リリカルなのは~晴天の物語~   作:菜兎騎

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第七話 「バトル時々メイド……え?」

{高町さんとバニングスさんが?}

 

学校からの帰り道、アキ君たちのクラスで起こった出来事――高町さんとバニングスさんの突然の喧嘩――について話していた。

 

「そうなんだよ。普段はクラスどころか学年でも有名になるくらいに仲が良いのに、いきなりバニングスさんが怒りだしてさ」

「ここ最近、高町も上の空じゃったからのう、それが理由なのじゃろうが」

 

確かに、高町さん、バニングスさん、月村さんはボクのクラスでもよく話を聞く(特に三人の可愛さ云々についてだが)

 

{きっと、バニングスさんは高町さんが何か悩んでるとか思ったんじゃないかな? 友達が悩んでいたら手助けしたいと思うでしょ?}

 

ボクもアキ君たちが何か悩み事があるなら力を貸してあげたい。

 

「う~ん。そうかも。僕も琴音君や秀吉が困ってたら助けてあげたい!」

「わしも同意見じゃが、明久の場合困ってる人ならだれでも助けようとしそうじゃの」

{それは言える}

「えっ! 僕ってそんなにお人よしに見える!?」

「{見える/見えるのじゃ}」

「そんな……(ズーン」

 

アキ君が地面に手をついてoutみたいになってる。

 

{落ち込まないで、褒めてるんだから}

「そうじゃぞ、誰にでも優しいのは明久の長所じゃ」

 

秀吉君と一緒にアキ君を慰める。

 

「っうん! そうだよね!!」

「(開き直り早いなぁ/早いのじゃ)」

 

アキくんが、起き上がって服に着いた土を払ったのを見てからボク達はまた歩き出した。

それからは、家に着くまで他愛のない話をしていた。

 

 

「《ただいまー》」

「おかえりー」

 

いつものように家に帰ってくると、義姉さんが茶色い毛並みの猫を抱えて出迎えてくれた。

 

「《その猫どうしたの?》」

「なんや、庭で倒れてたんよ。一応治癒(クーラ)はかけておいたんやけど、あんまりきいてないみたいなんや」

「《そんな怪我っぽい怪我はしてないみたいだし、他に何か理由があると思うんだけど詳しいことは下に行ってみないと》」

 

義姉さんから猫を受け取って容態を見てみる。

やはり怪我自体はしていない。だが、何か普通の猫とは少し感じが違っているように思う。

 

「(そっか、この猫魔力持ちなんだ。でも、どっかで似たような魔力を感じたことがあるんだよな)」

 

わりと最近までは他の魔道士と一緒だったのか、この猫とは違う魔力が仄かに感じられた。

 

「《とりあえず、下に行って視てくる。たぶん魔法関係だからすぐに終わると思うけど》」

「ほんなら、私は買い物に行ってくるわ。小一時間で戻ってくるから、そっちも早めに終わらせてな」

「《うん。イルにも手伝ってもらうから一時間(一日)で直してみせるよ》」

 

買い物に出かける義姉さんを見送って、ボクは下――ダオラマ球へ入っていった。

 

「《こっちに来るのも久しぶりだね》」

「【私は呼び出されるのも久しぶりな気がするのですが】」

「《そうだっけ? でも今日はいっぱい活躍してもらうからね》」

「【期待しています】」

 

ダオラマ球の中にある城(アテネさんに貰った別名:別荘)の一角にある研究室。

 

「《イル。スキャニングをお願い》」

「【イエス、マスター。スキャニングを開始します】」

 

猫の体を淡い青い光が包み込む。それと同時にボクの目の前のモニターに情報が映し出される。

 

「《山猫、ミッドチルダに生息。名称、リニス。飼い主、アリシア・テスタロッサ。魔力値D……普通の猫にしては魔力値が高いね。あれ、契約主? 飼い主じゃなくて?》」

「【使い魔として過ごしていたようです。かすかに残っている魔力はその時のものでしょう】」

 

契約主、プレシア・テスタロッサ。アリシアって子のお母さんかな? 倒れた原因は……

 

