やはり俺がようかいなのはまちがっている。 作:Wiiが欲しいと思わない。
由比ヶ浜は人間だと前回言いましたが『ただの』ではありません。
それでは本編どうぞ。
「比企谷、そっちは部室じゃないぞ?」
「なら、この誓約書にサインと拇印。お願いします」
「……なあ、本当にしなくてはいけないのか?」
「なら、俺はあの勝負を受けませんし、部にも入りません」
「まてまて、君の為だ。それにサボれば三年間で卒業できるかわからんぞ」
「そうですか……では先生のために作ってきたこの『若返りの薬』も必要ありませんね。捨ててきます」
「まて、わかった。サインと拇印を押すから部室へ行け。そしてそれをよこせ!」
平塚先生はサインと拇印をした。
「これでいいな。部活へ行けよ……ふふふ、これで婚期が……」
ちなみに薬は本当はただの頭痛薬。すみませんね。
「はぁ、わかりました」
……。
…………。
………………。
「あら、来たの? もう来ないと思ったわ。それとも負けを認めて薬を渡す気になったのかしら」
「来たくて来たわけじゃねーよ。あと、人間になる薬はやらんからな」
俺は雪ノ下に言って、鞄からマフラーを出す。雪ノ下がいるせいで寒いからね。
すると…
「し、失礼しまーす……って寒っ!? って、なんでヒッキーがここにいんの!?」
部室にお団子頭の人間がやって来た。てかヒッキーって誰? 俺のこと?
「いや、誰だよ?」
「はぁ!? クラスメイト覚えてないとかマジキモい!!」
「貴方のクラスの由比ヶ浜結衣さんよ」
「あ、雪ノ下さんはあたしのこと知ってるんだ……」
「ええ、ところで奉仕部に御用かしら?」
「あー、うん、その……ね」
由比ヶ浜は俺をチラチラ見ながら言う。
「ちょっとマッカン買ってくる」
俺は席を外した。雪ノ下が何か言っていたような気もするが無視した。
……。
…………。
………………。
部室に戻ってくると、調理室へいくと言う。
依頼内容は手作りクッキーを渡したい人がいるので作るのを上手になるのを手伝って欲しいそうだ。
そして第一号は……
「なにこれ木炭?」
「えっと……一応クッキー……」
「なぜあそこまでミスを繰り返せるのかしら……」
「由比ヶ浜、お前って錬金術士か何かなの?」
「普通の人間だし!?」
いや、普通の人間はクッキーの材料で木炭は作れないと思いますよ?
まあいい。これにあれを使えば……
「えっと確か……ここに……お、あったあった」
「なにそれ?」
俺は鞄からある薬瓶を出した。
「これは魚の妖怪秘伝の『どんなに不味い物でも美味しいと錯覚させる薬』だ。これをこのクッキーに垂らして――」
「待ちなさい。それは最終手段よ」
「それで解決しちゃうの!?」
「――だが、これがダメなら由比ヶ浜が二度と料理しない以外の選択しかないぞ?」
「それは本当の本当に最終手段よ」
「だからもう少し希望持てる選択肢ないの!?」
そんなこと言ってもな……
「とにかく練習しかないわね……申し訳ないけど私は体質上、熱に触れられないから比企谷君。私の指示通りに作ってもらえるかしら?」
「魚の妖怪なめんな。薬作りで繊細な作業になれてるから料理は得意なんだよ。お前に指示されるまでもねぇ」
「……ヒッキー料理できるんだ……」
というわけで俺がクッキーを作って見せた。
「う~、美味しい……さっきの薬使ってないよね?」
「まともで驚きだわ……さっきの薬使ってないわよね?」
「薬の疑いばっかすんなよ。使ってないからな」
全く、失礼な妖怪と人間だ。
「それじゃ、今俺が作ったのを見本に俺の指示通りに作れよ」
「う、うん……」
由比ヶ浜は不満顔だったが俺は細かく教えた。が……
「ん~……なんか違う……」
「ま、これに秘薬使って渡せばいいんじゃね? つか依頼内容的に旨いクッキー作る必要すらないわけだし……」
「え? どうして」
「折角の『手作り』なんだ。作るための努力がわかれば最低限食える物さえやれば単純な人間なんて大抵惹かれるだろうよ」
「それってヒッキーも?」
「いや、話聞いてた? 人間ならって言ったんだけど? 俺は妖怪だぞ?」
すると、由比ヶ浜はポカンとした顔でいった。
「今時人間も妖怪も関係なくない?」
と、それは俺にはあまりにも以外な言葉だった。由比ヶ浜は人間と妖怪の差別感情を持っていないのか、それともただのアホか……
「んで、どうなの? ヒッキー」
「ま、まあ、相手が人間でも妖怪でも嬉しくはあるな……」
「そっか……そうなんだ……よし、やっぱり自分で頑張ってみる」
由比ヶ浜はそう言って道具を片付け始める。
……すると……
「……あれ? こんな包丁あったっけ?」
ん? クッキー作りに包丁なんて必要ないが?
