記憶を無くした男が提督になるそうです   作:鳳 政宗

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少々無理矢理感がありますが、タイトル回収の回です。


第6話 提督が鎮守府に着任しました。これより、艦隊の指揮に入ります!

長門「鳳殿。突然の事で混乱していると思うが、こちらも混乱しているところなのだ。説明不足で申し訳ないを」

 

鳳「大丈夫です。混乱しているなら仕方ありませんね。ところでさっき言っていた指揮、というのは…?」

 

長門「あぁ、その件だ。済まないが手短に説明させてもらう。現在、我が横須賀鎮守府は深海棲艦の襲撃を受けている。現在出撃している艦娘達が街を守るために防衛しているが、敵の勢いが凄まじく、本土防衛用の最終防衛ラインに迫りつつある。このままではこの鎮守府はおろか、横須賀の街、更にはこの本土が参加に晒される事になる。なので提督代理である私や他の艦娘達も出撃する事になる。しかしそうすればわが艦隊を指揮する人物が居なくなる。そこで…」

 

鳳「俺の出番、という訳か。しかし何故俺なんだ?いくらなんでも俺の他に代わりはいただろう。いくら指揮官の代わりをしていた長門さんが出撃するからと言って、自分達で判断して行動することは出来ないのか?勝手にやれ、という訳ではないが、それが無理なら他の艦娘達に頼むとか…」

 

長門「長門で構わない。確かに鳳殿の言い分も分かる。しかし、それが出来ない理由があるんだ。」

 

鳳「理由…?」

 

長門「私達艦娘は出撃して会敵すると目の前の事に集中する。言うまでもなく命懸けで、だ。いくらレーダーや無線等があると言ってもそう言ってられない状況だってあるんだ。そんな訳でどうしても離れた場所から私達を指揮する人物が必要になる。」

 

鳳「それが提督、であり俺、という訳か。」

 

長門「あぁ。そういう事だ。」

 

今までの会話で長門達の置かれている状況をある程度は理解した。しかし今の会話ではどうしてもわからない事が1つだけあった。

 

鳳「言いたいことはわかった。しかし1つだけ理解出来ない。本来の提督はどこなんだ?その人が居ればそもそも艦娘が艦娘を指揮する必要はない筈だ。」

 

長門「確かにそれが出来たら苦労しない。しかし、それが出来ない決定的な理由がある。」

 

鳳「理由…?」

 

長門「あぁそれは…」

 

そこまで話すと、隣で話を聞いていた大淀が話しだした。

 

大淀「長門さん。ここからは私が。貴女は早く出撃し、前線の味方を援護してきて下さい。」

 

長門「わかった。すまないが鳳殿。ここから先はこの大淀に聞いてもらいたい。」

 

鳳「話は聞くが指揮するかどうかはわからないぞ?」

 

長門「…頼む。情けないが今の私には鳳殿に頼むしかないんだ。」

 

初めて長門が弱気な発言をした気がした。

 

長門「…そろそろ出撃する。おい天龍。待機中の艦娘達に出撃の指示をしてきてくれ。」

 

天龍「やっと話は終わりか。よっしゃ!腕がなるぜ!」

 

この時を待ちわびていたかの様な雰囲気で天龍と長門は部屋を出ていった。

 

大淀「鳳さん。先程の長門の話を続けさせて貰います。本来の提督が指揮しない理由は…

 

 

 

提督はもう、死んでしまったからです。」

 

鳳「!?!?!?!?」

 

おいちょっと待て。この鎮守府の大将である提督が死んでいる?昨日と今日で色々驚いたが今の発言は1番驚いたぞ

 

そう言いたげな目を大淀に向けると、大淀はその視線を予想していたかのように話を続けた。

 

大淀「えぇ…。残念ながら。提督はつい先日、とある作戦に艦娘達に同行していました。作戦といっても難易度は高くなく、練度の低い艦娘達がより的確に動ける様に、との事でした。しかしその作戦の最中で未確認の深海棲艦が現れました。その敵は凄まじい勢いで艦娘達を大破に追い込み、あろう事か提督が乗っていた船を攻撃しました。勿論、艦娘達が大破に追い込まれるほどです。中には轟沈寸前まで追い込まれる程に…。そんな攻撃をただの人間である提督が受けたら…もう…」

 

そこまで話して大淀は声を弱らせた。心無しか、俯きながら体が震えているようだった。

 

大淀「確かに戦うだけなら指揮はあった方がいい、と言うだけですが指揮官が居るのと居ないとでは大きな違いがあります。」

 

