バカと喫煙と召喚獣   作:こげたろう

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第1話

またあの夢か

 

『………!………!』

 

なんて言っているかは聴こえないが、なんて言っているかは知っている

 

『………!……ぃ!』

 

だってこの夢は俺の思い出だから

 

『…ぬな!美…ぃ!』

 

けど、決していい思い出なんかではない

 

 

だって…

 

 

『死ぬな!美咲ぃ!』

 

 

大切な人が殺されるんだから

 

 

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ジリリリリリリリリ

 

「ん……」

 

 

毎朝聴いている時計のベルの音で、俺は夢から覚める。

 

何度も見てきた夢だから汗は掻いていないものの、やはりいい目覚めとは言えないものだから、朝から胸くそ悪い

 

 

「さっさと準備するか…」

 

 

そう、今日から俺菊池 潤は新学期が始まるため、タンスにしまってあった制服に着替えていた

そこからはいつも通りにコーヒーを淹れ、タバコをくわえて火をつけて…

 

 

「って、遅刻してんじゃん!」

 

 

呑気に朝のブレイクタイムを楽しんでる暇なんかなく、慌てて家を飛び出した

 

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「遅いぞ菊地!」

 

 

全力で走ったんだが、結局遅刻してしまった

 

 

「おはようございます西村先生、遅刻に関しての説教はまた別の機会にしてくれないっすか?」

 

「まったく、別に説教するつもりはないが、次からは気をつけるように」

 

 

呆れながら俺に茶封筒を渡してくれたこの男性は、本名西村宗一・あだ名は鉄人

ここ文月学園の教師にして、俺にとって信頼できる数少ない大人だ

 

 

「これってどうせクラス分けの結果ですよね」

 

 

この学校は毎年学年末時に、来年度のクラス分けの為の振り分け試験という名のテストがあるのだが、俺はその試験を受けていなかった…否、受けられなかったから、自分のクラスがわかっていた

 

念の為に封筒を開けてみると、やっぱり大きくFクラスと書かれていた

 

 

「ああ。お前には不要かもしれんが、これも学園の教育方針の一環だから…しかし、お前の件に関しては俺個人としては未だに納得がいかんが…」

 

「別に構いませんよ。どのクラスに行こうと俺はいつも通り過ごすつもりですし、なによりあいつらも一緒のクラスらしいですから」

 

「ふ、なら大丈夫だろうが、この一年精一杯楽しめ!」

 

 

俺は西村先生に一度お辞儀をしてから、自分のクラスに向かった

 

 

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「なんだこの教室」

 

 

まっすぐFクラスに来てみると、そこに待っていたのは馬小屋みたいな部屋…

 

表札には2-Fと書かれているから一応ここが俺のクラスなんだろうけど、流石にこれは酷い

振り分け試験の結果によってクラスも設備が変わることは知っていたのだが、ここまで酷いとは、流石は文月学園

 

 

「ま、いっか」

 

 

そう自分に言い聞かせながら、クラスの扉を開ける

 

 

ガラララララ

 

 

「遅れまs「早く座れこのウジ虫野郎が!!」あぁ!?って雄二か」

 

 

人生で初めて教室の入って罵言を浴びさせられたが、浴びせたのがこいつなら仕方ないな

ちなみにこいつは親友の坂本雄二で、昔喧嘩をしあったなかでもある

 

 

「なんだ潤か。随分と遅かったな」

 

「まあな。それよりなんでお前が教壇に立ってやがんだ?」

 

「俺がこのクラスの最高点数保持者だからな、自動的に俺が代表だ」

 

「ほう…なるほどな」

 

「これでこいつらは俺の手足も当然だ」

 

 

そういってニヤリとクラス全体を見下ろす雄二

 

なんで見下ろしているかというと、このクラスには椅子と机はなく、座布団とちゃぶ台と貧乏臭い設備だからだ

 

とりあえず座席は自由らしいので、他の親友のいる席の近くに移動する

 

 

「よう秀吉、康太」

 

「おはようなのじゃ兄上」

 

「……おはよう」

 

 

挨拶をすると、二人とも返してくれたところで、この二人も紹介しよう

 

 

まず始めに俺の事を兄上としたってくれている方が木下秀吉

 

一見するとそこらへんの女子よりも可愛い部類の女子に見えるが、立派(?)な男子だ

秀吉とはガキの頃からの付き合いで、気がつけば俺の事を兄としてしたってくれていて、オレもこいつを弟のようにしたっている

 

 

そしてもう1人のこいつは土屋康太

 

無口で大人しい性格だが、かなりの想像…妄想力と欲望に誠実な男で、この学園にかよう女子の情報はほとんど知っている

そして生徒の写真を昔は無許可(今は収入の3割渡すという契約を結んでいる)で他の生徒に販売している奴だが、信頼するに値するやつだ

 

 

ガラララ

 

「すいません遅れま「早く座れウジ虫野郎!!」

 

扉があいてまた雄二の声が聞こえてきたと思っていたら、またまた親友のおでましだ

 

あいつの名は吉井明久、俺や秀吉の中学からの親友で、友達思いのバカ正直なやつだ

 

 

「よう明久」

 

「おはようなのじゃ明久」

 

「………おはよう」

 

「あ、潤に秀吉に康太おはよう」

 

 

これでおそらくこのクラスにくるであろう親友はそろったかな

 

 

ガラララ

 

「すいません、そこを通してもらってもよろしいですか?」

 

 

今度はこの学校の教師である福原先生が入ってきて、雄二と明久を座らせる

 

あの先生はぱっと見は冴えないオッサンだが、中身はかなり優秀な先生で、オレも何度かお世話になっているが、福原先生が担任みたいだし、これはたのもしいな

 

 

「え~おはようございます。今年度皆さんの担任になった………福原です」

 

 

もしかしてチョークすら配布されてないのか?

