やはり俺がようかいなのはまちがっている。   作:Wiiが欲しいと思わない。

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原作で妖怪みたいに扱われているヒッキーですが、本当に妖怪にしたらどうなるか考えて投稿してみました。

『ようかい』の方のキャラは菊水(婆)以外は出てきません。

てかこの作品もアニメ化しないかな……?


雪の妖怪 雪ノ下 雪乃

“高校生活を振り替えって

 

2年F組 比企谷 八幡

 

“青春とは嘘であり、悪であり、人間とは悪魔である。

青春を謳歌せし人間達は自己とその周囲を欺く。

それは人間と妖怪が共存している現在でも変化はない。

ましてや魚の妖怪は大昔に人間に肉を食えば不老不死になるなどとデマを流されひどい目に逢わされてきた。

さらには致命的な失敗をしても「若気の至り」で片付ける。

仮に失敗する事を青春とするならば、人間との繋がり型に失敗した事も立派な青春であるはずだ。

さらに言えば薬の調合に失敗したのも立派な青春でなければならないはずなのだ。

しかし、人間はそれを青春とは認めないだろう。

青春とは人間達のご都合主義の押し付けでしかないのだ。

つまり青春を謳歌することのできない妖怪が真の正常な存在と言える証明になる。

 

結論を言おう。

 

青春を謳歌する人間なんて滅んでしまえ。”

 

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

 

「えっとだな、比企谷。私はこの作文のテーマを何にした?」

「高校生活を振り替えって。ですよね?」

「ああ、そうだ。それがなんだ? この妖怪と人間の共存に亀裂を入れそうな舐めた作文は、あと、魚の妖怪の肉を食べると不老不死になるってデマなのか?」

「俺はキチンと高校生活を振り替えってますよ。入学早々に交通事故にあって、しかも逢わせた人間は見舞いにすら来ない。流石に俺も人間嫌いに決定打を打たれましたね。あとデマですよ」

「くぅ、何とかしてこれ以上老いない身体にしてもらおうかと思っていたのに……まあ、いい、君は死んだ魚のような目をしているな……」

「そりゃ、俺、魚の妖怪ですし……DHA豊富ですし」

「せめて新鮮な魚介のような輝く目をしろ」

んな、無茶な……てかこの人、俺の肉を食う気か!?

「俺は食用じゃないので」

「……本当は食べられたくないからそういった嘘を言ったんじゃないのか?」

「不老不死の話は俺ら魚の妖怪が作る薬や毒の影響がコロコロ変わって伝わってるだけですよ。ちなみに不老不死の薬は俺には作れません」

「く、そうなのか……だが比企谷。君は人間に恨みでもあるのか?」

「魚の妖怪は基本、人間は嫌いですよ」

「そうじゃない。君の種族的な事ではなく君自信に恨みでもあるのかと聞いているんだ」

「まぁ、昔から魚の妖怪で生臭いとかエラ呼吸と肺呼吸間違えて死ねだとか、散々に言われ続けましたからね。恨みはありますよ」

「あー、なんだ。大変だったんだな……」

「人間風情で同情しないでくれますか? 妖怪なら誰もが抱えているような悩みですよ?」

「そうか? うちのクラスの三浦は悩んでいるようには思えんが……」

「あんなプライド捨てて生き延びてきた妖怪と一緒にはされたくないですね」

三浦とはうちのクラスの猫の妖怪だ。基本的に猫の妖怪はプライドを捨てて人間に可愛がられて養われてきたから人間に恨む気持ちはない。

「今の世の中、妖怪と人間が共存してるのはいいですよ。でも妖怪と人間の差別は減らないどころか増えている」

ちなみに妖怪か人間かをわかりやすくするために妖怪は右腕に腕章の着用を義務づけられている。

「かの有名な雪の妖怪なんて買い物が全て三割引とか贔屓までありますし」

「そうなのか!? 妖怪も人間社会に馴染んできたな……」

平塚先生は話を変える。

「比企谷。お前、友達とかいるのか?」

「人間の友達はいませんね」

「妖怪の友達もいないだろ。なら、彼女とかいるのか?」

「人間の――「ああ、わかった。いないんだな」」

聞いといて被せてくんなよ……先生だって独身のくせに……

「よし、作文は書き直し。並びにお前には罰として奉仕活動をしてもらう。ついてこい!」

俺は平塚先生に連れられて空き教室へ来た。その教室からは何やら冷気みたいなものが出てきているのだが?

「雪ノ下! いるかね!」

「……先生。ノックをしてくださいと何度も言っていますが?」

「しても君は無視するじゃないか」

「返事をする前に開けるからです。ところでそちらのヌボーとした彼は?」

「初対面でいきなり失礼だな。雪ノ下雪乃」

「……なぜ私の名前を知っているのかしら……貴方、ストーカー?」

「ほほう、去年いきなり妙な頼み事してきたくせに知らんぷりか? 本当に失礼だな。雪の妖怪は優しくされると溶けるから他人に冷たくしてもらう必要があるからと言っても筋金入りだな」