鳳「違い?」

 

大淀「えぇ。先程も申した通り、提督はお亡くなりなりました。勿論つい最近の事なので大半の艦娘はそのショックから立ち直ってはいません。自分達を指揮してくれる人物がいる、その安心感だけでも艦娘は精神的に楽になります。それはあの長門も同じです。」

 

あの長門が?見ただけでは疲弊している様には見えなかったが…

 

大淀「鳳さんも見ていた様に、長門は感情を表には出しません。しかしその不安定な状況で戦いをさせると被害が甚大になり、轟沈の可能性もあります。確かに提督なら誰でもいい、という訳ではありませんが、戦況を分析し、指揮をする人物がいてこその艦娘です。」

 

鳳「…1つだけ教えてくれ。何故俺なんだ?」

 

大淀「鳳さんは妖精が見える、との事でしたね。鎮守府の提督になるには条件がありますが、それらがクリア出来なくとも絶対に見逃せない条件があります。それが…」

 

鳳「妖精が見える、か」

 

大淀「はい。その通りです。」

 

鳳「話はわかった。最後に1つだけ教えてくれ。」

 

大淀「なんでしょう?」

 

鳳「俺を指揮官にしようとしたのは誰だ?」

 

大淀「…長門です。」

 

あの長門が…

 

大淀「電が貴方を連れてきた時点で妖精が見える人物、というのはすぐに私達に伝わりました。その報告を聞いた時点で長門は真っ先に鳳さんを指揮官にする事を考えました。」

 

鳳「…」

 

大淀「勿論、ビッグセブンと呼ばれる長門が浅はかな考えを持っている訳では無いのは理解しています。長門は私達にこう言いました。

 

長門((似ている、な…あの提督と。))

 

その言葉を聞いて私達は長門の提案に賛成しました。」

 

鳳「なるほどな…」

 

大淀「つまり、赤の他人ではある鳳さんにはこれまでにない程の迷惑をお掛けする事になります。前の提督に似ている、という理由だけで、艦娘のモチベーションの為に利用する事になります。本来なら絶対にあってはならない事ですが、指揮官が必要なのも事実です。」

 

鳳「…」

 

大淀「お願いします。今回だけでも構いません。我が横須賀鎮守府の提督として、私達の指揮官になって頂けませんか?」

 

鳳「…」

 

大淀「お願いします!鳳さん。どうか、どうか…。」

 

断腸の思いとはこの事か。確かに深海棲艦に対抗できるのは艦娘しかいないらしい。その艦娘達が戦えなくなるとこの街だけでなく、この本土も危険にさらされる。しかしこの大淀の提案を受ける、という事は俺は本土の人達の為に犠牲になる、という事。

俺もそこまでお人好しではない…つもりであったが…

 

大淀「ツッ…」

 

目の前の人物の言葉、長門の言葉、どれも嘘偽りなき言葉と思える。ここで拒否して今後、何かしらの被害が及ぶ事を考えると、否定する気持ちは消えた。

 

鳳「…わかった。俺でいいなら引き受けよう」

 

大淀「ありがとう…ございます。」

 

鳳「ただ、条件がある。」

 

大淀「はい?」

 

鳳「まず1つ。いきなり見ず知らずの人間である俺の指示を聞く事に不安を覚える艦娘もいるだろう。しかし、1度引き受けた以上、俺は何があっても貴女達を1人も轟沈させずに帰還させてみせる。だから、どんな命令でも確実に従う様に通達してくれ。」

 

大淀「はい。」

 

鳳「それと…」

 

大淀「それと…?」

 

鳳「今回だけ、じゃない。この先、新しい提督が来るまで俺がこの鎮守府を預かる。いいな?」

 

大淀「はい!」

 

鳳「あぁ、任せてくれ。」

 

大淀「では、取ってつけた言い方になりますが…

 

 

 

 

 

 

 

提督が鎮守府に着任しました。これより、艦隊の指揮に入ります!」

 




これにて(記憶を無くした男が提督になるそうです)の第1章の完結と致します。

最初に付けていたタグである(R18)(残虐な表現)(チート)に関しては申し訳ありませんが外させて頂きました。続編にて少しずつ回収していく所存です。

初めはとある友人に感化され、このssを執筆致しましたが、勿論このままでは終わりません。未回収のタグも含め、これから主人公である鳳 政宗がどうなっていくのかを末永く見守って頂けると幸いです。
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