今回も思いついたものをつらつらと書き綴っただけのないようです。
では、どうぞ
「おきなさい……はやく……」
朦朧とする意識の中、彼は何かに呼ばれ。そして認識した。
「だ……れじゃ……? お前……は……」
「おい! 綾人! おい!」
「! ……夢か。」
「ふぅ、よかった。急に倒れたときはどうしたことかと思ったぜ。」
「恭介か。ここはどこじゃ?」
「保健室だよ。お前ぶっ倒れたんだ。」
おきたときには室内、白いシーツの上、白い布団をかぶり、横たわっていたようだ。
「どうしたんだ? あまり顔色は悪くないそうだが。」
「少し見えた気がした。」
「見えただ?お前盲目だろ。仮に見えたとしても目を隠している時点で見えないだろ?」
「違いないのう。さて、行こうか。」
彼らは再びにぎやかな祭りに身を投じる。
「さて、わしはどのくらい寝てたんだ?」
「ざっと15分。意外と短かった。」
「どのくらいを予想していた?」
「半日くらい。」
「それでは文化祭が終わってしまうのう。すぐに目覚めてよかったわい。」
そんな話をしつつも宴は終盤。人はまばらになり移動にもさほど不便を感じない。
「あー! あやちゃん。目が覚めたんだ!」
「あやちゃんはやめろ。気を失っていたといっても15分程度じゃ。そんなにひどいものじゃない。たぶん貧血かそこらだろう。」
「レバニラ作ろうか?」
「俺はもらおうかな?」
「お前が食べてどうする。すまないな、今は大丈夫だから今度行ったときに頼む。」
「おっけー。」
(なんじゃろうな。はぁとの背後に感じる巨大な気配は。まぁ、今のところ穏やかな感情しか見受けられない。そもそもこの気配は人か?)
はぁとの背後を見上げるように顔を向ける綾人。それに気づいていたのは誰もいない。はずである。
「案内までしてもらってすまんな。何か礼をしなければ。」
「お前も律儀だな。でもまぁ、一応お返しはしておかないとな。」
「そんなそんな、いいよ。それだけでも十分うれしいよ。」
「そうはいわれてもな。……そうじゃ、わしが少しばかり交霊術をしてやるかのう。
できるとまではいわないが目が見えない分ほかのやつよりも気配とかはわかるはずじゃ。」
「大丈夫だよ。もうついてるから。」
「ほう、気づいていたのか。この気配は先祖か何かか?」
「違うよ、友達。私が生まれたときからずっと。
それよりもあやちゃんもよく気がついたね。まさか見える?」
「・・・・・・見えるわけがないじゃろう。わしは盲目じゃ。感じることしかできん。」
「そっか、じゃあまたね。またうちにおいで。」
「おう、そう遠くないうちに行く。」
そういってはぁとと分かれた二人。そして一人だけ目を丸くして口をぽかんと開いていた。
「なぁ、はぁとちゃんって痛い子?」
「そんな分けなかろう。ただ、人ならざるものが憑いているということは確かじゃがな。」
「お前まで何言ってんだか。とりあえず俺は明日も行く予定だけどどうするよ?」
「わしも行くつもりじゃ。集合はそうじゃな・・・・・・朝8時45分。コレなら九時の開始にも十二分に間に合う。
それはいいとして。さて、それでは、どうする?」
「アフターか?はぁとちゃんも帰っちゃったしこれ以上野郎二人で何する気だよ?」
「間違いじゃないのう。それでは帰るとしよう。」
「おっけ。それじゃあ明日な。」
そういって分かれて互いに帰路に着く。
人形宅
「ふぅ、さてと。たまにはやらないといかんのう。どれ。」
自宅に戻り、目を覆っている包帯を取る綾人。普段は風呂のときくらいにしかはずすことはない。
「誰もわしの目については言及しないのう。まぁ、それが普通なのじゃが。」
本人も知らないこの見えない目。この目を知っている者からは見せてはいけないといわれている。
「包帯の取替えにも、この見えない生活にも十分になれたものじゃ。今じゃ見えているやつ
らと何一つ変わらん。とも言い切れないかの。」
見えない生活の中、研ぎ澄まされたほかの四感。よく聞き、よく感じ、よく味わい、よく香る。そして、よく悟る。
「して、おぬしは誰じゃ?」
誰もいないはずの自分の部屋、そこで一人いるはずのないものに問いかける。
「・・・・・・」
「黙っていれば気づかれんとでも思うたか? 人外としか思えん気配をそこまで出していればわしならいやでも気づくわい。」
「そう、気づいていたんだ。いつから?」
答えた声はまるで少女のよう。だがその気配はそんな生易しいものではない。
「そうじゃのう?はぁとと分かれたあたりからじゃったか。まるで人形のような気配じゃ。」
「そこまで気づいてるんだ。実は見えてるんじゃない?」
「かもしれんな。さっきもおぬしとは違うが人外の気配を観測(み)た。」
気を失うほどの情報量を急に受けたがゆえに何かに目覚めたのか、はたまたもともと見えていたのか。
「そんなことよりも用は何じゃ? ただ見てて面白いからついてきたというわけでもあるまい。」
「そうね、簡単に言うわ。私を守護アルカナにしてみない?」
「守護アルカナ? なんじゃそれは?」
急に引き出される取引。その取引の内容を理解することすらかなわない。
「そうね、そもそもあなたは男だから本来アルカナの存在すら知ることはないわ。」
「なぜそのようなものがわしに気づかれてしまった? おぬしの力が強すぎるとでも言うのか?」
「あながち間違いじゃないわ。私はほかの同種に比べて非常に強力。あなたがほかのアルカナに気づけた時点で私が気づかれても何もおかしくないわ。」
「ふむ、つまりわしには本来女にしかわからないものが見えており、それを不思議に思ったぬしがわしと契約をしようと。」
「そんなとこね。私としてはあなたのその眼に興味がわいたのだけれど。」
「わしの眼か。なるほど・・・・・・すまんが、即決はできない。明日、わしが帰るまで待ってはくれないか?」
「そうね、利益はちゃんとあるから。よく考えておくことね。」
「ほう、それは? と、聞いても教えてくれそうにないのう。」
「わかっているじゃない。じゃあ明日、答えを聞かせて頂戴。」
そういって気配は静まった。だがそこにはいる。
(監視されながら決めさせるとは、いい趣味じゃのう。まあよい。)
そういって一人、床に就く。
次はどうするかな。
希望あればできる限り受けます。
それでは