霊感少女   作:Mr,J

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第2話

~小学校 低学年

 

小学生になる頃、自分の身の周りで不可解な出来事が日常茶飯事起きていると、彩未自身も学習して霊の存在を見極める様になり少し落ち着き始める。

小学校入学前に母娘は神社へとお宮参りする事にした。二人は近くの寺院に行き、お参りを済ませて帰宅しようとすると、寺院ちかくで人相占いしている易経師が追いかけて来た。

 

「す・・・すまん、ちょっと待ってくれ」

 

息を切らしながら走って来た、年配の男性に友美は驚いて立ち止まる。

 

「ゼエゼエ・・・、ちょっと時間をいただけないかな・・・」

「は・・・はあ・・・?」

 

不思議に感じた友美は易経師を見た。

 

「お嬢ちゃん、顔を良く見せてくれ」

 

彩未は母の後ろに隠れながら、易経師を見た。

 

「ムム・・・」

 

易経師は険しい表情で彩未を見る。

 

「これは驚きだ。滅多に見られない人相だ・・・」

「何か分かったのですか?」

「いや・・・私は最初あなた方がお参りに行くとき、珍しい感覚を覚えたのです。もしや・・・と思って追いかけて見たのですが、お宅の娘さんは素晴らしい霊能をお持ちですな」

「そうでしたか」

 

以前から友美が感じていた事は的中した。

 

「霊能には先天的なものと後天的なものの二種類があります。後天的なものは修行で身に付けるのですが・・・先天的なものは生まれた頃から備わっています。先天的に持っている方は大半、成長する過程で霊能が失われるケースが多いです。ちなみに貴女の娘さんの霊能は・・・かなり強いですね、多分・・・高度な霊交渉も可能でしょうな」

「そ・・・そうですか」

「ただ・・・気を付けてください。霊感が強いと言う事は、幸でもあり不幸でもあります。貴女の娘さんは多分・・・他の子達が経験する倍の人生経験を歩むかもしれませんので・・・大事にしてください」

「分かりました」

「では・・・」

 

易経師はそう言って立ち去って行く。

我が子の特異体質を知った友美は改めて彩未を見る。

 

「貴女って結構凄いのね」

 

その言葉に彩未は不思議そうな目で母を見つめる。

 

 

 

しかし…そんな母娘に災難が訪れた。

近所で発生したボヤが店に引火して老舗だった飲食店が激しく燃え上がってしまった。突然の火災だった為に急いで身一つで逃げ出した友美と彩未は燃える店を眺めていた。

彩未は買ったばかりのランドセルが炎に包まれた事を後で知る。

実家でありながら、少ない収入で働いていた友美は、両親が飲食店の再開をするのが難しいと知り、貯金の大半を使って中古のアパートに身を寄せる事にした。

 

彩未の新しいランドセルは、友美の旧友の娘からのお下がりだった。友美は中古のアパート契約で資金の大半が持って行かれた為、彩未に新しいランドセルを用意するまで手が回らなかった。

入学したばかりで周りが新品のランドセルを背負って学校へと通う中、彩未1人だけ使い古しのランドセルで通っていた。

母の気持ちを悟ったのか…彩未は何も言わず学校へと通い続けた。

 

 

『市立西原小学校』…数年前まで別の学校だった二つの小学校が、市町村合併や少子化で生徒の人数が減少して行く中、少しでも生徒数を確保しようと学校関係者が動き、西森小学校と原野小学校が合併して現在の『西原小学校』が誕生したのである。

地区によっては遠距離から通学する生徒もいる為、スクールバスを用意したり、親による車での通学も認められていた。

 

その学校に彩未は4月から学校へと通いはじめていた・・・。

入学前に易経師から聞いた事など気にせず学校に通い始めると・・・わずか一週間で彼女と一緒にいる教室内で変な噂が囁かれ始める。

 

「この教室って・・・何かへんよね?他の教室では絶対に有り得ない事が起き過ぎているわよ」

「分かるわ、ロッカーの蓋が突然全部開いたり、誰も居ないのに教室の電気が点いたり消えたりするのよね」

「あと・・・窓で人影が走ったりするのを見たって言う子もいるし、風も無いのに突然プリント用紙が全部舞い上がったりするし…」

 

彩未は出来るだけ大人しくしようとして居たが・・・周囲からの噂の矛先が自分に向かわれ始めるのに気付く。

 

「僕は知っているよ、教室に霊感の強い子が居るからだよ」

「誰よそれは?」

 

その男子は彩未を指して

 

「あの子が原因なんだ、あの子と一緒に保育園にいた時は毎日変な出来事が起きていたんだよ」

 

周囲の視線が自分に向けられると、子供達が彩未の周りに集まる。

 

「ねえ彩未ちゃん、あなたって霊感あるの?」

「え…私は、全然・・・普通の女の子…だと思うわよ」

「そう言えば、彩未ちゃん…たまに誰も居ないのに、誰かと話しているよね?」

「あれは…その、独り言…それに他に霊感の強い人が居ると思うわ」

「あなた以外で他に誰が霊感があるの?そんな人どう言う風に分かるのよ」

「そうね…たとえば…」

 

彩未は、黒板の近くに居る霊を見付けて、黒板の近くまで行く。

黒板消しを手にして霊の手に付けさせると、彩未は霊に黒板に手形を付ける様に指示させる。

ポンッと何も無かった黒板の上部、彩未の背丈より高い位置に真っ白な手形が現れると、周囲は騒然とした空気に包まれた。

 

「こんな事出来る人とか…て、あれ?」

 

周囲は驚きの表情に包まれて、開いた口が塞がらない状態だった。

 

「彩未ちゃん…今、何をしたの?」

「黒板に突然人の手形が現れた…」

 

皆は驚きながら彩未を見ていた。

 

「霊感があれば、これくらい可能かと思うけど…?」

「私の知り合いに霊感が強いって言う人がいるけど…今貴女がやった事は絶対無理だと思うわ」

「この学校で、そんな事出来るのは彩未ちゃん以外存在しないと思うよ…」

「それ以前に…テレビに出ている霊能者でも、今やった事は無理じゃない?」

 

皆の視線が一斉に自分に向けられると彩未はオロオロしながら

 

「私は…その、何処から見ても…ごく普通の一般的な女子小学生よ。霊感なんて全然無いわ」

 

(イヤ…それは絶対に違う)

 

周りにいた皆誰もがそう思った。だが…下手な事を言うと何が起きるか分からなかったので、言うのは控えた。

それまで穏やかだった西原小学校は、月日を増すたびに妙な噂話が増え始めて来た。

他の学年やクラスの間で噂になっている内容は…。

 

『誰も居ないのにトイレのドアが勝手に閉まって、押しても開かなくなった』

『教室の窓の鍵を閉めて、全員が外で授業をして戻って来ると、窓が全部開いていた』

『朝、教室に入るとクラスの机や椅子が変な形で並べられていて、それが時にはピラミッドの様に積み上げられている事もあった』

 

等・・・噂は絶える事無く続いた。

 

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