといざってときに気持ちの高揚感や切り替えの助けにはならなかった。

 

「未来の音楽ってどんなんだろうかな?」

全身タイツの服がよろしく未来の世界は奇抜だけが先行して本当に未来が訪れたときにこんな世界で暮らせるのか不安に思ったことがある。(実際に未来へ行ったが。)

 

「もう一つの時間軸の音楽はどんなのだろ?」

 

液晶パネルをいじりipodの音楽場面を開きイヤホンをつけて適当に開く。すると理解不能な音楽が流れていた。

流石にヘビメタ程ではないが不思議な音楽が流れていた、別の歌手に変えるがまた変な音楽が流れる。

 

「名前はレディーガガ・・・パヒューム、これは言いにくいな・・・きゃりーぱみゅぱ?」

 

何故こんな変な曲しか入っていないのか、ドクは流石に意図して入れたとは思えない。もしかしたらただの売れ行き順から選んで行ったのか、それとも自動的に入ったのか。

その中にマーティの感性に合った音楽を見つける。まさに今の状況にあった音楽なのかもしれない。

 

見てごらん

道に迷い 孤独な時

家にみちびく光が待っている

見わたせばそこにある

 

「ドク・・・」

 

希望はあるのか、元の世界へ帰れる希望はあるのか。

「見渡せばあるのかな・・・Everywhere You Look.見渡せば謎が深まるばかりだよ。」

 

「折角の舞踏会なんだからもう少し楽しもうよ。」

そこにはドレスを着たルイズがいた。

 

「それ、何?」

「音楽を聴く機械。」

「そう、あなたの国はカラクリだらけね。」

「まぁね。」

「私も聞いてもいい?」

「言葉わかる?」

「分らなくても音楽で楽しめるわ。」

「そっか・・・」

マーティは音楽を再生した。




展開が速いですが・・・メリハリをつけるためと言うことで。
Everywhere You Lookはフルハウスの音楽です。
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