非日常は突然に   作:釣りキチ

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完全新規投稿。クトゥルフの方もよろしくお願いします。


崩壊は突然に

もし、自分の親しいものが怪物になったとしたら、貴方はどうしますか?

 

自分を殺そうとしている、家族だったモノを殺せますか?

 

これは、狂気に満ちた、国家というモノが崩壊した後の日本のお話であるーー

 

 

▼▼▼▼▼▼

 

そのウイルスが侵食を始めたのは今から半年前の事だった。

感染すれば10秒と経たずに、怪物となる。

彼らは脳のリミッターが外れているのかは分からないが、筋力が強く人間の四肢なぞ簡単に引き千切ってしまう。

 

パンデミックが起こってからは慌ただしかった。

そこらじゅうで暴動が起き、死者は数万人にものぼった。

そして、その騒ぎを聞きつけけたのか、怪物が人を襲い始めた。

 

酷い有様だった。

町中が血で塗れ、死体の山が重なる。人がいなければ、死体を片付ける者もいない。

 

ただ、怪物は其処まで強くはなかった筈だ。

知性は無く、歩みも遅い。落ち着いて対処すれば簡単に鎮圧できた筈だった。

しかし、もっとも恐ろしいものは人間だった。

 

世界の終わりだと騒ぎ、喚き、パニックとなった。

住民の暴走のために警察や自衛隊が出動した。

そうなれば怪物を鎮圧に行くものは少数になる。

自衛隊はまともに機能せず、あっという間に壊滅した、

 

自衛隊がいなくなった日本は、すぐに崩壊した。

 

◆◇

 

「………」

 

荒らし尽くされたコンビニを見て溜息をつく。

もうそろそろこの町から離れなくてはいけない。

 

この町に暮らして半年が経った。

付近のゾンビ(・・・)は粗方狩り尽くし、危険はなくなった。

しかし、問題は食糧だ。

食糧が無ければ移動するしかない。移動しなければ餓死する。

 

最初の頃は自分にも仲間がいた。

でも、殺した。

その仲間を殺した理由は様々だ。

ゾンビに噛まれて感染したものを殺したり

裏切り者を殺したり

 

「もう疲れたな…」

 

ねぐらに戻ってから、そう呟いた。

もう心身ともに限界だった。

だが、そうも言ってられない。

僕は生きなければならないーー

 

 

 

 

ーー外から騒がしい。

身体が怠い。どうやら眠ってしまっていたようだ。

気だるい体を起こしながら外を見る。

するとそこには男女がいた。

何処から連れて来たのかゾンビに襲われている。

 

自分以外に生きている奴がいたのは驚いたが、助けなくてもいいだろう。

そう思っていたのだが。どうやら恐怖で動けないようだ。

眺めているうちに男が噛まれた。

男が叫び声を上げながら辺りを血で染めていく。

 

そろそろ彼も怪物と化すだろう。

冷めた目で見ていると、女性がこちらに気が付いた。

 

「助けて!お願い!助けてください!」

 

それを冷めた目で見ていると男が起き上がった。ゾンビ化だ。

僕は窓を閉めると再び眠りに就いたーー

 

 

 

 

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