「《魔力切れ?》」

「【そのようです。契約破棄してから躯体を維持できる魔力が足りなくなったのでしょう】」

 

なるほど、使い魔として生活しているうちに自身が魔力を持つようになったけど、躯体維持には足りなかったのか。

 

「《イル、ボクの魔力を少し分けてあげて。後で義姉さんと一緒にあっちに入れるからそれまで待つくらいでいいよ》」

「【了解しました。今日の夕飯は力の付く物だといいですね】」

「《そうだね。義姉さんに言っておけばよかった》」

 

話している間にも、少しずつ魔力をわけていた。

すると、ある程度魔力が回復できたのか、リニスが目を覚ました。

 

「ここは一体……」

「《はじめまして、リニスちゃん。僕は琴音。で、ここはボクの研究室。君はうちの前で倒れていたとこを義姉さんが保護したんだよ》」

「これは、念話。魔法関係者ですか。助けて頂きありがとうございます。ですが、何故私の名を?」

「《ごめんね、少しスキャニングさせてもらったよ。微かにだけど魔力反応があったし、倒れた理由とか知りたかったからね》」

 

ある程度躯体維持が可能になったあたりで魔力譲渡を中断し、詳しい事情を聞くことにした。

 

「《なるほど、秘密を知ってしまったから契約が終了してすぐに追い出されたと》」

 

リニスから微かに感じた魔力はフェイトちゃんだったのか。前に感じたことのある魔力だと思った。

 

「《フェイトちゃんはたぶんまだ、この街にいるだろうし、後で一緒に探そうか。外に出るには時間があるし、仮契約をして、少し特訓につき合ってもらおうかな》」

「特訓ですか?」

「《そう、特訓。これでも魔法使いの端くれだからね。毎日の訓練がものを言うのさ》」

 

その後、仮契約をして人型になったリニスと模擬戦をしながら一日を過ごした。

やはりというか、見たことのないであろう魔法を見てリニスが驚き半分興味半分で見ていた。

 

 

「《じゃあ、ちょっと出てくるね。リニス、義姉さんのことお願い》」

「はい、任せてください」

「いってらっしゃ~い」

 

別荘から帰ってきて、買い物から帰った義姉さんと入れ替わりで外へ出る。

リニスは一応仮契約をしたから暫くは家のメイドをやることになった。

 

「《さて、フェイトちゃんはどこにいるかな?》」

「【探索魔法を使用していますが、掛かりませんね】」

 

おそらく結界を張っているのだろう。

さて、どうしたものか。

 

「《ジュエルシードだっけ? あれを探してみる? 前、探していたみたいだし》」

「【以前の記録から探索してみます…………見つけました。ここより北へおよそ1500m地点です】」

「《ありがとう。イル、ボクの杖と防護服を》」

「【イエス、マスター。<白翼の杖>出します】」

 

白翼の杖はイルの中に入れてある移動用の杖で、名前通りというか白い翼をモチーフにしたもの。

普段は義姉さんが使っていることが多いんだけど、外に出るから借りてきた。

防護服は最近義姉さんがはまっているアニメの主人公の服を少し変えたもので、青を基調とした服に空色のマントを羽織っている。ちなみに、イルの形はグローブ型。中に杖をはじめ、ボクのコレクションが入っている。

 

「《ここから北だと、街のほうだね》」

「【巨大な魔力が近づいています。暴走しなければよいのですが】」

 

街中で暴走なんかされたら大変なことになる。

封印ができる魔導士だといいのだけど。

 

「《!! 魔力流!?》」

 

反応のあった周辺を飛んでいると、強力な魔力流が流れてきた。

 

「《ジュエルシードが近くにあるのにこんなことしたら!!》」

「【マスター、結界反応有り】」

「《近くに別の魔導士がいる?》」

 

魔力流の流れとともに、ミッド式の結界が張られた。

それとほぼ同時にジュエルシードと思わしき青い魔力が街の中心に立ち昇った。

 