「……あら? 雑魚妖怪が何か言ったかしら? 文字通り雑『魚』妖怪君」

そんな俺と雪ノ下の会話に平塚先生は入る。

「……えっとだな、君達は知り合いなのか?」

「「いいえ」」

「あー、知ってはいるが知り合いではないと?」

「まあ、そんなところです。で? そこの雑魚妖怪を連れて平塚先生は何の御用ですか?」

「本当ですよ。魚の妖怪の俺をこんな冷凍庫に連れてきて、俺を冷凍魚にでもする気ですか?」

「あー、つまりだな。比企谷、君にはここで部活動を命ずる! こいつは見た目通り性格はひねくれている問題児だ。ここで更正の依頼を雪ノ下に与える」

「お断りします。こんな雪女と同じ空間にいちゃ命の危険を感じますので」

「……それは私の台詞ではないかしら……?」

室温、さらに5度低下。

「君の更正の為だ。君に拒否権はない」

「妖怪共存法第八条【あらゆる学校、会社等の勤めの場において身体的能力的に相性の悪い妖怪同士を同じ教室、チーム、部署等に配属してはならない】これはあきらかに、そこに該当しますよ? 魚の妖怪は雪の妖怪や猫の妖怪と同じにはできないはずでしょう? 俺に凍りついて死ねと?」

ちなみにこの法律の発端は炎の妖怪と氷の妖怪と植物の妖怪を同じクラスにして問題になったことから起こったらしい。

「な!? い、いや、これは別に部活動だろ? 関係ない! と、とにかくだ! しっかりと励め!」

平塚先生は教室を出ていった。

「んじゃ、俺、帰るわ」

「待ちなさい。私だって嫌だけど依頼されたからには貴方の更正をしなくてはならないの。それに例の頼み事も聞いてもらわなくては困るもの」

「ごあいにくさま、俺は更正なんざする気はねーし、お前の頼み事も聞く気はねーよ」

「それは貴方がただ単に逃げたいだけでしょう?」

「逃げて何が悪いんだよ。魚の妖怪は人間や他の妖怪に命を狙われながら必死に逃げ延びて生きてきたんだよ。雪や氷だして呑気に生きてきた妖怪に言われたかねーよ」

 

「だから私は雪の妖怪を辞めたいから貴方に人間にしてほしいって頼んだんじゃない!!」

 

雪ノ下が怒鳴った。

そう、さっきから言ってる雪ノ下からの頼み事とは『人間になる秘薬』を作って欲しい(もしくは譲って欲しい)とのことだ。

魚の妖怪とイタチの妖怪によって大昔に完成したこの薬を欲しがる妖怪はわりといる。

そして俺はそれをとにかく拒否ってる。

「私は雪の妖怪であるせいで人から嫌われたわ。『冷蔵子』なんて渾名までつけられて。勿論優しくしてくれた人もいたけれどその優しさに触れたら今度は溶けて私自身の命が危なくなる……だから距離を置くしか無くて私は一人になる……こんな冷たい妖怪を辞めたいから貴方に頼んだのよ……」

「へ~、大変だったんだな~」

「ええ、大変だったわよ。私、可愛い上に成績もいいし、名門の雪の妖怪だから。だからまず人間になって人の上に立つ存在となって変えるのよ、この世界ごと」

「努力の方向が明後日方向に向きすぎだろ……」

「それでも貴方のようにぐだぐだ乾いて果ててしまうよりましよ。あら、貴方はくさやだったのかしら?」

「いきなり人を干物扱いかよ。一応生物ですよ。つーか、それはただのお前の自己満足だろうが。俺は魚の妖怪であることを別に嫌とは思わねーよ。つーか人間になりたいなんて思うやつの気がしれねぇ。それになったらなったで人間になったそいつの親兄弟から散々に俺らは愚痴られるんだぞ? いい迷惑だ。ちなみに愚痴られるの話のソースはうちのばーちゃんだ」

「つまり薬自体はあるのね」

「まあ、それはおいといて、もっと言えば嫌だから辞めたいなんてただのワガママだろうが。変わるってのは現状からの逃げだ。さっきお前が否定したな。だったら現受け入れてその場で踏ん張る方が現実的だろうが」

「それじゃ、悩みは解決しないし、誰も救われないじゃない!」

「そこまでだ、二人とも!」

教室に平塚先生が戻ってきた。

「比企谷! よくも騙したな! 別に魚の妖怪と雪の妖怪は一緒にしたらいけない組み合わせではないじゃないか!」

ち、バレたか。そう、むしろ魚の妖怪は雪の妖怪の冷気に耐性があるのだ。だから俺はここにいても半冷凍状態にしかならない。

「妖怪法を調べに職員室へ戻っていた間に何やら私好みの展開になってるじゃないか……よし、ここは勝負で決めようじゃないか」

「……勝負?」

「この部は『奉仕部』と言ってな『魚が欲しい人には魚をあげるのではなく魚の捕り方を教えてあげよう』と依頼解決の手伝いをするのが活動だ。だからこの部に依頼人を送り解決に多く貢献した方が勝利。勝った方は負けた方に何でも一つ命令できる」

「いいでしょう。その勝負うけましょう」

雪ノ下が真っ先に賛同した。

「よし、ちなみに比企谷には拒否権はないから成立だな」

「ちょっと待ってください。それは俺に不利じゃないですかね?」

「なんだ? 自信ないのか?」

「ええ、ありませんね。というか平塚先生を信用できませんし。雪ノ下を贔屓する気満々でしょう?」

「そんなことはない。勝負の審査は私の独断だが平等に審査する」

「それをどうやって証明します? そうだ。誓約書作るのでそれにサインと拇印押してください」

「そ、そこまでする必要あるのか!?」

「でないと信用できません」

「……わかった。だが、そろそろ下校時刻だ。それは後日でいいか?」

「わかりました」

こうして、俺と雪ノ下による。わけのわからない勝負が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私が勝ったら例の薬を譲って貰うわ」




次回は由比ヶ浜登場!

由比ヶ浜をサキュバスとかのエロい妖怪だと思った人。
安心してください。
人間ですよ(ネタバレ)
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