どれ位の時間が経っただろうか。
壁に据え付けられてる時計を見ると、この部屋に案内されてから30分程が経過していた。
その間に水を飲んだり寝転んだりしていたが特に動きはなく、時々聞こえる話し声等を聞き流していた。
(なるほど…出撃して敵と戦っているなのか。電や大和達が無事だといいんだが…)
まだ出会って間もないが、知り合ってしまった以上、知っている人物が無事なのを祈っていた。
そうして暫くの時間が過ぎ、俺が部屋を歩いていると誰かがこっちに向かってくる音がした。
(おいおい、今度はなんだ?いくら何でも急ぎすきじゃないか?)
かなり急いでいるのか、ドタドタと走る音は次第に部屋に近づいていた。そして…
「おいあんた!ちょっとこっちに来てくれ!」
突然部屋に入ってきた人物は、声を荒らげながらも俺に話しかけてきた。
「何かあったのか?」
「あったから言ってんだよ!とにかくこっちに来てくれ!」
名前も名乗らず藪から棒に指示する人物に従いながらも俺は疑問に思った。
(いくら急いでいるからといっても、突然ここに現れた俺を急かす程の何かがあったのか?…まさか)
そうして考えを巡らせながらも目の前の人物についていくと、とある部屋に案内された。
(また部屋か。しかし、さっきより豪華な部屋だな。)
何気なく思いながらも案内された部屋に入ると、そこには2人の人物が居た。
「天龍。この人が例の客人か?」
天龍「あぁそうだ。つっても、客人としてじゃなくて妖精が見えるから呼んだんだろ?いくら見えるからって、いきなり指揮させるのは無理じゃないか?」
…おいちょっと待て。指揮?
聞き逃せない言葉を耳にした俺は目の前の人物に疑問が浮かんだ。
「なぁあんた。ちょっと待ってくれ。俺はここに一時的に避難しただけだぞ?指揮?何を言ってるんだ。それに、仮に俺が指揮するとしてそれは誰が許可したんだ?ここの指揮官はどうした?せめて指示を願うのなら、その人が直々に俺に言うべきナノではないのか?」
こんな見ず知らずの他人に1部隊を指揮させようとする事に戸惑いと苛立ちを覚えながら、目の前の人物に質問した。
「むぅ…確かに貴方の言う通りだ。無礼を働いてしまい、申し訳ない。」
俺は先程まで天龍と話していた人物に注目した。
「私は八八艦隊計画の第一号艦として生まれた、長門型戦艦のネームシップ、長門だ。横にいるのはこの横須賀鎮守府の任務娘、大淀だ。」
大淀「初めまして。大淀と申します。私はここの鎮守府の提督の補佐をしています。今は訳あって長門の補佐をしています。」
男「なるほど。長門さんに大淀さんか。よろしくお願いします。」
長門「失礼だが貴方の名前を聞いてもいいか?」
(参ったな…。そういえば初めに会った電にも伝えてなかったな。)
俺は自分が記憶を失っているという事を伝え忘れていた。誰に名前を聞かれてもはぐらかしていたが、この状態ではこの様に言っても意味が無いだろう
俺は一瞬の間を置き、こう切り出した
男「俺の名前は…鳳 政宗だ」