「《イル、近くにいる魔導士の位置を確認して》」

「【了解しました。……西200mに一人。同じく150mに一人。東200mに二人です。テスタロッサ嬢は東側ですね】」

「《ありがとう、イル。封印は彼女たちがしてくれるだろうからよほどの危険がない限り、終わるまで待ってようか》」

「【了解です】」

 

イルと話していると、目の前で金色の一線と桜色の砲撃がぶつかった。

二つの砲撃のぶつかった場所に二人の少女が近づいて行った。

一人はフェイトちゃん。前にあったときと同じバリアジャケットを纏っている。手にはリニスが作ったという斧のような形をしたデバイス、バルディッシュ。

もう一人は、アキ君と秀吉君のクラスメイトの高町なのはさん。聖祥大の制服にそっくりな白いバリアジャケットを着て、赤い宝石がついた杖を持っていた。

そこから少し離れた場所には、オレンジ色の大きな犬(おそらくアルフ)と緑色の瞳のフェレットが闘っていた。

 

「【マスター、ジュエルシードの封印が解けかけています。このままあの二人がぶつかると暴走の危険があるかと】」

「《大丈夫だよ。よほどの魔力を叩き込まなければ》」

「【AAAクラスの魔力がぶつかりそうなのですが……】」

 

イルに言われて視線を戻してみると、二人がデバイスをジュエルシードにぶつけていた。

 

「《あの二人って後先考えないタイプなのかな》」

「【いえ、周りに触発されやすいタイプかと思いますが】」

 

二人のデバイスがぶつかり合ったとき、ジュエルシードが激しい光を放った。

 

「うわぁっっ!」

「くっ!!」

 

高町さんは飛ばされ、フェイトちゃんは少し下がったところでなんとか体制を整えた。

 

「《ちょっと、ボクも手伝おうかな》」

「【サポートします】」

「《うん。頼りにしてるよ、<静止の弓>を出して》」

「【<静止の弓>出します】」

 

ボクが封印専用に使っている金の五芒星の描かれた空色の弓。

これもボクのコレクション……アテネさんから教わって作ったお手製の武器。

魔法戦を想定して作っているから攻撃にも使うことができる代物だ。

 

「《そこで戦っている魔導士の人たち! 少し離れててね!!》」

 

念話を使って四人に離れるように呼びかける。

アルフがいきなり話しかけたボクに何か言っているがそれを聞かずに弓を構える。

 

「《青き彗星 精霊の導き 世界の咆哮… 水と光の精の名において全てを封ずる “静の流星(メテオ・スターティン)”》」

 

詠唱と共に現れた青い矢をつがえ、ジュエルシードへ向けて放つ。

途中で二本、三本と矢が増えていく。

 

「えぇぇ!? なにあれ!」

「僕もあんな魔法見たことない」

「何なんだいあのでたらめな魔法は!」

 

無数に広がる青き矢が流星のごとく降り注ぐ。

 

「《ロストロギア、ジュエルシード №19 封印》」

 

全ての矢が消えると、光の収まったジュエルシードのみが残った。

 

「【完全封印を確認。お疲れ様です】」

「《あとは、フェイトちゃんに話を聞くだけだね》」

 

弓をイルの中に収納し、地上に降りる。

 




作「やっと書き終わったー!」

琴「一か月以上ってかかりすぎじゃない?」

作「何を言う。現実だと学生に必須な部活動があるのだぞ!? しかも文化部だから発表会が!」

琴「その発表会が終わってからもう一週間は経つんだけど……」

作「それは気にするな!」

琴「少しは気にしろ! それより、今回はなのはちゃんやユーノとの邂逅じゃなかったの?」

作「そう思ったんだけど、書いてるうちに話がどんどん別の方向に……でも少しは関わってるぞ?」

琴「少なすぎるわ!」

作「それより普段の二倍以上書いてることに驚きはないの!?」

琴「他の人はそれ以上書いてる!!」

作「グサっ)……これでも精一杯頑張ってるのに……」

琴「ふんっ。いいからさっさと続きを書いてよ」

作「本編と全然性格がちが……グハッ!!」

作者が退場したためこれにて解散。
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