由比ヶ浜は包丁を握りしめて何やら固まっていた。そして――
ぶんっ!
思いっきり俺に向かって振り切ってきた!?
危ねっ!?
「行きなり何すんだよ、由比ヶ浜!」
「『長いこと持ち主がイナカッタせいで体がうずいておる……血が吸いたいとずっと思っておった……汚らわしい妖怪共よ、我が刃の錆にナルガヨイ……ふはははははははははははは』」
なんだ? 由比ヶ浜の声が重なって聞こえる? てかしゃべり方も変だし……
「ひ、比企谷君。ゆ、由比ヶ浜さんはいったいどうしたの?」
「さあな、さっきの包丁が何か異様な力持った物だったとかで取り憑かれたんじゃね?」
「取り憑かれた……なるほど……なら」
「『ふはははははははははははは! さあ、我に血を見せ―――(ゴッ!)――きゅうぅぅ……』」バタン
雪ノ下が氷を由比ヶ浜にぶつけた。
うわー、強っ……まぁ、雪ノ下家は雪と氷の大妖怪だしそりゃ強いよな……ちなみに俺の戦闘力は薬を使えば人間には負けないレベルだ。
雪ノ下は由比ヶ浜から包丁を離して体を揺する。俺は由比ヶ浜の口のなかに気付け薬を入れて飲ませる。
「はっ! あ、あたし、いったい何を!?」
「由比ヶ浜さん、貴方は包丁の呪われた力に取り憑かれたのよ」
「ふぇ!? あー、またか~……」
え? 前にもとりつかれた事あるの?
「あたしなんでかつくもかみ?とか呪いとか幽霊とかに取り憑かれやすいんだよね~。なんでだろ?」
「そりゃあ……頭からっぽだからじゃね?」
「酷っ!? よく言われるけど酷いっ!?」
言われるのかよ……
「うぅぅ、まさかこんなところにそんなものがあるなんて~……」
「……人間も大変なのね」
「そーだな。だがら雪ノ下、人間になりたいなんて願望は捨てとけ」
「それはどういう意味かしら」
ヒョオオォッ! と部屋の温度が5度は下がった。おーさむさむ……
「ひぃ、さ、寒い……」
由比ヶ浜は寒さに凍えていた。
「あっ、由比ヶ浜さん。ごめんなさい。すぐに戻すから……」
室温が元に戻る。
「ふえぇ、雪ノ下さんって凄いね。流石だね、成績よくて、綺麗で、強いなんてかっこいいし憧れるな~」
「あ、ありがとう……」
「ヒッキーもよく話すし……ねーあたしも奉仕部に入れてくれない?」
「え? そ、それは……構わないけど……」
「やったー、ありがとゆきのん!」
由比ヶ浜は雪ノ下に抱きつく。おいおい、ヤバくね?
「ちょっ! ゆ、由比ヶ浜さん!? 抱きつかないでちょうだい!?」
「えー、あたしはゆきのんと友達になりたいと思って。迷惑だった?」
「め、迷惑ではなく、むしろ、私は嬉しいのだけど……私にあまり優しくしないでもらいたいと言うか……」
「え!? どうして!? 友達に優しくしたらダメなの!?」
「い、いえ、私は雪の妖怪だから優しくされたり暖かい感情を向けられると―――」
雪ノ下がこの言葉を言う。
「――(ボタボタ)溶けて命の危険に曝されるのよ……」
雪ノ下が溶けだした。雪ノ下の体からボタボタと水が流れる。
「うわー!? ゆきのん、ごめん!? あわわわわ!? どど、どうしたらいいの!?」
「冷たい感情をぶつければいいんだよ。悪口とか罵倒言ってやれ」
「と、友達にそんなこと言えるわけないじゃん!」
雪ノ下。さらに溶ける。
「うわーん!」
仕方ねぇな……
「雪ノ下、さっさと俺の前から消えろ。近づくんじゃねーよ冷凍子」
雪ノ下、少し再生。
「……比企谷君。今だけは感謝するわ……」
雪ノ下は調理室から出ていった。
「ねぇ、ヒッキー……」
「なんだ? 由比ヶ浜」
「あたしとゆきのんって友達だよね?」
「さあな、俺からわかることは……………………お前らの相性は良くないって事だ」
「うわーん!」
由比ヶ浜も調理室を出ていった。
……。
…………。
………………。
後日。
「なんでいるの?」
「昨日入るって言ったじゃん!」
「雪ノ下溶けるぞ?」
「うっ!? で、でもそれはあたしが頑張れば……」
「由比ヶ浜さん。貴方が近くにいるだけで私は溶けそうなんだけれど……」
「え!? 大丈夫!?」
いや、だから心配したら逆効果でしょう?
そんな風に俺は対雪ノ下への協力な盾を手にいれたのだった。
由比ヶ浜は原作ようかいのしのぎと福住みたいな扱いです。
次回は猫の妖怪登場。
一話をちゃんと見れば誰だかわかりますよね?