こんなんじゃ授業もままならないだろうが、んなこと俺は知らん

 

 

「ではまず設備の確認をしてください。不備が見つかったら報告お願いします。なお必要なものがあれば極力自分で調達するようにください」

 

「先生、僕の座布団に綿があまり入っていません」

 

「我慢してください」

 

「先生、僕のちゃぶ台の脚が折れています」

 

「木工用ボンドが支給されますので自分で直してください」

 

「窓ガラスが割れていて寒いです」

 

「わかりました。ビニール袋とセロハンテープの支給を申請しておきます」

 

「「「本当にここは教室か!!!???」」」

 

 

福原先生…流石にFクラスとはいえそれは酷すぎませんか?

 

 

「では、自己紹介でも始めましょうか。そうですね。廊下側の人からお願いします」

 

「うむ、木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる。いい年間よろしく頼むぞい」

 

 

廊下側というと、俺も結構最初に自己紹介か…あまりしたくないんだよな

 

 

「………土屋康太」

 

 

康太の紹介短いな 

 

まぁ適当に話せばなんとかなるか

 

 

「……です。海外育ちで、日本語はできるけど読み書きが苦手です。あ、でも英語も苦手です。育ちはドイツだったので。趣味は―」

 

 

おっと、考え事していたら俺の前のやつが紹介していた

 

おそらくこの声は…

 

 

「趣味は吉井明久を殴ることです☆」

 

 

やはり島田か

 

こいつは島田美波 

自分でも言ってたが、ドイツで育ったいわゆる帰国子女というやつだが、意味もなく明久に暴力をふる奴だ

 

たしかこいつは明久に好意を向けているらしいのだが

 

 

「はろはろ~」

 

「し、島田さん」

 

 

勿論明久はそんな好意に気付くはずもなく、島田に対して苦手意識すら持っている

 

 

「菊地潤だ。基本的にあまり人は信用しないたちだがよろしく頼む。そして俺のダチに敵意を向けている奴には男女問わずに潰しにかかるから覚悟しておけ」

 

 

簡単にクラス全体に威圧をかけると、逆に睨み返してくる連中とうなずく連中とに分かれていた

 

もっとももともと学習能力の悪い連中だから期待はしてないけどな

 

 

「流石じゃな兄上、あの一言でクラスの連中に威圧をかけるとは」

 

「別に大した事はしていない。その気になれば秀吉にだってできるさ」

 

「それでもやはりあそこまではできんとおもうがの…」

 

 

「コホン、えーっと、吉井明久です。気がるに『ダーリン』って呼んで下さいね♪」

 

「「「ダァァァリィィィン!!!!!」」」

 

 

明久、お前とうとうそっちの道に進むのか…

 

あんあ連中の野太いダーリンをそんなにききたかったのか?

 

 

「失礼、忘れてください。ともかくよろしくお願いします」

 

 

やっぱり吐き気を覚えたのか、口を押さえながら席に座る

ギャグだとわかっていても、俺なら絶対にあんな挨拶はしないな

 

 

ガララララ

 

 

「あの、遅れてすみま、せん・・・」

 

「「「えっ?」」」

 

 

クラス全体が驚きを隠しきれていないが、今の状況を整理すると、ただ遅れてきた女子生徒が教室に入ってきただけだ

ただ、その女子生徒こそが問題なのだ

 

 

「丁度よかったです。今自己紹介をしているところなので姫路さんもお願いします」

 

「は、はい!あの、姫路瑞希といいます。よろしくお願いします」

 

「し、質問です!なんでここにいるのですか!?」

 

 

一見かなり失礼な質問だが、この質問にはクラス全体が同意しただろう

 

姫路はもともと学年次席の実力の持ち主で、Aクラスに入っていると皆が予想していたぐらいである

 

 

「そ、その…試験中に体調をくづして途中退席しまして…」

 

 

そういや明久が誰かを保健室に連れて行っているという話しを聞いたが、姫路の事だったのか

 

 

「そう言えば俺も熱の問題が出たせいでFクラスに」

 

「ああ。科学だろ?アレは難しかったな」

 

「俺は弟が事故に遭ったと聞いて実力を出し切れなくて」

 

「黙れ一人っ子」

 

「前の晩、彼女が寝かせてくれなくて」

 

「今年一番の大嘘をありがとう」

 

 

こいつらとはこのクラスに来た理由が天と地の差だな

 

 

「はいはい皆さん静かに…」

 

 

トントン バキッ!

 

 

「…教壇が壊れたので新しいものを持ってきます」

 

 

気まずそうに教室を後にする福原先生だが、今はそれに感謝をするとしよう

 

 

「秀吉、スマンが屋上で一本吸ってくるから、先生にはトイレに行ったと言っててくれ」

 

「む、了解したが、先生に気をつけるのじゃぞ?」

 

「はいよ」

 

 

カバンから愛用のマルボロを取り出してポケットに忍び込ませ、そのまま屋上にむかった

 

 

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一服から帰ってくると、なにやらクラスが盛り上がっていた

 

おそらく雄二の紹介で皆に例の計画を言ったんだろうな

 

そのまま扉を開けてこっそり席につき、そして…

 

 

「我々FクラスはAクラスに『試召戦争』を仕掛けようと思う!!」

 

 

雄二の計画の開始に対してニヤリとわらった




改めてはじめましてこげたろうと申します

この小説をよんでいただき、誠にありがとうございます


最低でも一週間に一度は交信していきますので、どうぞこれからも呼んでいただければ幸いです
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