ここは九州のどこかにある空見町。人口7000程度で山に囲まれた小さな町でこれといった名物もなく、あるとすれば樹齢四百年を超える大きな桜の木があるぐらいの平和な街だ
そんな平和の街にある日、突発的な変化が訪れた
※※※※※
朝日が差し込み目覚ましが鳴り響き目が覚めた。眠たい目をこすりながらノロノロと起き上がりリビングに向かうと台所ではグツグツと煮える音が聞こえてくる
「おはよう~日和」
「あ、おはようございますシュウ君」
台所では幼馴染で現在シュウと同居している風音日和がエプロン姿で朝食の準備をしていた
日和はシュウの幼馴染で小さい頃に日和の両親が相次いで亡くなり親戚の家に引き取られる事になったが日和の町に残りたいという強い気持ちを尊重するためにシュウの親が日和を引き取りシュウの家で一緒に暮らしていた
しかしシュウの両親が突然の長期海外出張が決まり現在はシュウと日和の二人で暮らしている
「もうすぐで朝ご飯が出来ますのでちょっと待っていてくださいね」
「わかった~」
いつもの指定席に座りテレビをつけると朝のニュースが流れニュースを聞き流していると日和が朝食をお盆に乗せてやってきた
「朝ご飯が出来ましたよ」
「待ってました」
今日の朝食のメニューは悟飯に味噌汁、日和が育てている野菜で作った漬物とサラダに目玉焼きと朝から豪華だ
「じゃあいただきま~す」
「いただきます」
今日も朝ご飯が美味しい。代り映えのない日常だが俺はこんな日常が大好きだ
「ふぅ~ご馳走様でした」
「お粗末様でした」
「じゃあ、片付けはしておくからな」
「お願いします。私は畑を見てきます」
朝食後は日和は家の畑を手入れしてシュウは朝食の後片付けをするんという役割分担をしている
食器の後片付け、食器洗いを終えると日和が家に戻ってきて二人共、制服に着替える
「じゃあ行くか」
「うん」
家に鍵をかけ学校に向けて出発する
「今日も静かだなこの町は」
「そうですね。何か良い事がありそうですねシュウ君」
「そういう日に限って部長が何かしでかすんだよな・・・」
「部長って守形先輩?」
「うん。あの人は頭はいいけど何というか」
守形先輩とはシュウ達の通う中学の先輩でかなりの変わり者である。人類が未だに到達していない未知の場所『新大陸』を発見するために新大陸発見部という部活の部長をしている
ちなみにシュウは副部長をしている。理由は新大陸に行けばアニメや漫画の世界に繋がる技術があるのではないかという期待を込めて入部したが現在部員はシュウ達だけというのが現状だ
学校に到着しいつものように授業を受けて午前が終わりお昼休みになるとシュウの携帯が鳴り表示を見ると守形先輩だ
「どうしたのシュウ君?」
日和がお弁当を持ってシュウの席に来ていた
「あぁ~悪い。急用が出来たから先に食べていてくれ」
「う、うん。気をつけてね」
教室を出て電話に出る
「もしもし」
『シュウ。すまないがすぐに屋上に来てくれ』
「屋上ですか?」
『あぁ、屋上だ』
屋上に上がると守形先輩がハンググライダーを作っていた
「あぁ、来たかシュウ」
「飛ぶんですか部長?」
「風向きは良好。風力に少々不安はあるが作戦に支障はない」
「やるのは良いですけど怒られますよ会長に」
「大丈夫だ。バレる前にさっさとやる」
「はいはい」
シュウもハンググライダーの製作を手伝い十分ほどで完成する
「ではシュウ、行ってくる」
「グットラック!」
親指を立てると部長も任せろと言わんばかりに親指を立てて部長は大空に向けてテイク・オフ!
しかし風力が弱いせいですぐに墜落してしまった
こが俺のいつもの日常。こんな日常が何時までも続くと俺はそう思っていた